91 / 174
90
しおりを挟む
まだ発送できていない服よりも先に僕とよのぎさん、旗本さんが出国。
よのぎさんがいてくれてよかった。羽切さんがいないから、旗本さんと二人きりでは後から来る黒田くんに気を使う。パスポートを見て旗本さんが28歳だと知ったくらいだが、もっと若いよのぎさんと結婚したから逆に守備範囲と捉えるかもしれない。
飛行機の待ち時間にラーメンを三人で食べて、旗本さんは向こうは寒いからと服を買いに行ってしまった。どうせならあっちで買えばいいのに。仕事で行くから機能性重視なのだろうか。
旗本さんは黒髪のおかっぱで、いつもジーンズ。この仕事をしているとは思えない素朴な人だ。今日もカーキのキルティングコートにジーンズ。
よのぎさんとコーヒーを飲んでいると羽切さんからメッセージが届いた。結局、手術になって入院も伸びた。ミラノものコレクション期間も入院中だろう。
『ハンディのアイロン忘れないように』
『先に送ったよ』
『じゃあ変圧器』
「忘れてた」
でも、確かアメリカは大丈夫だったと記憶している。ヨーロッパのときは忘れないようにしよう。イタリアは必要だったはず。
なぜか旗本さんだけ飛行機がエコノミー。
「一緒でいいって言ったんだけどね」
僕らはビジネスシートで足を伸ばす。
「社長さん特権?」
「気を使ってくれたのかな。新婚旅行に行けてないからね」
よのぎさんを窓側にしたのは失敗だったかな。外ばかり見てしまう。
「七さん、動いた。きゃ、飛んだ? 見て、もう下があんなに遠い」
飛行機なんて乗ってしまえばいつもはすぐ寝てしまう。今日は君を見る。君から目が離せないよ。
よのぎさんがいてくれてよかった。羽切さんがいないから、旗本さんと二人きりでは後から来る黒田くんに気を使う。パスポートを見て旗本さんが28歳だと知ったくらいだが、もっと若いよのぎさんと結婚したから逆に守備範囲と捉えるかもしれない。
飛行機の待ち時間にラーメンを三人で食べて、旗本さんは向こうは寒いからと服を買いに行ってしまった。どうせならあっちで買えばいいのに。仕事で行くから機能性重視なのだろうか。
旗本さんは黒髪のおかっぱで、いつもジーンズ。この仕事をしているとは思えない素朴な人だ。今日もカーキのキルティングコートにジーンズ。
よのぎさんとコーヒーを飲んでいると羽切さんからメッセージが届いた。結局、手術になって入院も伸びた。ミラノものコレクション期間も入院中だろう。
『ハンディのアイロン忘れないように』
『先に送ったよ』
『じゃあ変圧器』
「忘れてた」
でも、確かアメリカは大丈夫だったと記憶している。ヨーロッパのときは忘れないようにしよう。イタリアは必要だったはず。
なぜか旗本さんだけ飛行機がエコノミー。
「一緒でいいって言ったんだけどね」
僕らはビジネスシートで足を伸ばす。
「社長さん特権?」
「気を使ってくれたのかな。新婚旅行に行けてないからね」
よのぎさんを窓側にしたのは失敗だったかな。外ばかり見てしまう。
「七さん、動いた。きゃ、飛んだ? 見て、もう下があんなに遠い」
飛行機なんて乗ってしまえばいつもはすぐ寝てしまう。今日は君を見る。君から目が離せないよ。
2
あなたにおすすめの小説
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
まずはお嫁さんからお願いします。
桜庭かなめ
恋愛
高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。
4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。
総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。
いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。
デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!
※特別編6が完結しました!(2025.11.25)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想をお待ちしております。
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
クラスメイトの王子様系女子をナンパから助けたら。
桜庭かなめ
恋愛
高校2年生の白石洋平のクラスには、藤原千弦という女子生徒がいる。千弦は美人でスタイルが良く、凛々しく落ち着いた雰囲気もあるため「王子様」と言われて人気が高い。千弦とは教室で挨拶したり、バイト先で接客したりする程度の関わりだった。
とある日の放課後。バイトから帰る洋平は、駅前で男2人にナンパされている千弦を見つける。普段は落ち着いている千弦が脚を震わせていることに気付き、洋平は千弦をナンパから助けた。そのときに洋平に見せた笑顔は普段みんなに見せる美しいものではなく、とても可愛らしいものだった。
ナンパから助けたことをきっかけに、洋平は千弦との関わりが増えていく。
お礼にと放課後にアイスを食べたり、昼休みに一緒にお昼ご飯を食べたり、お互いの家に遊びに行ったり。クラスメイトの王子様系女子との温かくて甘い青春ラブコメディ!
※特別編3が完結しました!(2025.12.18)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、いいね、感想などお待ちしております。
会社のイケメン先輩がなぜか夜な夜な私のアパートにやって来る件について(※付き合っていません)
久留茶
恋愛
地味で陰キャでぽっちゃり体型の小森菜乃(24)は、会社の飲み会で女子一番人気のイケメン社員・五十嵐大和(26)を、ひょんなことから自分のアパートに泊めることに。
しかし五十嵐は表の顔とは別に、腹黒でひと癖もふた癖もある男だった。
「お前は俺の恋愛対象外。ヤル気も全く起きない安全地帯」
――酷い言葉に、菜乃は呆然。二度と関わるまいと決める。
なのに、それを境に彼は夜な夜な菜乃のもとへ現れるようになり……?
溺愛×性格に難ありの執着男子 × 冴えない自分から変身する健気ヒロイン。
王道と刺激が詰まったオフィスラブコメディ!
*全28話完結
*辛口で過激な発言あり。苦手な方はご注意ください。
*他誌にも掲載中です。
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
隠れオタクの女子社員は若社長に溺愛される
永久保セツナ
恋愛
【最終話まで毎日20時更新】
「少女趣味」ならぬ「少年趣味」(プラモデルやカードゲームなど男性的な趣味)を隠して暮らしていた女子社員・能登原こずえは、ある日勤めている会社のイケメン若社長・藤井スバルに趣味がバレてしまう。
しかしそこから二人は意気投合し、やがて恋愛関係に発展する――?
肝心のターゲット層である女性に理解できるか分からない異色の女性向け恋愛小説!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる