33 / 43
【閑話】ユリアとユリウス※6話すぐ後の時間軸になります。
しおりを挟む
「どうおもう? ユリア」
「おにいさまはマリエルねえさまがお嫌いなのかしら?」
「あんなに優しいねえさまなのに?」
「ばかね。好きとか嫌いとかに優しいとか優しくないは関係ないのよ?」
「わかれるって、もうねえさまがねえさまじゃなくなるってこと?」
「そうねえ。そうなるかもしれないわねえ」
「そんなのいやだ」
「もう、ユリウスったら子供ね」
「ユリア! 僕のことすぐ子供扱いする! 産まれた日は一緒なのに!」
「ほんっとばかね。そういうところが子供だっていうのよ」
「お前だって子供じゃないか!」
「お前じゃなくてユリアお姉様でしょ!? わたくしがお姉様、あなたが弟、これはもう決まってる事実なのよ?」
「くっ」
「ほら、お姉様って呼びなさい?」
「お前なんてユリアで充分だよ。絶対お姉様だなんて呼んでやらないから」
「もう、しょうがないわね。じゃぁいいわ。ユリアで。そのかわり『お前』は嫌よ?」
「う、ごめん。ユリア」
「いいのよ、ちゃんと謝れるのは良いことだわ。ユリウス」
ベローニカとジュリウスの会話を覗き見していた双子。ユリアとユリウス。
まだ五歳の二人だったけれど、姉のユリアの方は随分とおませで、弟ユリアスの方は純朴さを残す年相応にもみえる。
顔立ちはそっくりな二人。違いがあるとしたらその金色ふわふわな巻毛の長さだけだろうか。
耳が隠れる程度の短い髪のユリウス。前髪はぱっつん切り揃え、後ろは背中まで伸ばしたふわふわな髪のユリア。
「そうだ。ジュリウスにいさまがマリエルねえさまとわかれるって言うなら、僕がお嫁さんにもらってあげればいいんだよね? そうすればねえさまはずっとこの家にいてくれるよね?」
「ほんっとばかねえ。結婚って、そんな簡単なものじゃないのよ」
「じゃぁどうすればいいっていうのさ。ユリアはねえさまがいなくなっても良いっていうの?」
「そうは言ってないけど」
「じゃぁ」
二人がそんなふうに言い合ってるところに、不意に目の前の扉が開いた。
「あらあら。二人ともこんなところで覗き見してたの?」
「あ、ママ。マリエルねえさまが居なくなっちゃうなんて嫌だ」
「わたくしも嫌だわ。ねえかあさま。なんとかならないの?」
「そうねえ。あの子のあの様子だと、むずかしいのかもねえ」
「そんなぁ」
「うーん、でもまだ何か手はあるかもしれないわ」
「そう思うの? ユリアは」
「とにかくおにいさまはダメよ。朴念仁だから。攻めるならねえさまの方じゃないかしら?」
「そうねー、そうかもしれないわね」
「ねえかあさま、わたくし、マリエルねえさまと一緒にお食事できないかしら? いっつも別々でしょう? たまにはご一緒できないかなぁって。ああ、おにいさまは別でいいから」
「ふふ。そうね。マリエルちゃんに聞いてみるわね」
「ありがとうかあさま大好きよ」
「僕も大好きだよママ」
「ええ、二人とも大好きよ。わたくしの可愛い天使たち」
そう、二人をハグするベローニカ。
子猫のように頭を擦り付けてくる双子を交互に撫で回しながら、その頬に優しく頬擦りして。
微笑んだ。
-- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- --
ありがとうございます、
随分と間があいてしまってごめんなさい。せっかくの恋愛大賞期間なので、この辺りで頑張って番外を投稿していきたいと思っています。
楽しんでもらえると嬉しいです。よろしくお願いします。
後、同時進行で新作長編もあげていきます。
「あなたの恋、応援します!! ~気がついたら悪役令嬢だったので、破滅回避のために全力で王太子の真実の恋を応援することにしました!!【嘘】」
というタイトルのお話。
逆行転生、悪役令嬢、そして、【嘘】
それがテーマになっています。
よろしくお願いします。
「おにいさまはマリエルねえさまがお嫌いなのかしら?」
「あんなに優しいねえさまなのに?」
「ばかね。好きとか嫌いとかに優しいとか優しくないは関係ないのよ?」
「わかれるって、もうねえさまがねえさまじゃなくなるってこと?」
「そうねえ。そうなるかもしれないわねえ」
「そんなのいやだ」
「もう、ユリウスったら子供ね」
「ユリア! 僕のことすぐ子供扱いする! 産まれた日は一緒なのに!」
「ほんっとばかね。そういうところが子供だっていうのよ」
「お前だって子供じゃないか!」
「お前じゃなくてユリアお姉様でしょ!? わたくしがお姉様、あなたが弟、これはもう決まってる事実なのよ?」
「くっ」
「ほら、お姉様って呼びなさい?」
「お前なんてユリアで充分だよ。絶対お姉様だなんて呼んでやらないから」
「もう、しょうがないわね。じゃぁいいわ。ユリアで。そのかわり『お前』は嫌よ?」
「う、ごめん。ユリア」
「いいのよ、ちゃんと謝れるのは良いことだわ。ユリウス」
ベローニカとジュリウスの会話を覗き見していた双子。ユリアとユリウス。
まだ五歳の二人だったけれど、姉のユリアの方は随分とおませで、弟ユリアスの方は純朴さを残す年相応にもみえる。
顔立ちはそっくりな二人。違いがあるとしたらその金色ふわふわな巻毛の長さだけだろうか。
耳が隠れる程度の短い髪のユリウス。前髪はぱっつん切り揃え、後ろは背中まで伸ばしたふわふわな髪のユリア。
「そうだ。ジュリウスにいさまがマリエルねえさまとわかれるって言うなら、僕がお嫁さんにもらってあげればいいんだよね? そうすればねえさまはずっとこの家にいてくれるよね?」
「ほんっとばかねえ。結婚って、そんな簡単なものじゃないのよ」
「じゃぁどうすればいいっていうのさ。ユリアはねえさまがいなくなっても良いっていうの?」
「そうは言ってないけど」
「じゃぁ」
二人がそんなふうに言い合ってるところに、不意に目の前の扉が開いた。
「あらあら。二人ともこんなところで覗き見してたの?」
「あ、ママ。マリエルねえさまが居なくなっちゃうなんて嫌だ」
「わたくしも嫌だわ。ねえかあさま。なんとかならないの?」
「そうねえ。あの子のあの様子だと、むずかしいのかもねえ」
「そんなぁ」
「うーん、でもまだ何か手はあるかもしれないわ」
「そう思うの? ユリアは」
「とにかくおにいさまはダメよ。朴念仁だから。攻めるならねえさまの方じゃないかしら?」
「そうねー、そうかもしれないわね」
「ねえかあさま、わたくし、マリエルねえさまと一緒にお食事できないかしら? いっつも別々でしょう? たまにはご一緒できないかなぁって。ああ、おにいさまは別でいいから」
「ふふ。そうね。マリエルちゃんに聞いてみるわね」
「ありがとうかあさま大好きよ」
「僕も大好きだよママ」
「ええ、二人とも大好きよ。わたくしの可愛い天使たち」
そう、二人をハグするベローニカ。
子猫のように頭を擦り付けてくる双子を交互に撫で回しながら、その頬に優しく頬擦りして。
微笑んだ。
-- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- --
ありがとうございます、
随分と間があいてしまってごめんなさい。せっかくの恋愛大賞期間なので、この辺りで頑張って番外を投稿していきたいと思っています。
楽しんでもらえると嬉しいです。よろしくお願いします。
後、同時進行で新作長編もあげていきます。
「あなたの恋、応援します!! ~気がついたら悪役令嬢だったので、破滅回避のために全力で王太子の真実の恋を応援することにしました!!【嘘】」
というタイトルのお話。
逆行転生、悪役令嬢、そして、【嘘】
それがテーマになっています。
よろしくお願いします。
291
あなたにおすすめの小説
侯爵夫人のハズですが、完全に無視されています
猫枕
恋愛
伯爵令嬢のシンディーは学園を卒業と同時にキャッシュ侯爵家に嫁がされた。
しかし婚姻から4年、旦那様に会ったのは一度きり、大きなお屋敷の端っこにある離れに住むように言われ、勝手な外出も禁じられている。
本宅にはシンディーの偽物が奥様と呼ばれて暮らしているらしい。
盛大な結婚式が行われたというがシンディーは出席していないし、今年3才になる息子がいるというが、もちろん産んだ覚えもない。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。
Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。
そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。
そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。
これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)
【完結】忘れてください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
愛していた。
貴方はそうでないと知りながら、私は貴方だけを愛していた。
夫の恋人に子供ができたと教えられても、私は貴方との未来を信じていたのに。
貴方から離婚届を渡されて、私の心は粉々に砕け散った。
もういいの。
私は貴方を解放する覚悟を決めた。
貴方が気づいていない小さな鼓動を守りながら、ここを離れます。
私の事は忘れてください。
※6月26日初回完結
7月12日2回目完結しました。
お読みいただきありがとうございます。
愛する夫が目の前で別の女性と恋に落ちました。
ましゅぺちーの
恋愛
伯爵令嬢のアンジェは公爵家の嫡男であるアランに嫁いだ。
子はなかなかできなかったが、それでも仲の良い夫婦だった。
――彼女が現れるまでは。
二人が結婚して五年を迎えた記念パーティーでアランは若く美しい令嬢と恋に落ちてしまう。
それからアランは変わり、何かと彼女のことを優先するようになり……
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる