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色欲
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実は2時間前、まだ影山達が会議をしている時、あさひの身には大変なことが起こっていた。
その時あさひは帰り道、友達に電話をしていた。
「そう。今日やっと手に入れたの君美楓の新作。ずっと前から楽しみにしていたんだから。今日は慎も帰ってくるの遅いから早めに寝支度して一気に読破してやるんだから。大丈夫。仕事には支障を出さないから。え?結婚式のこと?そうだね。それもそろそろ決めないとね。そういえばさー」
話に夢中になっていたあさひは後ろから男が小走りに近づいてくることに気づかなかった。
男はあさひに後ろから抱きつくとすぐ隣にある茂みにあさひと一緒に倒れ込んだ。咄嗟に抵抗しようとしたあさひは持っていた荷物も携帯も落としたことに気づかず手足をバタつかせて逃げようとするが上から馬乗りされると逃げるのは難しかった。男はあさひの頬を押さえて口づけしてあさひの口を塞ぐ。そのままシャツ越しからあさひの胸を触る。あさひは男の両手を掴み剥がそうとするも興奮状態の男の力には敵わなかった。そのまま男はあさひのシャツをボタンごと引き裂いた。
あさひは咄嗟に叫び声を出すもすぐに男は片手であさひの口を塞ぎ、もう他方の手で胸をブラごと揉みしだく。必死に足を振り上げて抵抗するもその両足を自分の足と絡め取ってしまえたば、大した抵抗にはならない。
慣れた手つきでブラをずり上げるとあさひの乳房が顔を出した。男はあさひの両乳房を合わせて舐め回す。あさひは涙を流しながら叫び助けを求めるも運が悪いことに交通量が多いため近くを通る車にかき消されてしまう。
それを良いことに男はあさひの胸だけではなく、乳首や腹への愛撫を10分以上続ける。
男はあさひから離れると履いていたジーンズをトランクスごと脱いだ。それを見たあさひは地を這いながら逃げようとするが、男が片足を掴み逃さない。
男の両手がスカートの中に入ると両足を必死に暴れさせ抵抗するが虚しく顔の侵入を許してしまう。
あさひの股に顔を近づけた男はスカートを捲り、パンストを破き、ショーツに顔を埋める。
気色悪い感覚に両手で顔を離そうとするも男は下半身の愛撫をやめてはくれない。やがて男があさひのショーツをパンストごと勢いよく脱がすとあさひがスカートで隠そうとするが男はあさひの腰を掴みいきり勃った肉棒をあさひの膣に挿入する。それは慎と交わる時とは大きくかけ離れ乱暴で、愛情のかけらもない、ただ男の欲情を満たすためだけの行為だった。最もあさひにとってはその相手が自分だということ、そしてそれを許してしまったことに嫌悪感を感じている。
そんなことを考えているうちに男の腰が早くなってきた。限界を迎える合図だ。あさひは今まで以上に叫び、逃げようとするも男はあさひの腰を必死に掴み射精をする。
あさひは自分の中に暖かいものが流れるのを感じ、もはや涙を流すことしか出来なかった。
「おい!何している?」
声のする方を見ると若い夫婦がこちらを見ていた。男がそれを見て逃げようとすると夫婦の旦那が男を捕らえる。ズボンやトランクスが膝までしか降ろしていなかったため、逃げるのに遅れてしまった。あさひに駆け寄った女性が自分のカーディガンをあさひに被せ、体を隠す。そして携帯で警察を呼ぶ。数分後、駆けつけた警察によって男は現行犯逮捕され、強姦されたあさひは警察病院へと搬送されたのだった。
慎は警察病院の受付に着き、あさひの名前を出すと204号室へと案内された。病院の前にはあさひの父親の都築昌孝がソファーに座りながら項垂れていた。
「お義父さん。」
慎の声に反応した昌孝は悲しそうな顔をしながら慎を見た。
「慎くん。やっと来たか。」
「お義父さん。あさひは?」
昌孝はゆっくりと病室を見る。慎が入ろうとすると昌孝は慎の手を掴み、首を横に振る。
「何でですか?あさひが心配なんです。」
「気持ちはわかるが、入ったらショックを受けるだけだ。入らない方がいい。」
昌孝の忠告を無視し慎は中に入った。あさひは母親の善子の両手を握っていた。それはまるで怖い夢を見て怯えてる幼い子どもようだった。部屋に入った慎を見ると安心したような笑顔を見せた。
「し、ん…来て、くら、たんだ。」
するとあさひは急に目を見開いて叫び声を上げ、善子に抱きつく。
「来ないで、来ないで、もう来ないで!」
「おい、落ち着け。どうしたあさひ?」
慎が駆け寄ろうとすると昌孝が入って慎を廊下へ追いやった。
「だから言っただろう。ショック受けるだけだと。」
慎は何が起こったのかわからないといった表情をした。あんなあさひは今まで見たことがなかった。
昌孝は慎の両肩に手を置いた。
「落ち着いて聞いてほしい。娘は顔も知らない男に襲われた。近くを通った夫婦に助けられたが、男に対して激しく怯えるようになってしまった。私が病室に入った時でさえ、あんな反応だ。」
昌孝が言い終えると善子が病院から出てきた。
「あさひ、やっと寝たわ。」
「そうか…。」
すると横から若い女と男が来た。
「お取り込み中失礼します。高円寺警察署生活安全課の三島穂乃果と申します。」
「同じく高崎健治です。」
2人は警察手帳を見せると慎の顔を見てあっと顔をしかめた。
「知り合いかい?」
「実は裁判所で何回か。時には刑事さんにも来てもらうことがありますので。」
慎は咄嗟に嘘をついた。2人もその嘘に乗っかってくれた。慎がSaBに所属していることは部外者には極秘にしなくてはならない。
「そうかい。あっ、どうも都築あさひの父の昌孝です。」
「母の善子です。」
「わかりました。先程逮捕された男の経歴がわかったのでご説明をしたいと思います。会議室を貸してもらえましたので、そこで。」
「わかりました。」
三島は両親を連れて行くと会議室への向かった。慎も付いて行こうとすると昌孝に止められた。
「これは私たちに任させてほしい。若い君がいても聞くに耐えれんと思う。頼むから席を外してくれ。」
慎は何か言おうとしたが、頭を下げる昌孝を見て「わかりました。」と言ってしまった。
3人が会議室に入った後、慎は高崎に教えてくれとお願いした。2人は大学時代の同級生だ。
「たぶん俺も部屋に入れなかったのはそういう理由だと思うが、口外しないでくれよ。三島さんは許してもあの両親は許してくれないぞ。」
高崎は慎を非常階段の近くで事件の概要を聞いた。
「お前の婚約者。都築あさひさんを襲ったのは新居義則41歳。高田馬場で運送業をやっていたが、2週間前にクビになっている。」
高田馬場と聞いて慎は納得した。自分達もそこに住んでいるからだ。だからといってあさひを標的にしたのは許せる訳ではない。
「新居はクビになったその日家路へ帰るあさひさんを見かけて狙いを定めたそうだ。駅から家までの道のり。帰ってくる時間なんかをな。とてつもない執着心だな。」
「全くだ。ってことは前々から計画してたってことか?」
「ああ。しかもよりによってその時あさひさんは電話をしていて、周りの警戒心が薄まっていた。変態野郎にとっては格好の的だな。」
慎はひどく後悔した。あさひの帰る行動は把握していた。あの日自分がもっと早く帰れてたら、こんなことにならないはずなのに。
「新居は容疑を認めているが、…。」
突然高崎が言うのをやめた。
「なんだよ。言ってくれよ。」
「…ブチギレて暴れるのはやめてくれよ。新居は容疑を認めているが、あの女はいい体をしていた。やらせてくれてありがとう。だってよ。」
「なんだと!」
慎は思わず立ち上がってしまたったが、すかさず高崎が抑えた。
「落ち着け!ここは病院だ。静かにしろ。」
慎はひどく呼吸を荒くしていたが、気分を落ち着かせるためにその場に座り込んだ。
「俺から言えるのはここまでだ。あとは、お前の仕事じゃないのか?」
おそらく新居は裁判にかけられる。判決次第だがSaBによる罰を受けるということになるかもしれない。しかし、それは慎にとっては頭を悩ませるものだった。
まずは慎はその事件の担当にはなれない。あさひが慎の婚約者だということはすぐにバレる。そうなれば担当者は別の人間になる。
そして何よりも更生のための罰を考えると決めた矢先に殺したいほど憎い人が出てきた。自分の信念を曲げてでも痛みを与えたい。そんなことが自分にはできるだろうか。慎はひどく頭を悩ませていた。
そんな時、三島とあさひの両親が会議室から出てきた。慎は冷静を装っていたが、腹の内は煮え繰り返って仕方なかった。
「慎くん。ちょっと来てくれないか。」
昌孝に呼ばれて会議室の中に入って行った。
「それでは私たちはこれで。」
空気を読んだ三島はその場から退席し、高崎と一緒に病院から出た。
イスに腰をかけると昌孝は机に手と額を付けた。
「頼む。娘と別れてくれ。」
「そんな!」
「君もわかるだろう。あんな状態じゃ今後共に生活するのは無理だ。娘が仮にトラウマから脱することができたとしても、再発する恐れもある。それに君はまだ若い。あさひじゃなくても別のいい女(ひと)を見つけられるはずだ。頼むこの通りだ。」
慎は返す言葉もなかった。大切な人が襲われたのと別れを切り出された。2つの大きなショックが慎を悩ませる。
「少し、時間をください。」
慎は小さく返事をすると部屋を出ようとする。
「ちょっと待ってくれ。」
昌孝が止める。まだ何かあるのかと聞こうとすると。
「犯人の新居をSaBに裁かせることはできるのか?」
恐ろしいことを聞いてきた。
「あんな人でなしのところに頼むのは少し癪だが、こうでもしないと収まらない。君は裁判官だろう。そういう風に判決してくれないか。」
SaBに頼む人なんて初めて見た。慎は今自分は悪い夢でも見てるのかそんな気分だった。
その時あさひは帰り道、友達に電話をしていた。
「そう。今日やっと手に入れたの君美楓の新作。ずっと前から楽しみにしていたんだから。今日は慎も帰ってくるの遅いから早めに寝支度して一気に読破してやるんだから。大丈夫。仕事には支障を出さないから。え?結婚式のこと?そうだね。それもそろそろ決めないとね。そういえばさー」
話に夢中になっていたあさひは後ろから男が小走りに近づいてくることに気づかなかった。
男はあさひに後ろから抱きつくとすぐ隣にある茂みにあさひと一緒に倒れ込んだ。咄嗟に抵抗しようとしたあさひは持っていた荷物も携帯も落としたことに気づかず手足をバタつかせて逃げようとするが上から馬乗りされると逃げるのは難しかった。男はあさひの頬を押さえて口づけしてあさひの口を塞ぐ。そのままシャツ越しからあさひの胸を触る。あさひは男の両手を掴み剥がそうとするも興奮状態の男の力には敵わなかった。そのまま男はあさひのシャツをボタンごと引き裂いた。
あさひは咄嗟に叫び声を出すもすぐに男は片手であさひの口を塞ぎ、もう他方の手で胸をブラごと揉みしだく。必死に足を振り上げて抵抗するもその両足を自分の足と絡め取ってしまえたば、大した抵抗にはならない。
慣れた手つきでブラをずり上げるとあさひの乳房が顔を出した。男はあさひの両乳房を合わせて舐め回す。あさひは涙を流しながら叫び助けを求めるも運が悪いことに交通量が多いため近くを通る車にかき消されてしまう。
それを良いことに男はあさひの胸だけではなく、乳首や腹への愛撫を10分以上続ける。
男はあさひから離れると履いていたジーンズをトランクスごと脱いだ。それを見たあさひは地を這いながら逃げようとするが、男が片足を掴み逃さない。
男の両手がスカートの中に入ると両足を必死に暴れさせ抵抗するが虚しく顔の侵入を許してしまう。
あさひの股に顔を近づけた男はスカートを捲り、パンストを破き、ショーツに顔を埋める。
気色悪い感覚に両手で顔を離そうとするも男は下半身の愛撫をやめてはくれない。やがて男があさひのショーツをパンストごと勢いよく脱がすとあさひがスカートで隠そうとするが男はあさひの腰を掴みいきり勃った肉棒をあさひの膣に挿入する。それは慎と交わる時とは大きくかけ離れ乱暴で、愛情のかけらもない、ただ男の欲情を満たすためだけの行為だった。最もあさひにとってはその相手が自分だということ、そしてそれを許してしまったことに嫌悪感を感じている。
そんなことを考えているうちに男の腰が早くなってきた。限界を迎える合図だ。あさひは今まで以上に叫び、逃げようとするも男はあさひの腰を必死に掴み射精をする。
あさひは自分の中に暖かいものが流れるのを感じ、もはや涙を流すことしか出来なかった。
「おい!何している?」
声のする方を見ると若い夫婦がこちらを見ていた。男がそれを見て逃げようとすると夫婦の旦那が男を捕らえる。ズボンやトランクスが膝までしか降ろしていなかったため、逃げるのに遅れてしまった。あさひに駆け寄った女性が自分のカーディガンをあさひに被せ、体を隠す。そして携帯で警察を呼ぶ。数分後、駆けつけた警察によって男は現行犯逮捕され、強姦されたあさひは警察病院へと搬送されたのだった。
慎は警察病院の受付に着き、あさひの名前を出すと204号室へと案内された。病院の前にはあさひの父親の都築昌孝がソファーに座りながら項垂れていた。
「お義父さん。」
慎の声に反応した昌孝は悲しそうな顔をしながら慎を見た。
「慎くん。やっと来たか。」
「お義父さん。あさひは?」
昌孝はゆっくりと病室を見る。慎が入ろうとすると昌孝は慎の手を掴み、首を横に振る。
「何でですか?あさひが心配なんです。」
「気持ちはわかるが、入ったらショックを受けるだけだ。入らない方がいい。」
昌孝の忠告を無視し慎は中に入った。あさひは母親の善子の両手を握っていた。それはまるで怖い夢を見て怯えてる幼い子どもようだった。部屋に入った慎を見ると安心したような笑顔を見せた。
「し、ん…来て、くら、たんだ。」
するとあさひは急に目を見開いて叫び声を上げ、善子に抱きつく。
「来ないで、来ないで、もう来ないで!」
「おい、落ち着け。どうしたあさひ?」
慎が駆け寄ろうとすると昌孝が入って慎を廊下へ追いやった。
「だから言っただろう。ショック受けるだけだと。」
慎は何が起こったのかわからないといった表情をした。あんなあさひは今まで見たことがなかった。
昌孝は慎の両肩に手を置いた。
「落ち着いて聞いてほしい。娘は顔も知らない男に襲われた。近くを通った夫婦に助けられたが、男に対して激しく怯えるようになってしまった。私が病室に入った時でさえ、あんな反応だ。」
昌孝が言い終えると善子が病院から出てきた。
「あさひ、やっと寝たわ。」
「そうか…。」
すると横から若い女と男が来た。
「お取り込み中失礼します。高円寺警察署生活安全課の三島穂乃果と申します。」
「同じく高崎健治です。」
2人は警察手帳を見せると慎の顔を見てあっと顔をしかめた。
「知り合いかい?」
「実は裁判所で何回か。時には刑事さんにも来てもらうことがありますので。」
慎は咄嗟に嘘をついた。2人もその嘘に乗っかってくれた。慎がSaBに所属していることは部外者には極秘にしなくてはならない。
「そうかい。あっ、どうも都築あさひの父の昌孝です。」
「母の善子です。」
「わかりました。先程逮捕された男の経歴がわかったのでご説明をしたいと思います。会議室を貸してもらえましたので、そこで。」
「わかりました。」
三島は両親を連れて行くと会議室への向かった。慎も付いて行こうとすると昌孝に止められた。
「これは私たちに任させてほしい。若い君がいても聞くに耐えれんと思う。頼むから席を外してくれ。」
慎は何か言おうとしたが、頭を下げる昌孝を見て「わかりました。」と言ってしまった。
3人が会議室に入った後、慎は高崎に教えてくれとお願いした。2人は大学時代の同級生だ。
「たぶん俺も部屋に入れなかったのはそういう理由だと思うが、口外しないでくれよ。三島さんは許してもあの両親は許してくれないぞ。」
高崎は慎を非常階段の近くで事件の概要を聞いた。
「お前の婚約者。都築あさひさんを襲ったのは新居義則41歳。高田馬場で運送業をやっていたが、2週間前にクビになっている。」
高田馬場と聞いて慎は納得した。自分達もそこに住んでいるからだ。だからといってあさひを標的にしたのは許せる訳ではない。
「新居はクビになったその日家路へ帰るあさひさんを見かけて狙いを定めたそうだ。駅から家までの道のり。帰ってくる時間なんかをな。とてつもない執着心だな。」
「全くだ。ってことは前々から計画してたってことか?」
「ああ。しかもよりによってその時あさひさんは電話をしていて、周りの警戒心が薄まっていた。変態野郎にとっては格好の的だな。」
慎はひどく後悔した。あさひの帰る行動は把握していた。あの日自分がもっと早く帰れてたら、こんなことにならないはずなのに。
「新居は容疑を認めているが、…。」
突然高崎が言うのをやめた。
「なんだよ。言ってくれよ。」
「…ブチギレて暴れるのはやめてくれよ。新居は容疑を認めているが、あの女はいい体をしていた。やらせてくれてありがとう。だってよ。」
「なんだと!」
慎は思わず立ち上がってしまたったが、すかさず高崎が抑えた。
「落ち着け!ここは病院だ。静かにしろ。」
慎はひどく呼吸を荒くしていたが、気分を落ち着かせるためにその場に座り込んだ。
「俺から言えるのはここまでだ。あとは、お前の仕事じゃないのか?」
おそらく新居は裁判にかけられる。判決次第だがSaBによる罰を受けるということになるかもしれない。しかし、それは慎にとっては頭を悩ませるものだった。
まずは慎はその事件の担当にはなれない。あさひが慎の婚約者だということはすぐにバレる。そうなれば担当者は別の人間になる。
そして何よりも更生のための罰を考えると決めた矢先に殺したいほど憎い人が出てきた。自分の信念を曲げてでも痛みを与えたい。そんなことが自分にはできるだろうか。慎はひどく頭を悩ませていた。
そんな時、三島とあさひの両親が会議室から出てきた。慎は冷静を装っていたが、腹の内は煮え繰り返って仕方なかった。
「慎くん。ちょっと来てくれないか。」
昌孝に呼ばれて会議室の中に入って行った。
「それでは私たちはこれで。」
空気を読んだ三島はその場から退席し、高崎と一緒に病院から出た。
イスに腰をかけると昌孝は机に手と額を付けた。
「頼む。娘と別れてくれ。」
「そんな!」
「君もわかるだろう。あんな状態じゃ今後共に生活するのは無理だ。娘が仮にトラウマから脱することができたとしても、再発する恐れもある。それに君はまだ若い。あさひじゃなくても別のいい女(ひと)を見つけられるはずだ。頼むこの通りだ。」
慎は返す言葉もなかった。大切な人が襲われたのと別れを切り出された。2つの大きなショックが慎を悩ませる。
「少し、時間をください。」
慎は小さく返事をすると部屋を出ようとする。
「ちょっと待ってくれ。」
昌孝が止める。まだ何かあるのかと聞こうとすると。
「犯人の新居をSaBに裁かせることはできるのか?」
恐ろしいことを聞いてきた。
「あんな人でなしのところに頼むのは少し癪だが、こうでもしないと収まらない。君は裁判官だろう。そういう風に判決してくれないか。」
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