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第一夜 (12)
しおりを挟む「美しいのは、貴女が純朴だからでも、純潔だからでもないのです。それはあくまで付随してきた結果に過ぎない。本来尊ぶべき美を湛えるのに、美しいと見做ない価値観の中で長い年月の間、放っておかれた。僕はそれが可哀想だと言うんです」
アルフィー様の手指は、唇と同じように饒舌であり続ける。
「ただ、その美的価値を正当に評価できる者を待っていたと言うなら別ですが」
ぬるりと内部から外部の輪郭へと手を滑らせてながら、それは離れていく。
「んんんっ」
「名残惜しそうにしてくれますね」
「誰でも良くはなかったので守った形になりましたが、このようになれるのなら、もっと早くが良かったです」
きっと、頑なに閉ざされていたそこは、今は大きな口を開けている。
待っていたのは、この時だけれど、この人を待っていたとは言い難いと思う。
自分がときめいたり、ときめかれたりすることがあり得ないと思っていた。それで諦めて放棄した。
青春めいた恋を望んでいたと言うなら、この如何にもな肉欲の到来は、まったく異なる。
私が欲しかったのは、こんなのじゃない。
けれど・・・
背中側に首を捻り、後方にいるその麗しい人を久々に見やった。
印象的だった雄々しさは鳴りを潜め、知的な落ち着きを纏った若々しい青年がそこにいた。
「僕は貴女を待っていたと言うのに、貴方は僕の気も知らずに徒に煽るんですね」
懊悩しているのが手に取るように分かった。
今にも服を着て、この部屋を去りそうな言い草。
先に吹っ掛けてきたのは、そっちでしょ。
「欲しい形で手に入らないなら逃げる気なの」
私の腰を掴んだ手に力が加わる。
「言葉巧みに転がして、飽きたら悪者扱いなんて。
どっちが悪いか、賭けましょうよ」
火花が飛び散る様に目線がぶつかる。
「上等ですよ」
かつてない妖艶な笑みを口元に浮かべて、腰を近づけてくる。
「後悔したくても、しきれない痕を、その体に刻んであげます」
窪みを上下したと思うと、角度を合わせながら熱いものが入り込んでくる。
「あ、ああ、あああっ」
「は、きつっ」
小さく漏れ出た言葉が聞こえた瞬間、現実味を感じてしまった。
苦しいのは、私だけじゃない。
「深く繋がりたい」
「あ、熱い」
遠慮なく突き進んでくるのに、うねうねと動いて受け容れていく。
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