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第二章 灰色のもふもふ
美味しいもの発見!
――脚の怪我だって治ったばかりになのに、なんで…全力で走っているの??
シュナは訳が分からないまま、とにかくオニキスを追いかける。子犬とは思えない速さだ。これが本調子だったらもっと早いのかもしれない…。
とにかく、オニキスの興味を引くものがこの先にあるのは間違いない! でも…危険なものだったら大変だ!! なんとしても急いでオニキスを捕まえないと…。
シュナも、とにかく必死で追いかける。周りに注意して…なんて余裕は今のシュナにはまったくなかった。分岐の分かれ道に来たら、目印の白い砂利を撒くので精いっぱいだ。
ぜえ…ぜえ…。どうしよう。全然距離が縮まらないよ~。ここに来て全速力で走ることなんてなかったし、僕ほうが先に力尽きそう。そんな泣き言が頭に過ぎったが、それでもとにかく走り続けていると…
――やがて、行き止まりの小さな洞穴に灰色のオニキスが入っていくのが見えたのだ。
やった! あともう少しで追いつける。シュナの心に希望の光が見えたが、その考えは甘かった…。
行き止まりだと安心していたが、その期待はあっさりと裏切られる。
洞穴の中に入ってみると、小さな穴の中にちょうど、灰色のもふもふの尻尾が入っていくのが見えたのだ。
「え!? そんな~!」
そこには、小動物ならちょうど入れるような小さな穴がぽっかりと開いていた。その穴に近づき、オニキスの名を呼んでみるがまったく反応がない。ただ、ボリっボリっと何かを食べているような妙な音がするだけだ。
その音を聞いてシュナは真っ青になる。始めはオニキスが魔物にでも捕まってボリボリと食べられているのかと最悪な展開を予想していたが、よーく音を聴いてみると…どうやら違うようだ。
…これはオニキスがなにかを食べているときの音だ。それにオニキスの気配もすぐ近くで感じるし…うん、間違いないようだ。
シュナは小さな穴に向かい何度もオニキスの名を呼んでみるが…やっぱり反応がない。どうやら食事に夢中のようである。
「……」
なんかシュナは寂しい気分になってしまう。あんなに懐いていたのに、僕よりも食事の方が大切だなんてと落ち込んでしまうのだ。でもなんとか気持ちを切り替えることにする。暗くてよく見えないが、穴の先は――音の反響ぐあいから広い空間が広がっているようだ。なら、この小さな穴に自分も入れないかと試してみることにしたのだ。
う~ん、頭だけなら通り抜けられそうだけど…問題は、肩から先が通るかどうかだ。肩が入れば自然と通り抜けられるはずだ。
シュナは上着を脱ぐと這うようにして穴の中に頭を入れて、強引に肩をねじ込む。何度か試しているうちになんとか穴を抜け、反対側の空間にいくことに成功したのだ。
腕の怪我は治ったのに、なんか…今度は体のあちこちが痣だらけになってしまったような気がする。
トホホホ…。服についた埃を落とし、穴に手を入れ反対側に置いてきた上着を引っ張り出して着るとほっと息を吐く。
そして正面を見ればオニキスの尻尾がご機嫌に揺れていたのだ。
「オニキス…そんなところで一体何をやっているんだ?」
「きゃう?」
ようやく僕の声に気がついたのかオニキスは、どうしたの? と言いたげに振り返る。そして一声鳴くと見覚えがある乾燥した小魚が一匹、口から落ちたのだ。どうやら口いっぱいに、保存用の小魚をボリボリと食べていたようである。
シュナは訳が分からないまま、とにかくオニキスを追いかける。子犬とは思えない速さだ。これが本調子だったらもっと早いのかもしれない…。
とにかく、オニキスの興味を引くものがこの先にあるのは間違いない! でも…危険なものだったら大変だ!! なんとしても急いでオニキスを捕まえないと…。
シュナも、とにかく必死で追いかける。周りに注意して…なんて余裕は今のシュナにはまったくなかった。分岐の分かれ道に来たら、目印の白い砂利を撒くので精いっぱいだ。
ぜえ…ぜえ…。どうしよう。全然距離が縮まらないよ~。ここに来て全速力で走ることなんてなかったし、僕ほうが先に力尽きそう。そんな泣き言が頭に過ぎったが、それでもとにかく走り続けていると…
――やがて、行き止まりの小さな洞穴に灰色のオニキスが入っていくのが見えたのだ。
やった! あともう少しで追いつける。シュナの心に希望の光が見えたが、その考えは甘かった…。
行き止まりだと安心していたが、その期待はあっさりと裏切られる。
洞穴の中に入ってみると、小さな穴の中にちょうど、灰色のもふもふの尻尾が入っていくのが見えたのだ。
「え!? そんな~!」
そこには、小動物ならちょうど入れるような小さな穴がぽっかりと開いていた。その穴に近づき、オニキスの名を呼んでみるがまったく反応がない。ただ、ボリっボリっと何かを食べているような妙な音がするだけだ。
その音を聞いてシュナは真っ青になる。始めはオニキスが魔物にでも捕まってボリボリと食べられているのかと最悪な展開を予想していたが、よーく音を聴いてみると…どうやら違うようだ。
…これはオニキスがなにかを食べているときの音だ。それにオニキスの気配もすぐ近くで感じるし…うん、間違いないようだ。
シュナは小さな穴に向かい何度もオニキスの名を呼んでみるが…やっぱり反応がない。どうやら食事に夢中のようである。
「……」
なんかシュナは寂しい気分になってしまう。あんなに懐いていたのに、僕よりも食事の方が大切だなんてと落ち込んでしまうのだ。でもなんとか気持ちを切り替えることにする。暗くてよく見えないが、穴の先は――音の反響ぐあいから広い空間が広がっているようだ。なら、この小さな穴に自分も入れないかと試してみることにしたのだ。
う~ん、頭だけなら通り抜けられそうだけど…問題は、肩から先が通るかどうかだ。肩が入れば自然と通り抜けられるはずだ。
シュナは上着を脱ぐと這うようにして穴の中に頭を入れて、強引に肩をねじ込む。何度か試しているうちになんとか穴を抜け、反対側の空間にいくことに成功したのだ。
腕の怪我は治ったのに、なんか…今度は体のあちこちが痣だらけになってしまったような気がする。
トホホホ…。服についた埃を落とし、穴に手を入れ反対側に置いてきた上着を引っ張り出して着るとほっと息を吐く。
そして正面を見ればオニキスの尻尾がご機嫌に揺れていたのだ。
「オニキス…そんなところで一体何をやっているんだ?」
「きゃう?」
ようやく僕の声に気がついたのかオニキスは、どうしたの? と言いたげに振り返る。そして一声鳴くと見覚えがある乾燥した小魚が一匹、口から落ちたのだ。どうやら口いっぱいに、保存用の小魚をボリボリと食べていたようである。
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