猫ばっかり構ってるからと宮廷を追放された聖女のあたし。戻ってきてと言われてももう遅いのです。守護結界用の魔力はもう別のところで使ってます!

友坂 悠

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転生皇女。

カッサンドラ。

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 真っ白な空間。

 ただただ漂って。

 生まれ変わる前ここに居た事を今更ながら思い出す。

 なんだかサーラとして生きてきた時間の中で、だんだん瑠璃だった事忘れかけて、このあいだの夢で思い出したんだっけ。そんな事も考える。

 ここは……。何処?





 デートリンネ。あなた、人間一人に干渉しすぎじゃない?

 そうそう。あんまり干渉しすぎても良くないよ。

 しょうがないじゃない。これが彼の方の希望なのですもの。

 世界なんてほかっておいても勝手に増えるじゃない。

 消えても消えても増える泡の様なものなのに。

 ほら、このあいだなんか人の悪意が集まって世界一つ消したでしょう、人なんてそんなものなのに。

 だから、観ているだけでは我慢できなくなったんでしょうね。

 ご自分で創世の魔法に干渉したいそうなのですよ。

 彼の方の考えることはわかりませんね。

 わたくしたちとは違いますから。





 そんな会話が何処からか聞こえる。

 これは……、夢?

 ううん。

 ここは……。



 この世界は……。


☆☆☆☆☆



 目が開くとそこには心配そうに覗き込むリウィア様の姿があった。

「わたくし……」

 どうしてしまったのでしょう? と、言いかけ。つぐむ。

 何か大切な事を思い出したような気がするのに。


「カッサンドラ様にお会いする事が出来ましたか?」

 そう、優しく微笑むリウィアさま。

「いえ……、わかりません……」

 白い光に包まれた様な気がするけど、その後の記憶が曖昧だ。まるで夢から目覚めついさっきまで覚えていた夢が思い出せないような、そんな歯がゆさ。

「まだ早かった、の、かしらね。今はその時、では、無かったと言う事かしら。いーい? サーラ。もし貴女が自身の預言者としてのチカラに目覚めたと自覚したならその時はまたここ、この祭壇に来なさい。そしてこの聖杯に手を添え祈るのです。きっとカッサンドラ様の加護が貴女にも芽生えるでしょう」

 真剣な瞳でそういうリウィア様に、わたしは頷くしか出来なかった。



 聖堂の扉の前にいつのまにか控えていたアスターニャに手を引かれ、わたしは寝室に戻った。

 なんだか頭がぼおっとする。

 思い出せない夢、が、頭の中でぐるぐるしてる、そんな感じ。

 に、しても。

 カッサンドラ様の加護、か。

 あれははカッサンドラ様に会える儀式だった、の?

 わたしはまだチカラに目覚めていないから、ダメだったの?

 なんか釈然としない。



 ……だって、わたくしがカッサンドラなのですもの。

 ……この世界を救う為、この時間軸に転生したのだから。

 心の中で、そんな声がする。



 はい?

 どういう、事? 
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