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一緒に居たいけど、ダメ。

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 このままノワと一緒にいたい。

 あの夜のように。

 一瞬そう考えちゃったけど、でもだめ。

 この身体はレイアのだ。流石にだめ。それだけはだめ。



 レイアにも悪いと思うけどそれだけじゃなくて。

 ノワが万が一にも責任感じてレイアの事を……、なんてことを考えるとそれだけでだめ。

 あたしはレイアにも嫉妬してしまうから。



「ごめんねノワ。この身体はレイアの身体だから。あたし今レイアから離れられないから。帰らなきゃ、いけなくて……」

 上目遣いでそう話すあたし。

 ほんとはずっと一緒にいたいの。心がそう求めてるのもほんとう。でも。だめ、なんだ……。

「しょうがないですね。さすがの僕も手を出した相手がまだ未成年の女子じゃ、責任も取りきれませんしね」

 そう、冗談めかして微笑むノワ。

 って、そういえばノワってもう三十代?

 幼かった面影はもうすっかりなくなって、ほんと魅力的な男性になったなぁ。

 時の流れの中で、なんだかあたしだけおいてけぼりになってるみたいでちょっとふにゃぁ。



 あたしはねこみたいに頭をノワの胸に擦り付けて。

 なごりを惜しんだ。




 ☆☆☆


 魔、が、こちら側に溢れてきている。

 そんな話を別れ際に聞いた。

 あの時の魔? あれがこちら側に?

 そう聞くとノワ、たぶんそうだと思われます、って。



 なんとかしなきゃ、いけないのかな。

 ノワは自分がなんとかしようと修行していたみたいだけど、でも、ダメ。

 あれはたぶんあたししか無理。

 あれはたぶん強さの次元が違う。先代の魔王なんかとは比べものにならないほどの、闇を感じたし。

 もしかしたら、だけど、


 あれはあたしとおなじものかもしれない。


 もしかしたら、だけど。


 自称、「神」のあいつ。


 だとしたら……。





 レイアのお家まで考え事をしながらふわふわ飛んで。

 もう明け方に近い。

 レイアの心は中で寝てるからたぶん大丈夫だと思うけど、体の方も少しは休めてあげないとかな?

 両親にはレイチェルから連絡しておいてもらったから大丈夫だと思うけど、こんな姿でこっそり忍び込むのもちょっと気が引ける。

 あたしはレイアの部屋のベランダにふんわり降り立つと、そのまま窓から中に入りお布団に潜り込んだ。

 お布団の中でレイヤー解除。


 くーって寝息をたてるレイアの中で、あたしも少し休もうかな。ちょっと今日は疲れたよ……。
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