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三章 復讐の始まり
閑話9話 焦る帝王
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ーーーーーーーーーー
勇気が死んだので、ここからは帝国の話を主にしていきます。
ーーーーーーーーーー
儂が書斎で書類の山を相手にしている時に、城全体に響くような悲鳴が聞こえた。
「何事だ。宰相、確認してこい」
「かしこまりました」
儂は何が起きてるのか知りたかったから宰相を使わせた。
しばらくすると、生気のない顔をした宰相が戻ってきた。
「ど、どうしたのじゃ」
「帝王様。先程確認しましたところ、食堂にて死体が発見されたようです」
「なっ⁉︎」
儂は驚き椅子から立ち上がった。
「死んだものは?」
「一ヶ月ほど前に迷宮に行かれたはずの勇者様である、勇気殿、鋼星殿、暁音殿、詞葉殿、偀殿でした」
「…………はっ?」
儂は最初宰相が何を言ってるのか分からなかった。
「勇者達はここからだいぶ離れた迷宮に行ったのだよな」
「はい」
「なぜその者達が死体となって戻ってきておるのだ!」
「分かりません。ただ分かっているのは、それをしたのが仮面をつけた男であったと言うことです」
「ぬぬぬ~すぐに情報を集めろ。……勇者達はどんな死に方だったんだ」
「とても残酷なものです。あまりお耳になさらない方がよろしいかと」
「構わん」
「……分かりました。勇者達は生首の状態で天井から吊るされたロープで巻かれており額のあたりにはナイフが突き刺さっていました」
「……ウップ、ゲブォー」
儂は勇者の亡骸を想像しただけで吐いてしまった。
そんな死体が五体も同じように吊るされているとあれば悲鳴をあげるのも当然だ。
「すぐに回収しておいてくれ」
「それが……呪いかどうかは分かりませんが何をしてもおろすことができないんです」
……は?どう言うことじゃ?。
「火で燃やそうとしても紐に近づけただけで消えてしまい剣で切りつけてもかすり傷すら入りませんでした」
「それが呪いの一種であればすぐに解呪してしまえば良いじゃろ」
「先ほども言いましたが呪いかどうかはわからないんです。これほどの呪いは文献にも載っていませんでした。ですが紐の形状や見た目から一般販売されている安物の紐ということは分かったので魔法又は呪いの類とは思っています」
なにやら大変なことになってきおった。
「では、勇者達はそのままという事になるのか」
「はい」
死体が食堂などにあれば兵士の士気が落ちてしまう。いや、王宮の中に死体があるだけでも王宮内におる者は気分を害するだろう。勇者はまだいるんだ。いくらでも変えが効く。だが、最後の最後に我々に迷惑をかけるとわ……とんだゴミだな!。
「食堂の使用は今後禁止。そしてこの事は内密に処理するように。あと、迷宮に行っている全勇者をここに呼び戻せ。これ以上の被害は抑えておきたい」
「分かりました」
宰相はそう言って書斎から出て行った。
「いったい誰が……」
帝王は犯人について思い当たりがないか思考するが結局見つからず、後のことを宰相に預けて自分は書類整理を始めた。
勇気が死んだので、ここからは帝国の話を主にしていきます。
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儂が書斎で書類の山を相手にしている時に、城全体に響くような悲鳴が聞こえた。
「何事だ。宰相、確認してこい」
「かしこまりました」
儂は何が起きてるのか知りたかったから宰相を使わせた。
しばらくすると、生気のない顔をした宰相が戻ってきた。
「ど、どうしたのじゃ」
「帝王様。先程確認しましたところ、食堂にて死体が発見されたようです」
「なっ⁉︎」
儂は驚き椅子から立ち上がった。
「死んだものは?」
「一ヶ月ほど前に迷宮に行かれたはずの勇者様である、勇気殿、鋼星殿、暁音殿、詞葉殿、偀殿でした」
「…………はっ?」
儂は最初宰相が何を言ってるのか分からなかった。
「勇者達はここからだいぶ離れた迷宮に行ったのだよな」
「はい」
「なぜその者達が死体となって戻ってきておるのだ!」
「分かりません。ただ分かっているのは、それをしたのが仮面をつけた男であったと言うことです」
「ぬぬぬ~すぐに情報を集めろ。……勇者達はどんな死に方だったんだ」
「とても残酷なものです。あまりお耳になさらない方がよろしいかと」
「構わん」
「……分かりました。勇者達は生首の状態で天井から吊るされたロープで巻かれており額のあたりにはナイフが突き刺さっていました」
「……ウップ、ゲブォー」
儂は勇者の亡骸を想像しただけで吐いてしまった。
そんな死体が五体も同じように吊るされているとあれば悲鳴をあげるのも当然だ。
「すぐに回収しておいてくれ」
「それが……呪いかどうかは分かりませんが何をしてもおろすことができないんです」
……は?どう言うことじゃ?。
「火で燃やそうとしても紐に近づけただけで消えてしまい剣で切りつけてもかすり傷すら入りませんでした」
「それが呪いの一種であればすぐに解呪してしまえば良いじゃろ」
「先ほども言いましたが呪いかどうかはわからないんです。これほどの呪いは文献にも載っていませんでした。ですが紐の形状や見た目から一般販売されている安物の紐ということは分かったので魔法又は呪いの類とは思っています」
なにやら大変なことになってきおった。
「では、勇者達はそのままという事になるのか」
「はい」
死体が食堂などにあれば兵士の士気が落ちてしまう。いや、王宮の中に死体があるだけでも王宮内におる者は気分を害するだろう。勇者はまだいるんだ。いくらでも変えが効く。だが、最後の最後に我々に迷惑をかけるとわ……とんだゴミだな!。
「食堂の使用は今後禁止。そしてこの事は内密に処理するように。あと、迷宮に行っている全勇者をここに呼び戻せ。これ以上の被害は抑えておきたい」
「分かりました」
宰相はそう言って書斎から出て行った。
「いったい誰が……」
帝王は犯人について思い当たりがないか思考するが結局見つからず、後のことを宰相に預けて自分は書類整理を始めた。
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