「わかれよう」そうおっしゃったのはあなたの方だったのに。

友坂 悠

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【閑話】ユリアとユリウス※6話すぐ後の時間軸になります。

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「どうおもう? ユリア」
「おにいさまはマリエルねえさまがお嫌いなのかしら?」
「あんなに優しいねえさまなのに?」
「ばかね。好きとか嫌いとかに優しいとか優しくないは関係ないのよ?」
「わかれるって、もうねえさまがねえさまじゃなくなるってこと?」
「そうねえ。そうなるかもしれないわねえ」
「そんなのいやだ」
「もう、ユリウスったら子供ね」
「ユリア! 僕のことすぐ子供扱いする! 産まれた日は一緒なのに!」
「ほんっとばかね。そういうところが子供だっていうのよ」
「お前だって子供じゃないか!」
「お前じゃなくてユリアお姉様でしょ!? わたくしがお姉様、あなたが弟、これはもう決まってる事実なのよ?」
「くっ」
「ほら、お姉様って呼びなさい?」
「お前なんてユリアで充分だよ。絶対お姉様だなんて呼んでやらないから」
「もう、しょうがないわね。じゃぁいいわ。ユリアで。そのかわり『お前』は嫌よ?」
「う、ごめん。ユリア」
「いいのよ、ちゃんと謝れるのは良いことだわ。ユリウス」

 ベローニカとジュリウスの会話を覗き見していた双子。ユリアとユリウス。
 まだ五歳の二人だったけれど、姉のユリアの方は随分とおませで、弟ユリアスの方は純朴さを残す年相応にもみえる。
 顔立ちはそっくりな二人。違いがあるとしたらその金色ふわふわな巻毛の長さだけだろうか。
 耳が隠れる程度の短い髪のユリウス。前髪はぱっつん切り揃え、後ろは背中まで伸ばしたふわふわな髪のユリア。

「そうだ。ジュリウスにいさまがマリエルねえさまとわかれるって言うなら、僕がお嫁さんにもらってあげればいいんだよね? そうすればねえさまはずっとこの家にいてくれるよね?」
「ほんっとばかねえ。結婚って、そんな簡単なものじゃないのよ」
「じゃぁどうすればいいっていうのさ。ユリアはねえさまがいなくなっても良いっていうの?」
「そうは言ってないけど」
「じゃぁ」

 二人がそんなふうに言い合ってるところに、不意に目の前の扉が開いた。

「あらあら。二人ともこんなところで覗き見してたの?」

「あ、ママ。マリエルねえさまが居なくなっちゃうなんて嫌だ」
「わたくしも嫌だわ。ねえかあさま。なんとかならないの?」

「そうねえ。あの子のあの様子だと、むずかしいのかもねえ」

「そんなぁ」
「うーん、でもまだ何か手はあるかもしれないわ」

「そう思うの? ユリアは」

「とにかくおにいさまはダメよ。朴念仁だから。攻めるならねえさまの方じゃないかしら?」

「そうねー、そうかもしれないわね」

「ねえかあさま、わたくし、マリエルねえさまと一緒にお食事できないかしら? いっつも別々でしょう? たまにはご一緒できないかなぁって。ああ、おにいさまは別でいいから」

「ふふ。そうね。マリエルちゃんに聞いてみるわね」

「ありがとうかあさま大好きよ」
「僕も大好きだよママ」

「ええ、二人とも大好きよ。わたくしの可愛い天使たち」

 そう、二人をハグするベローニカ。
 子猫のように頭を擦り付けてくる双子を交互に撫で回しながら、その頬に優しく頬擦りして。
 微笑んだ。


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ありがとうございます、
随分と間があいてしまってごめんなさい。せっかくの恋愛大賞期間なので、この辺りで頑張って番外を投稿していきたいと思っています。
楽しんでもらえると嬉しいです。よろしくお願いします。

後、同時進行で新作長編もあげていきます。
「あなたの恋、応援します!! ~気がついたら悪役令嬢だったので、破滅回避のために全力で王太子の真実の恋を応援することにしました!!【嘘】」
というタイトルのお話。
逆行転生、悪役令嬢、そして、【嘘】
それがテーマになっています。
よろしくお願いします。
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