66 / 120
第5章
66.女神見習い、少女と買い物を楽しむ(3)
しおりを挟む「あ、そうだリディ。ちょっと商業ギルドに行ってもいい?」
「……ん、いいよ」
~商業ギルド~
「こんにちはー」
「あら、エナさん。こんにちは」
「あ、こっちはリディとその従魔のブランです」
「……はじめまして」
「それとポーション持ってきたんですが……」
「はじめまして。早速ポーション持ってきてくれたんですね? 嬉しいです。昨日、アレも入荷したのでご用意しますね」
「ほんとですか? 楽しみにしてたんですよー」
お茶がもう入荷してたなんてっ。なんでグッドタイミングなんだっ。わーいわーい。
「はい、こちらが例のお茶です……ひと月に1度入荷する予定ですので、これからもポーションお願いしますね?」
「はい、こちらこそよろしくお願いします」
わーい、これで美味しいお茶が家で飲めるねー。ジャムを落として飲んでみたいし……
商業ギルドではブランよりもリディよりも私に視線が集まっている気がする……なんでかな? はっ、もしや前回の騒ぎが噂になってるとか……
そそくさと商業ギルドを後にすることにした。
「ふぅ……これで、美味しいお茶が飲めるようになったね」
「ん、楽しみ……」
あとは街をぶらぶらしつつ、冬に向けてストールや重ね着できる服、雑貨屋ではリディのナイフとナイフホルダー、背負い袋、毛布、水袋、火打石、ロープなどの新人冒険者が持っていそうなものもひと通り購入。
ブランの羽を仕舞っておく入れ物、今回のジャム作りであったら便利だと実感したザルと木ベラ、ジャム用の瓶などを諸々購入した。
リディは野菜の種や苗をいくつか買っていた。育てるのが楽しいのかな?リディ用のスペース作ったほうがいいかな……ま、私としては野菜畑はリディの好きにしてくれていいんだけどね。
いつものお兄さんとお姉さんの屋台で昼食を買い食いしたり……すっかり顔を覚えられてて、おじさんもお兄さんて呼ばないと反応しない徹底ぶりなんだよ、はぁ。
リディは買い食いも初めてみたいで楽しそう。少し買いすぎた気もするけど、余ったらストレージに入れておくので問題ない。
あとは砂糖やはちみつを探して購入したり……ちょっとお高めだったよ。でも、甘くて美味しいジャムのためだから仕方ない。
パンはいつものパン屋さんで少し贅沢な柔らかめなパンをたくさん購入……だって柔らかいほうがジャムに合いそうなんだもん!
一応、ブランには外で待っててもらうことにした……食品を扱ってるお店だし、何より魔物に慣れてないみたいだったから。
だけどブラン……窓に張り付いてを店内をうかがうとか怪しさ満点だから。
このままじゃブランが誰かに討伐されてしまいそうなので素早く買い物を済ませた。
ちなみにジャムパンとか惣菜パンはなかった……美味しいのにこの街で見たことないな。というか、そもそもあるんだろうか……
看板娘ミリアさんと強面お兄さんの進展具合を聞きたかったと思いつつ、黄金の羊亭へ戻る。
~夕方、黄金の羊亭にて~
そして、リディとミーナ初対面。
「こんばんわ」
「エナお姉ちゃん、いらっしゃい!」
「ミーナちゃん……えっと、この子はリディとブランだよ」
「リディ、こちらはミーナちゃんでカーラさんの妹なんだよ」
「ん……はじめまして」
「はじめまして、ミーナだよ!よろしくねリディちゃん!」
「ん、よろしく」
おおー、ミーナちゃんの社交性がリディにも発揮されている。リディも緊張はしてるけど嫌そうじゃないから……様子見かな。美少女2人が並ぶと一気に絵になるなぁ……あ、親父さんまでガン見してる……
「ミーナちゃん、今日は夕飯食べていきたいんだけど」
「はい、じゃあこちらへどうぞ」
「あら、いらっしゃい。持ち帰りのパイももうすぐ焼きあがるよ。それに旦那が張り切っちゃってたくさん作ったからここでパイを食べていかない?」
「いいんですか?」
「ええ、せっかくだもの。是非食べて行ってね」
「では、お願いします」
おかみさんとミーナちゃんが持ってきたのはりんごパイをはじめとするジャムを使ったパイ。それ以外にもミートパイを出してくれた……モグモグ……
「うわー、このミートパイすごく美味しいですね」
絶対に自分じゃ作れない味だ……え、こら! 誰が普通の料理も作れないくせにだって?
「ん、美味しい……」
「それは良かった。気に入ったならこれも持って帰るかい?」
「いいんですか?」
「たくさんあるし、いいよねあんた?」
親父さんも頷いて親指を立てた……わーい。ありがとうございます!
ちなみにジャムを使ったパイは2枚ずつ焼いてくれたそう。それ以外にもいつものお持ち帰りやミートパイなどを受け取りホクホク……かなりの大荷物になって心配されたけどリディが少し持ってくれたのでなんとか誤魔化せた。黄金の羊亭を出て人気のない場所でさっとストレージに入れる。
ちなみにリディはよくみる光景なので特に驚いていない。
だいぶ暗くなってきたので足早に家に帰る。草原を抜け、森の洞穴で瞬間移動。なんとか日が落ちる前に家に着くことができた。
「ねぇ、リディさっそくお茶飲んでみる?」
お腹はいっぱいだけど、お茶くらいなら全然余裕……
「ん、飲みたい……ブランも飲むって」
「はいはい」
今日買ったティーセットにお茶を入れ、ジャムを用意して……
まずは普通にひと口……うん、ギルドでのんだ美味しいお茶だ。
「美味しいね」
「うん……」
カップの半分くらいになったところでジャムを落としてみる……リディも見よう見まねでジャムを入れている……ブランにも要求された様子。
「うわー、ジャムを入れたら全然違うけどこれはこれで美味しいよね」
「ん……美味しい」
「こりゃ、すぐにジャムなくなっちゃうね……」
「ん」
「また、作ろうね」
「ん、頑張る」
お風呂から上がったリディの髪を乾かしていると
「……これ、エナとブランに……」
「ん? なに……えっ、これって」
「いつものお礼……」
なんと、リディが私とリディとブランお揃いのリボンをプレゼントしてくれたんだよ!色はそれぞれ青、緑、うす紫と違うけど端に小さな鳥のチャームが付いていて、それを見たブランのテンションがもの凄く上がっている。
今日の依頼料で買ったんだって……私がティーセットを買うかどうか悩んでいる間に、『紫紺の猫商会』の奥さんに相談して決めたらしい。
いつの間にって感じだけど……奥さんは前にも「ふふ、お揃いっていいわよね……」って言ってたからお揃いはいかが?ってリディに勧めたのかも。
ブランはさっそく足に巻いてもらって自慢げだ。何気にリディの持ち物は鳥のモチーフで埋まっていってる……ブランが喜ぶから少し癪だけど、今度からプレゼントを選ぶときは鳥のモチーフにしよう。
「わー、ありがとう!嬉しいなぁ……髪の毛結ぶときに使うね」
「ん……」
リディのプレゼントに胸がぽかぽかと温かくなった……
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
神託が下りまして、今日から神の愛し子です! 最強チート承りました。では、我慢はいたしません!
しののめ あき
ファンタジー
旧題:最強チート承りました。では、我慢はいたしません!
神託が下りまして、今日から神の愛し子です!〜最強チート承りました!では、我慢はいたしません!〜
と、いうタイトルで12月8日にアルファポリス様より書籍発売されます!
3万字程の加筆と修正をさせて頂いております。
ぜひ、読んで頂ければ嬉しいです!
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
非常に申し訳ない…
と、言ったのは、立派な白髭の仙人みたいな人だろうか?
色々手違いがあって…
と、目を逸らしたのは、そちらのピンク色の髪の女の人だっけ?
代わりにといってはなんだけど…
と、眉を下げながら申し訳なさそうな顔をしたのは、手前の黒髪イケメン?
私の周りをぐるっと8人に囲まれて、謝罪を受けている事は分かった。
なんの謝罪だっけ?
そして、最後に言われた言葉
どうか、幸せになって(くれ)
んん?
弩級最強チート公爵令嬢が爆誕致します。
※同タイトルの掲載不可との事で、1.2.番外編をまとめる作業をします
完了後、更新開始致しますのでよろしくお願いします
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~
みつまめ つぼみ
ファンタジー
17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。
記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。
そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。
「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」
恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!
狼になっちゃった!
家具屋ふふみに
ファンタジー
登山中に足を滑らせて滑落した私。気が付けば何処かの洞窟に倒れていた。……しかも狼の姿となって。うん、なんで?
色々と試していたらなんか魔法みたいな力も使えたし、此処ってもしや異世界!?
……なら、なんで私の目の前を通る人間の手にはスマホがあるんでしょう?
これはなんやかんやあって狼になってしまった私が、気まぐれに人間を助けたりして勝手にワッショイされるお話である。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる