159 / 250
五章 一時の帰還
16話 最後の晩餐
しおりを挟む
俺は雫の墓を念入りに綺麗にしてあげたあとバスを経由して家に戻った。バスに乗るのもこれが最後だと思うと少し名残惜しくも感じる。
俺の交通手段は歩きかバスだったためよくバスを使っていたのだ。
四時過ぎになって橙里たち全員が帰宅した。
「よし!じゃあ今日はお前らの好きなもんを徹底的に買ってくぞ~」
「え!?いいの!」
「ああ、今日がここにいる最後の日になるかもしれないからな。なんでもいいぞ!」
「えっと~じゃあお母さんに会いたい!」
「………………」
俺はその返答を聞いて少しの間黙ってしまった。
「どうしたの煌輝お兄ちゃん?」
「うあ、あーなんでもないなんでもない。えっとなー、引越しするときにな母さんたちはいないんだよ」
「え……どうして」
「いろいろあってな。もう母さんたちとは会えなくなる」
「…………僕たち、どうなるの?」
橙里がそう言いながら不安そうな顔で俺を見てきた。朱里や翔也や愛華もおんなじような顔をしている。
「安心しろ。お前らには俺がついてる。それにお母さんの代わりになれる人がいるからな」
「誰?それ?」
「俺のお嫁さんだ」
「「「「お嫁さん!?」」」」
俺がそういうとみんなが驚いた顔で俺を見てきた。
「なんだよ。俺にお嫁さんがいて悪いかよ」
「煌輝お兄ちゃん結婚するの?」
「ああ、今は一緒に暮らしてる」
「すげー!にいちゃんのお嫁さんってどんな人なの」
「スッゲー美人だ。俺にはもったいないくらいだよ」
そんな雑談をしていると既に4時半を越えようとしていた。
「おっと、時間があんまりないからな。どこか行きたいところはあるか?こんなかから選んでもいいぞ」
俺はそう言いながら旅行パンフレットを取り出して橙里たちに渡してやった。
このパンフレットは影たちが持って来てくれたもので『お前バカだなぁ、子供達も外のこと知らないと何も行動できないだろ。まずは情報を与えないとダメだろ』と言いながらパンフレットを渡してくれたのだ。ほんと、口は悪いけどいい奴らだよ。
橙里たちは真剣な眼差しでパンフレットを見ていき載っている写真を見てわいわいしている。
5時ほどになって一つのいき場所がきまった。
「移動ラーメン屋?……どうしてまたここに?」
橙里たちが行きたいと言ったのは昔からお世話になっているラーメン屋だった。そこはまだ雫がいた時から通っていたところで安くて美味しいためよく家族で行ったものだ。
「お母さんと……雫おねぇちゃんとの思い出があるから」
「ッ……!?」
俺は朱里が言ったその言葉に驚いた。
「どうせ最後に食べるんなら雫ねぇちゃんたちと食べたあのラーメンがいい!」
「僕も!」
「私も!」
「お前ら……」
コイツらだって悲しくないわけなかったもんな。
「分かった。でも、晩飯はもう少し後にしようぜ。それまでになんかしたいことあるか?」
「煌輝兄ちゃんとサッカーしたい!」
「あー!橙里お兄ちゃんずるい!僕はキャッチボールしたい!」
「お兄ちゃんたちずるいよ!煌輝お兄ちゃん!ゲームしよ!」
「私もゲーム!」
「おう!じゃあ全部やるか!」
俺は晩飯までコイツらと遊びまくった。最初にみんなでキャッチボールをして、次にサッカーをして、ついでに鬼ごっこもして、ボードゲームをして楽しんだ。キャッチボールの時に野球ミットと野球ボールとサッカーボールがないことを思い出したからボードゲームを含めて速攻で買ってきた。
そして、夜の7時半になった。思った以上にボードゲームが盛り上がってこんな時間になったがまぁいいだろう。もうすぐこっちに来るだろうから。
『♪ソラシ~ラソ~ソラシラソラ~♪』
「あ!お兄ちゃん来たよ!」
懐かしのチャルメラが聞こえ愛華の声が合図となりみんなで家を出た。
「おばちゃん。三億円ラーメン五つお願い!」
「あ~いラーメン5つね」
この移動ラーメン屋は昔からあって、店名が三億円ラーメンというものすごく意味不明な店名だ。
やっているのは御老人夫婦でめっちゃいい人だ。
俺たちはラーメンをもらって、席に着いてみんなで楽しく最後の食事を楽しんだ。
ーーーーーーーーー
作者より。
ちょっと遅れたけど今日の分更新します!三億円ラーメンはおばあちゃんと家族で一緒に食べたやつでとても思い出深いものなので加えてみました。今では遠くて食べれそうにないけどまた機会があったら食べたいと思ってます。読者の皆さんも宜しかったら食べてみてください。
これからも頑張るので応援よろしくお願いします!
俺の交通手段は歩きかバスだったためよくバスを使っていたのだ。
四時過ぎになって橙里たち全員が帰宅した。
「よし!じゃあ今日はお前らの好きなもんを徹底的に買ってくぞ~」
「え!?いいの!」
「ああ、今日がここにいる最後の日になるかもしれないからな。なんでもいいぞ!」
「えっと~じゃあお母さんに会いたい!」
「………………」
俺はその返答を聞いて少しの間黙ってしまった。
「どうしたの煌輝お兄ちゃん?」
「うあ、あーなんでもないなんでもない。えっとなー、引越しするときにな母さんたちはいないんだよ」
「え……どうして」
「いろいろあってな。もう母さんたちとは会えなくなる」
「…………僕たち、どうなるの?」
橙里がそう言いながら不安そうな顔で俺を見てきた。朱里や翔也や愛華もおんなじような顔をしている。
「安心しろ。お前らには俺がついてる。それにお母さんの代わりになれる人がいるからな」
「誰?それ?」
「俺のお嫁さんだ」
「「「「お嫁さん!?」」」」
俺がそういうとみんなが驚いた顔で俺を見てきた。
「なんだよ。俺にお嫁さんがいて悪いかよ」
「煌輝お兄ちゃん結婚するの?」
「ああ、今は一緒に暮らしてる」
「すげー!にいちゃんのお嫁さんってどんな人なの」
「スッゲー美人だ。俺にはもったいないくらいだよ」
そんな雑談をしていると既に4時半を越えようとしていた。
「おっと、時間があんまりないからな。どこか行きたいところはあるか?こんなかから選んでもいいぞ」
俺はそう言いながら旅行パンフレットを取り出して橙里たちに渡してやった。
このパンフレットは影たちが持って来てくれたもので『お前バカだなぁ、子供達も外のこと知らないと何も行動できないだろ。まずは情報を与えないとダメだろ』と言いながらパンフレットを渡してくれたのだ。ほんと、口は悪いけどいい奴らだよ。
橙里たちは真剣な眼差しでパンフレットを見ていき載っている写真を見てわいわいしている。
5時ほどになって一つのいき場所がきまった。
「移動ラーメン屋?……どうしてまたここに?」
橙里たちが行きたいと言ったのは昔からお世話になっているラーメン屋だった。そこはまだ雫がいた時から通っていたところで安くて美味しいためよく家族で行ったものだ。
「お母さんと……雫おねぇちゃんとの思い出があるから」
「ッ……!?」
俺は朱里が言ったその言葉に驚いた。
「どうせ最後に食べるんなら雫ねぇちゃんたちと食べたあのラーメンがいい!」
「僕も!」
「私も!」
「お前ら……」
コイツらだって悲しくないわけなかったもんな。
「分かった。でも、晩飯はもう少し後にしようぜ。それまでになんかしたいことあるか?」
「煌輝兄ちゃんとサッカーしたい!」
「あー!橙里お兄ちゃんずるい!僕はキャッチボールしたい!」
「お兄ちゃんたちずるいよ!煌輝お兄ちゃん!ゲームしよ!」
「私もゲーム!」
「おう!じゃあ全部やるか!」
俺は晩飯までコイツらと遊びまくった。最初にみんなでキャッチボールをして、次にサッカーをして、ついでに鬼ごっこもして、ボードゲームをして楽しんだ。キャッチボールの時に野球ミットと野球ボールとサッカーボールがないことを思い出したからボードゲームを含めて速攻で買ってきた。
そして、夜の7時半になった。思った以上にボードゲームが盛り上がってこんな時間になったがまぁいいだろう。もうすぐこっちに来るだろうから。
『♪ソラシ~ラソ~ソラシラソラ~♪』
「あ!お兄ちゃん来たよ!」
懐かしのチャルメラが聞こえ愛華の声が合図となりみんなで家を出た。
「おばちゃん。三億円ラーメン五つお願い!」
「あ~いラーメン5つね」
この移動ラーメン屋は昔からあって、店名が三億円ラーメンというものすごく意味不明な店名だ。
やっているのは御老人夫婦でめっちゃいい人だ。
俺たちはラーメンをもらって、席に着いてみんなで楽しく最後の食事を楽しんだ。
ーーーーーーーーー
作者より。
ちょっと遅れたけど今日の分更新します!三億円ラーメンはおばあちゃんと家族で一緒に食べたやつでとても思い出深いものなので加えてみました。今では遠くて食べれそうにないけどまた機会があったら食べたいと思ってます。読者の皆さんも宜しかったら食べてみてください。
これからも頑張るので応援よろしくお願いします!
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
3,357
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる