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一章 異世界

五話

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ここがダンジョンか。
確かに魔物が弱いね。

「ここの魔物は、魔王が呼び出した魔物ではありません。ですので弱いですが、外にいる魔物は違います。ここの魔物は基本Fランクなのに対し、外の魔物は最低Bランクです。この星でもそうなのですから、魔王国に近づけば直ぐにSランクがそこら辺に見かけるようになるでしょう」

え。

それは予想外。

ランク説明は受けた。

ランクはG~Sまであり、Gはそこら辺の人でも倒せる。
けど、Dからはある程度の実力が無ければ倒せず、Bまで来れば一流でも倒せないと聞いていた。
それなのにSランクがそこら辺にいる?
大丈夫なのかその星は。

「そんな!その国は大丈夫なんですか⁉︎」

やはり涼紀が食い付いた。

「一応兵器があるし、大丈夫ではありますが……。魔王国から近い星は既に破壊され尽くしているでしょう。Sランク上位は恐ろしいですからね」

へえ。
やばいね。

「どれくらい恐ろしいんですか?」

「もう少し緊張感を持って下さい。まあ良いでしょう。Sランク上位は、。……いえ、効きはするのですが、彼らの防御力からいえば柳に風でしょう」

「「「はあ⁉︎」」」

核爆弾ですら効かないって……。

「倒せるのそれ?聞いてる限り倒せなさそうだけど」

「はい、一応は。『聖魔特効』のスキルを持っていれば。あ、ちなみに勇者様はこのスキルが入手しやすいらしいですよ」

スキルやっぱ怖い。
核より強いかよ。

私、訓練中に『魔剣生成』を使ったのだけれど、正直言って訓練中で良かったと思う。
剣から火とかが出るのはまあいいよ?
だけど、剣がいきなり飛んだりして、挙句の果てには意識を失って……。
ホント実戦じゃ無くて良かったよ……。

あ、そういえばこの世界に良くある剣術スキルや魔法スキルはないみたい。
嶺の『花魔法』は『魔剣生成』と同じ様な物で、厳密に言えば魔法スキルではない。

花魔法は、花の様な物を召喚し、攻撃や守備に使う魔法。
だから他の魔法とは違う。
それと、スキルになった魔法を固有魔法と言って、それは通常の魔法よりも一段も二段も上。
威力もスピードも比べ物にならない。

……なんか脱線したね。
と言うか、なんでここでスキルのことを言ってたんだろ。

まあ良いか。
別にダンジョンが進んでない訳じゃ無いし。

「皆さん、ダンジョンはもう少しで終わりです!もう一踏ん張りですよ!」

「「「はい!」」」

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そろそろわかりにくくなりそうなので、時々紹介していきます。

今回はスキルについて解説します。

スキルには、『』の前に文字が付いています。
付与、常時、発動、条件が当てはまります。
これは、鑑定や解析などでは分かりずらい、スキルの効果を発揮する方法が書かれていかます。
常時は常に発動していて、発動はONとOFを切り替えることが可能、条件は一定の条件下で発動、と言った形です。
では付与はなんなのかと言いますと、能力付与スキルエンチャントで付いたスキルを表しています。
能力付与スキルエンチャントは人間が発動する以外に、古代遺産アーティファクトも発動します。
まだ本編では出て来ませんが、スキルオーブという物があり、これがそれです。
この時代では既にそれを再現することが可能になっていますが、それでも高位のスキルオーブを作るのはとてつもなく難しいです。
ですので、古代遺産アーティファクトに頼るのです。
そして、それによって入手されたスキルは高確率で高位スキルです。
ですので、そんな強力なスキルを使いこなすのは時間がかかります。
例えば夕美の『魔剣生成』。
これは明らかに発動系です。
このように名前だけで何系か判別できるスキルもあります。
一方で嶺の『魔導連鎖』。
こちらは未だに使用方法は分かっていません。
このようになるのが付与なのです。
要は目隠しです。
ですが、夕美の『魔剣生成』はまだ使いこなす事が出来ていません。
ここで言っておきますが、他の人も同じ感じです。
唯一出来ているのは涼紀のみ。
ちなみに涼紀の付与スキルは『勇者の意地』。
条件系で、自身の体力を削りステータスを二倍?にする能力です。
ただし、発動系ではないので、攻撃を受けないと発動しません。

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