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テント
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友達のかりんに連れられてここへ来た。山は紅葉というよりも枯れて、葉もほとんど落ちている。専門学校で知り合ってまだ子どもみたいだった私たちだが、かりんは車まで借りてくれて、
「誘ったの私だし」
と運転してくれる横顔はすっかり大人。化粧もうまくなったな。
車を駐車場に止め、二人で説明を受ける。来る人と帰る人がごった返し、カウンター前には人がたくさんいた。手際が悪いのかちっとも進まない。来たときにお金を受け取ってしまうシステムするべきだ。帰り客のほうが苛ついている気がしたので、仕方なく待つ。
「予約した西山です」
ようやく一列が清算、もう一列が今日の受付に変わったのでかりんはいの一番に並んだ。
「お待ちしていました」
説明を受け、両手いっぱいの荷物を持って決められた場所へ。最初ってどうしたって土に荷物を置くんだな。私はちょっとそういうのが苦手なことが言えなかった。かりんは何も疑問に思わず荷物を広げ、テントを広げる。
「亜弥、ここ押さえて」
と私の手を自分の手に乗せた。
「うん」
かりんは反対側に回り、真ん中の棒を調節している。
「よっと」
かりんが四方を固定すると、あら不思議。
「テントだ」
私は叫んでいた。
「入っていいよ」
テントって三角形なのは見た目だけで下は四角なのだ。これは、四角錐だ。
「思ってたより広い」
私は言った。
「下にこれ敷いて」
「はーい」
かりんは外でまだ何かを打ち付けていた。トントン、カチカチ。
テントって、この布一枚の下は土なんだな。なんだかごつごつする。本当にこんなところで眠れるのだろうか。
私はグランピングがいいと言ったのに、かりんがキャンプ道具があるからと今日のこの予定をすいすいと決めてしまった。
おお。かりんから渡された専用のシートを敷いただけで、すっかり硬さは消え、まるで部屋のようだ。
「亜弥、来て」
かりんはテントから更にタープを取り付けていた。
「すごっ」
「ここ座って」
椅子の前には薪が重なっている。
「これに火つけたらキャンプファイヤーじゃない?」
火柱が立ちそう。
「そうか」
かりんは台に数本の薪を移動し、火をつけた。それなのに、カセットボンベでお湯を沸かし、それでコーヒーを淹れてくれた。てっきり薪でお湯を沸かしたり料理をするものだと思っていた。
「おいしい」
「よかった」
景色も最高だ。と言っても、木々に囲まれて山も見えない。新緑の季節ならば絶景かもしれないが、紅葉が終わった枯れ木ばかりの山を美しいと思えるほど年を重ねていない。
「山の中にいるんだな」
「誘ったの私だし」
と運転してくれる横顔はすっかり大人。化粧もうまくなったな。
車を駐車場に止め、二人で説明を受ける。来る人と帰る人がごった返し、カウンター前には人がたくさんいた。手際が悪いのかちっとも進まない。来たときにお金を受け取ってしまうシステムするべきだ。帰り客のほうが苛ついている気がしたので、仕方なく待つ。
「予約した西山です」
ようやく一列が清算、もう一列が今日の受付に変わったのでかりんはいの一番に並んだ。
「お待ちしていました」
説明を受け、両手いっぱいの荷物を持って決められた場所へ。最初ってどうしたって土に荷物を置くんだな。私はちょっとそういうのが苦手なことが言えなかった。かりんは何も疑問に思わず荷物を広げ、テントを広げる。
「亜弥、ここ押さえて」
と私の手を自分の手に乗せた。
「うん」
かりんは反対側に回り、真ん中の棒を調節している。
「よっと」
かりんが四方を固定すると、あら不思議。
「テントだ」
私は叫んでいた。
「入っていいよ」
テントって三角形なのは見た目だけで下は四角なのだ。これは、四角錐だ。
「思ってたより広い」
私は言った。
「下にこれ敷いて」
「はーい」
かりんは外でまだ何かを打ち付けていた。トントン、カチカチ。
テントって、この布一枚の下は土なんだな。なんだかごつごつする。本当にこんなところで眠れるのだろうか。
私はグランピングがいいと言ったのに、かりんがキャンプ道具があるからと今日のこの予定をすいすいと決めてしまった。
おお。かりんから渡された専用のシートを敷いただけで、すっかり硬さは消え、まるで部屋のようだ。
「亜弥、来て」
かりんはテントから更にタープを取り付けていた。
「すごっ」
「ここ座って」
椅子の前には薪が重なっている。
「これに火つけたらキャンプファイヤーじゃない?」
火柱が立ちそう。
「そうか」
かりんは台に数本の薪を移動し、火をつけた。それなのに、カセットボンベでお湯を沸かし、それでコーヒーを淹れてくれた。てっきり薪でお湯を沸かしたり料理をするものだと思っていた。
「おいしい」
「よかった」
景色も最高だ。と言っても、木々に囲まれて山も見えない。新緑の季節ならば絶景かもしれないが、紅葉が終わった枯れ木ばかりの山を美しいと思えるほど年を重ねていない。
「山の中にいるんだな」
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