包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~

吉沢 月見

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「よのぎさん、仕事で化粧水のサンプルもらった。無添加らしいけど合う合わないがあるのかな?」
 バッグの中をがさごそ。

「お風呂上がりに七さんがつけて」
「うん」
 一緒にお風呂に入ったのは一度きり。この前、ゴルフ練習場に連れていったらクラブにカバーをつける仕草がなんとも卑猥で、もう連れていかないと心に決めた。

 よのぎさんのせいでいろんなものが急にエロい。さっき食べたきゅうりも、ボディソープを一押ししてもだ。高校生でもないのに、こんな思考やめたい。

 リビングのソファで風呂上がりの妻のすっぴん肌に手を伸ばす。
「よのぎさん、動かないでね。つけますよ」
「いい匂い。柑橘系だ」
 両手で顔を包むとすっぽり。僕の手は肉厚ではあるが格段に大きくはない。顔が全部隠れている。どうしてこんなに警戒心がないのだろう。目をつむるから、反射的に瞼にキスがしたくなる。

「顔ちっちゃ」
 化粧水を馴染ませたいのに君の顔を隠してしまう。

「もっと大きければよかった」
「なんで?」
「七さんに触れられる面積が増えるから」
 手に手を重ねたら動けなくなる。

「あんまりかわいいこと言うとチューしちゃうよ」
「してください。あ、酸っぱい味がする」
「なますかな。同じものを食べてるからね」
「そうか」
「同じものを食べているのにどうして僕は横に伸びてよのぎさんはスリムなんだろ?」
 筋肉量の問題だろうか。いや、骨格が違いすぎる。肩のストラップをするりとしただけで丸裸。

「七さん、ベッド行きたい」
 夏でもセックスはするのだろう。どんなに暑くても服も着る。
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