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宇宙船。

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 で、ノワはどうするの?

「ノワはどうしてここに篭ってたの?」

 そう。まずそこから聞かなきゃ。


 ノワ、少し目を瞑って。

 顔をあげ、ちょっと遠くを見るようにして。


「強く、なりたかったんです……」

 と、噛み締めるように、そう言った。



 って、ノワは充分強いよ? この世界で並ぶ者居ないくらいには。

 あたし除く、だけど。


「あなたを守れるくらいに強くならなきゃって。そう思って……」

 え……。

「あなたがまた復活するだろうとは信じてました。前回は驚きましたけどね? でも、今度こそ僕はあなたを守れるようになりたかったんです」

 ああ。ノワ……。

「ここって修行するにはうってつけの場所だったんですよ。魔法陣一つで魔拡張現実の魔獣を構築できる」

 え? 魔拡張現実?

「とりあえず記録にあった黒竜の魔法陣を使って、修行してたんですよね」

 ああ。だからあれ。どこかでみた魔法陣だと思ったんだよね。魔王と戦った時のだよ。

「拡張現実、って、何処かにそんな言葉書いてあったの?」

「ええ。奥にこの船の操舵室があったんです。そこにある資料にありました」

「船?」

「ええ、これ、どうやら古代の魔道王国で使われていた移動船みたいなんですよね」

「えーー?」

 ちょっとびっくりだ。

 っていうかレイチェルはなんだか知ってた風。他の三人はちょっとこの説明じゃ意味不明な感じ? ポカンとしてる。


「最下層のドームは元々魔拡張現実っていう技術で、魔法陣によっていろんな物質や風景世界を創造できる装置だったみたいです」


 ああ。これ、もしかしたら宇宙船? なら納得。人工的に自然を再現したりトレーニングしたり、そんな目的の部屋って意味だよね?

 でも。

 この世界、宇宙って概念、無いよね……?

 やっぱり魔道王国って……。





 あたしはコーラスコルネリアレイチェルを順番に送り届けると、もう一度この遺跡に戻ってきた。

 もうすっかり月が天空に掛かっている。

 ほうほうと鳴く鳥の声に、この世界は本当に地球に似てるな、そう改めて思う。

 植物もそう。動物も、そうだ。

 違うのは魔があるか無いか、くらい。



 レイアにはごめんなさいだけどまた身体を借りている。

 もう世も更けて眠くなったのか、レイアは中で眠りについた。

 今日はいろいろあったしね。

 精神的にもかなり疲れたのだろう。しょうがないな。


 入り口のところで夜の森を眺めてから、あたしはエレベーターの部屋まで転移してノワを呼んだ。

 そして。

 二人きりになったところで。


 もう一度ノワに抱きついた。
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