包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~

吉沢 月見

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 すっかり肌はきれい。どこもただれても赤くもなっていない。
 きれいな体になったのにも関わらず、それを僕だけに向けてくる。鳥のすりこみに近いのかもしれない。愛しているなんて思い込みだ。妻が夢から覚めないためにはどうしたらいいのだろうか。
 僕はよのぎさんの親と同じくらいの年齢だから、親の愛に飢えていたのかもしれない。

 頬の感触がマシュマロだ。いや、もっと柔らかい。
 妻の頬を撫でているところを旗本さんに見られてしまった。
「こっちは広いですね。私も後ろが壁の席なのでリクライニングが倒れないけど快適です」
「そう」
 こんな社長ですいません。


 空港には知り合いのキャスティングディレクターが迎えに来てくれることになっていた。少し日本語を混ぜてくる面倒な人。
「Hi、モデルさん? きれいね」
 よのぎさんの手を取る。

「いや、妻です」
「ワイフ? 用賀,sワイフ?」
「はい」
 よのぎさんが頷く。

 車の中でモデルの最終チェック。メンズは彼のセレクトに任せることにした。
「うん、いいね」
「Tomorrow、顔合わせ」
「OK」
 旗本さんが熱心にやり取りをしてくれる。それをのらりくらりをかわされている気がする。いつもそうだ。こちらの真剣さが伝わらない。
 モデルなんて誰だっていいじゃないか? 大事なのはサイズだろ? と言ってくる。
 雰囲気という言葉を嫌う。憂いなんて伝わらないから求めない。
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