考察系オタクが異世界で探偵役になりまして

四方木餅

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プロローグ

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 じいちゃんが死んでから1年が過ぎた。私が物心ついた時には寝たきりだったけど、よくラジオドラマや落語といったいろんな物語を話してくれた。部屋の壁を埋め尽くしてる本棚の小説も読ませてくれた。最後にあったのは就職を報告した去年の初夏。その1ヶ月後に亡くなったことをメールで知った。

 それから一年経った。今日は家族に連れられてじいちゃんの一回忌に行った。普段ほとんど顔を合わせない親戚の集まりは苦手だ。オジサンもオバさんも打ち合わせたように「結婚はまだか?紹介しようか?」と繰り返すばかり。一回忌に話す話題かよ。botでももう少しマシなこと話すだろうに。そもそも私は結婚に興味が無い。それを伝えても親戚たちは独身女の変な強がりとしかのでその場は適当にごまかした。
 今は父さんが運転する車の中。母さんと妹の美鈴は爆睡してるけど、何故か私だけ目が冴えていた。
「梨々香さんや、今日はお疲れかね?」
 頭はいいけど話し下手な父さんが珍しく気を使って話しかけてきた。運転に集中しなよ、と言いかけて飲み込んだ。
「望んでもないお見合い持ちかけられ続けてりゃ嫌でも腹立つでしょ」
「まぁね。でもおまえさんもいい歳なんだし、みんな気にしちゃうんじゃないですかね?」
 知ってる。フォローのつもりで当たり障りがない事しか言えない父さんの悪い癖だ。あの親戚よりマシだけど、実際問題大差無い。そして父さんはその自覚がないからタチが悪い。あくまでも一般論を装って私はつい愚痴をこぼす。
「だとしてもさ、自分たちの親の一回忌で出す話題かね?故人でも1番の当事者が置いてけぼりじゃん。……それがなんか腹立ってね」
「……それもあるけどさ、孫の顔だって見たいじゃん」
「生めよ増やせよって?何時代の話よ?今、令和ぞ?……それ以前に自分のことで手ェ一杯なのに、他人の面倒なんで見られるかよ」
「まぁまぁ、そう拗ねないで」
「拗ねてないって……親父前!前!車来てる!」
 対向車線から蛇行してる大型車が私たちの車に突っ込んで来た。父さんは必死でハンドルを切るけど、大型車の運転手が眠ってる姿を見えて避けられないと確信してしまった。最後の会話が愚痴ってとことん面倒というか私の性格ひん曲がってんな……なんて少し虚しくなった。

 おじいちゃんが死んだ翌年、私たち一家は呆気なく死んだ。
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