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命を大事に。
しおりを挟む「超極氷結!!」
背後からルークヴァルトの魔法が飛んできて赤鬼を一瞬凍らせる。
駆け寄ってきたルークヴァルト。
セラフィーナもそのまま彼の元へ飛んだ。
「セラフィーナ!!」
「ルーク様! どうして!」
「どうしてもこうしてもないよ! 君だけを危険な目に合わせておくことなんかできるわけないだろ!」
「だって、あの鬼はレベルが違う。このままじゃ、騎士団みんな全滅しちゃうから」
「まあ他のメンバーじゃ荷が重いのはわかった。彼らはいったん下がらせる。君は怪我人の治療までしてくれたんだろう? ほんとに助かったよ」
「じゃぁ、ルーク様も」
「それはできない。私は君を守りたい。君の負担を少しでも軽くしたいんだ!」
そういうとそのまま前方にまた魔法を飛ばす!
「だって、だって、ルーク様……」
「話は後だ。ほら、もうおいでなさった」
赤鬼は身体を揺すると自身の枷となっていた氷を弾き飛ばす。
そのまま棍棒を振り上げそこに魔力を熾した。
「アウラクリムゾン!!」
セラフィーナはそのままアウラクリムゾンの盾を射線上に翳し、そしてその後意識だけを赤鬼のそばまで転移させた。
一瞬で先日のような分身体を産んで赤鬼に相対し、そして自分はルークヴァルトを抱きしめてこの場から離そう逃げようと背後にジャンプした。
「旦那様! 魔法を使うにしてもこれくらいの距離は保ちましょう。あれの炎はまともに浴びたら人の身では生きてはいられません。わたしが庇うのにも限界があるんですよ!」
「だったらそれは君も!」
「今の分身体を見たでしょう? わたしの、セラフィーナの本体はここ、です。だから、大丈夫ですから」
そう言って彼の身体を抱きしめる。
彼の気持ちを感じて嬉しかった。
迷惑とか、そんなことは一切思い浮かばなかった。
確かに彼を守って闘うのはリスクが大きい。
でも。
一緒にいたい。
彼を感じていたい。
彼に感じてもらいたい。
これは、この気持ちはきっと、内気だった本来のセラフィーナの心。
そうに違いない。そう思えた。
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