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第9章
117.女神見習い、アラクネの糸を活用する
しおりを挟む「いやー、疲れたけど楽しかったね」
「ん、魔結晶もたくさん」
「だね……明日早速ポーション作るね」
「ん」
ブランさんの今すぐ作れっていう視線は当然スルーですよ!
ライムが布を気に入ったらしいのでハンカチサイズのものを渡す……うん、ライム道案内で活躍したからね。
『ありがとです!』
「いーえ」
ライムは満足そうに畑の方へ飛んでいった。あ、スライムゼリーもゲットしたからリディとブランと分けて食べたよ。
翌日……
リディ特製の朝食を済ませたあと、ポーションを作ったのでいくつか飲んでもらう。
「そういえばエナ……布?どれくらいもらったの?」
「うーん……結構たくさんかなぁ」
テーブルの上に出していくと……
「ん、すごいね」
「ねー……触り心地もいいし、目も細かくてベットとかにシーツみたいに敷いてもいいかも」
「ん……でもそれには小さいよ?」
「そうなんだよね……」
そう、1番大きなものでもバスタオルくらい。しかも1つだけしかない。
「パッチワークとかできれば色々大きさかえて使えるんだけどねー」
「……エナ、パッチワークって何?」
「あー……小さな布同士を縫い合わせて模様を作ったりできることかな?」
なんか説明足りてない気もするけど……そんな感じだったと思うんだよね。
「へー」
「リディ、やってみたい?」
「ん、ちょっと興味ある」
リディ、鱗の時も器用に作ってたしやりたいならやらせてあげたいけど……うーん。ユリスさんが工房から出てきたら糸も巣からとったそのままのやつがあるから針とか作ってもらえばできるのかなー?
「へー、だったらすぐにユリスに作ってもらえばいいじゃん」
「うわっ!キュリエルいつの間にっ!珍しいね、どうしたの?」
ひとりで来たのかな?
「うん、さっきから。リディたちは気づいてたよ」
「あ、そう」
「うん。ユリスが昨日の帰ってからずっと工房にこもりっきりでさー……僕のご飯が無いんだよねー。だからご飯食べにきたんだー」
「ん、わかった」
「そうなんだ……」
って、あれ?キュリエルって別にご飯食べなくても問題ないよね?私が家を買う前は何年も食べてなかったわけだし……
「リディ。できればユリスの分も用意してほしいなー?その時に針とか頼んでみれば?」
「ん」
「でもさ……邪魔じゃないかな?」
「んー……かもね?でも、ほっとくと何日も食べなさそうだし」
キュリエルって意外とユリスさんのこと大事に思ってるんだ……
キュリエルと早めの昼食を食べ、ユリスさんにご飯を届けつつお願いに行くのだった。
ま、忙しそうなら雑貨屋さんで買えばいいし……ちなみにお昼ご飯はサンドイッチでしたー。ユリスさんが簡単に食べられるようにリディなりに考えた結果らしい。うん、ブランが嫉妬しそうだね……
リディお手製のジャムが入ったやつすごく美味しかった……ほとんどブランとキュリエルに食べられてしまったけども。
恐る恐るお願いした結果、ミスリルでいいならと快諾してくれた。なぜミスリルかといえば今はこれで何か作りたいかららしい。うん、もうほとんど使い切っちゃって小さければたくさん作れるからって理由もあるみたい。
結局、ものの数時間でミスリル製の針とまち針、裁ち切りばさみと糸切りばさみを作ってくれた。うん、ものすごく切れ味がいいからリディが使う前からブランがハラハラしてる……
「じゃ、早速やってみようか」
「ん」
「リディは縫い物はじめて?」
「ん」
「まず、道具の説明からするね。えっと針は布を縫う為に使います。まち針は布を縫う時にずれないよう固定する為に使うかな。ほらまち針はお尻が平たく潰されてるでしょ?ってきれいなお花になってる!」
ユリスさんに作ってもらったまち針を見せつつ説明してたのに今気づいたよ。こういうところにまで気を配れるなんてやっぱ腕のいい職人さんなんだろうなー……便利に使いすぎてすいません。
本当はここまで教えなくてもいいかもしれないけどリディも楽しそうだからま、いっか。
「ん」
「こうなってれば固定してても、知らないうちに針が抜けて行方不明にならないよね」
「ん、ほんとだ」
「裁ち切りばさみは布を切る時に、糸切りばさみは糸を切る時に使うよ。分けてあるのは確か……切れ味が悪くなるからだったっけ?」
ん?ちがったかな?
「ん」
「あと、これ重要!使う前に針とまち針の数を確認しておくこと。使い終わったらちゃんと全部あるかチェックしてね!落としたりして知らないうちに怪我したら大変だから」
その時はポーションぶっかけるけどね……
「ん、わかった!」
リディは早速、針とまち針の数を確認している。
「ん……針は3本、まち針は10本」
「じゃ、はじめるけどいいかな?」
「ん!」
「まず、針の穴に糸を通します」
こうやって……えいっ……あれおかしいな……えいっ
「ん、できた」
「早っ!ちょ、ちょっと待ってね」
やばい、私元の世界でも糸通すの苦手なの忘れてた……糸通しが恋しい……
「ん、貸して」
「あ、ありがと」
リディさん、一発で糸を通してくれました。そして、玉止めやなみ縫いを教えるとあっという間に習得した。
ひとまずハンカチを作ってみたんだけど……っていうかハンカチサイズの布の端を縫っただけなんだけどね。
リディのは歪みも少ないきれいなハンカチ。私のはただの布(血液付き)だった。これ女神の心眼で出たからね。
だって指にめっちゃ刺さったし。ちょっと心が折れた。偉そうに教えておいて出来上がってみれば……ねえ?
血染めのハンカチなんて誰も使いたがらないだろうし。向いてないみたいだからやめようかな……ぐすん。
「リディ、楽しい?」
「ん、面白い」
「じゃ、布と糸はルールの書かれた下にあるチェストの引き出しに入れておくから好きな時に使ってね」
「ん、針もそこに入れる」
「わかった……くれぐれも気をつけてね」
「ん」
まぁ、ブランがしっかり見張ってくれるはずだから大丈夫だとは思うけどさ……
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