【完全版製作記念連載再開】金貨1,000万枚貯まったので勇者辞めてハーレム作ってスローライフ送ります!!

夕凪五月雨影法師

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勇者辞めます編

プロローグ ??日後にハーレムを作る勇者  イラストあり

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「ん、んん……」

 朝明けの淡い日差しを受けて、ユーリは目を覚ました。
 場所はユーリの自宅の私室。クイーンベッドを五つくらい繋げたような、とても大きなベッドの上だ。
 流石にデカくし過ぎだか……などとまどろみの中で思っていると、ユーリの右隣で、モゾモゾとなにかが動き始めた。

「…………!」

 徐々に明瞭になっていく意識の中で、ユーリは思い出す。
 そうだった。
 昨日から、自分は……。

「んん……」

 そんなことを思っていると、ユーリの横のモゾモゾが可愛らしい声を上げて目を覚ます。


「あふぁ……。おはようございます。勇者様。昨日はよく眠れましたか?」

 そう言って薄く微笑んだのは、見目麗しい青髪の女の子だ。
 彼女の名はセイラ。
 ユーリをリーダーに据えた勇者パーティ『アンペルマン』の一員にして、敬虔な聖女だ。
 が、いまは下着のみの姿をシーツで隠し、やや顔を赤らめながら、上目遣いにユーリを見ている。
 鎖骨から肩口にかけての女性らしい曲線と、ベッドに押し付けられる97センチのバストに、ユーリは思わず息を呑んでしまった。
 それだけでも充分にエロく、そして神々しい光景なのだが……。
 ユーリと一緒に寝ているのは、彼女だけではない。


「ふわぁ~。起きるの早ぇよ、バカ勇者。昨日あんだけはしゃぎ倒したんだから、少しはゆっくり寝かせろっての」

 そう言いつつも、童顔にいたずらっ子のような笑顔を浮かべたのは、銀髪を肩口で切り揃えた女の子、マホだ。
 ユーリのパーティの魔法使いたる彼女だが、いまはセイラと同じく、下着姿でユーリの横に寝そべっていた。
 つまりユーリは、左右から女の子に挟まれて寝ていたということになる。
 が、左右にひとりずつ、ということではない。
 なぜなら、セイラとマホの隣には、それぞれ……。


「……あれ、もう朝? ヤバッ、今日ジム行く日なのにっ……って、勇者ん家ってジムもあるんだよね? 
 あっはっはぁー! ありがて~! ってわけで勇者、あとでベンチプレスの補助入ってね!」

 茶色の髪をポニーテールにまとめた、健康的な肉付きの美女、ファイフ。
 ユーリを見ながら快活な笑顔を見せていた彼女だったが、その直後に自分の姿に気づくと、「あ……」と恥ずかしそうにシーツで身体を隠した。


「ふわぁ~……眠い~~~……。けど、えへへ、朝イチでイケメンの寝起き顔が見れるのって、どんなログインボーナスより捗りますね~♡」

 長い金髪をツインテ―ルに結んだ小柄な少女はエンリエッタ。
 彼女はうつぶせの体勢のまま、足をプラプラと揺らし、幸せそうな目でユーリを見ている。

 ──つまりユーリは、右手側の青髪の美女セイラ金髪の少女エンリエッタ、左手側に銀髪少女マホ茶髪の美女ファイフと、同衾していたということになる。
 しかも、いずれも下着姿で。

(……改めてだけど、なにこれ? なにこのエロい過ぎるシチュエーション!?)

 そしてエロい過ぎるのは、それだけが理由ではない。
 この空間にいる女の子は、

「にひひぃ。起きか~い、お寝坊さんたち? 朝ご飯もうできてるよ~♪」
「食堂まで行くのも億劫だと思いましたので、こちらに運んでしまいますわね」

 料理を持って入室してきたのは、ユーリを囲む女の子たちに引けを取らない、美女二人だった。


「わお♡ すごいね勇者! こぉんな可愛い子たち四人も侍らせちゃって♪ カリナも可愛いから混~ざろうっと♡」

 くすんだ灰色の髪を、左右でお団子にまとめているほうがカリナ。
 料理をテーブルに置いた彼女は、勢いよくベッドへと飛び込み、ユーリのすぐ前へと着地した。その衝撃で、コックコートを押し上げる巨大な双丘が、ぶるん! と勢いよく跳ねる。


「もう、お料理に埃が入ってしまうでしょう。
 ……あ、それと勇者様には、牡蠣やウナギやアサリ、それとスッポンの生き血などを使った別メニューを用意してありますので、たっぷりと堪能してくださいまし♡」

ロングの黒髪にピンクのメッシュを入れた美女はハンナ。
 端正な顔をトロンととろけさせた彼女は、ユーリの身体の一部に蠱惑的な視線を向け、チロリと小さく舌なめずりをした。


「はあ~~~~、いいお湯だったぁ♡ 坊ちゃん、一番風呂いただいちゃいました~♡」

 カリナとハンナに続いて、緑色の長い髪を持った美女、ブレイダも部屋へと足を踏み入れてきた。
歩みを進めるたびに、タオルに包まれた116センチの規格外のバストが、たゆんたゆんと暴力的に揺れるが、本人はそんなことを一切気にしていない様子だ。

 7人。
 下着姿、もしくは目に毒な格好を7人の美女に、ユーリは囲まれているのだった。
 
(こ、これは……ちゃんとヤバいヤツだぞ……。ってか、なんでみんなこんな通常運行なの? 動揺してんの僕だけ?)

 そんなふうにバキバキ童貞メンタルを全開にしていると、ブレイダがベッドの前で足を止め、キョロキョロと皆を見回すと、

「ところで、みんななにしようとしてるの? ご飯食べるとこ?
 ……それとも」

 ブレイダはいたずらっ子のように笑うと、ユーリに掛かっているシーツに手をかけ……。

「違うもの食べようとしてたのかな~♪」

 それを、一気に引きはがした。

「きゃあーーーーーーッ!!」

 と、女子みたいな悲鳴を上げるユーリ。パンツ一丁のその身体に、ブレイダは覆いかぶさるようにして抱き着いた。

「じゃあ、こっちも私が一番乗り貰うね~♡」
「ちょ、ちょちょちょ、ブレイダさん! いきなり過ぎるって! それ一番風呂からの流れでいくやつじゃないから!」
「え~? 別にそんなこと気にする必要、無いと思うけどな~」

 ブレイダはユーリの耳元に口を寄せ、艶っぽい声音で囁いた。

「せっかく坊ちゃんのハーレムを作ったんだから、みんなで楽しもうよ♡」
「…………っ!」

 ……そう。
 ユーリは昨日から、ハーレムを作ることになった。
 好きなときに、好きな女の子と、好きなことをできる環境。
 そんな夢色空間を、彼女たちと築くことになったのだ。
 ──長年苦楽を共にしてきた、勇者パーティの仲間たちと。
 そんなことを思っていると、右手側からグイっと身体を引き寄せられ、

「……ブレイダさん。それは勇者様を一番近くでお支えする、聖女にして第一秘書のこの私が受け取って然る特典かと」
「わ、わわ! ちょっとセイラさん!」

 セイラがユーリの顔を胸に押し付けると同時に、反対側からも温かくて湿ったものが押し当てられる。

「お~い、バカ勇者♡ こんな可愛いくて賢いマホちゃんが横にいるのによ、まさか二番手三番手にするなんて言わねえよな?」
「マ、マホちゃっ……ぐぉ!」

 マホに押し付けられるそれの感触に戸惑っていると、両足にエンリエッタとファイフが圧し掛かってきた。

「ねえ、ズ~ル~い~!! 勇者様、昨日私とゲームするって約束しましたよね! それで、その後に……えへ、えへへへっ♡」
「いやそれ言ったらさっき私だって、勇者と一緒にトレーニングしようって言ったよ! ……いやまあ、私もその後、ゴチョゴチョって、こう……しようとは思ってたけどさ!!」

 もはやその声に応えることすらできずにもがいていると、頭の両脇にカリナとハンナがやってきて、

「にひひぃ。ねえ勇者、お料理冷めちゃってもいいのぉ~?
 ま、こうなるだろうと思ってたから、冷めてもいいやつにしてあるんだけどさ♡」
「勇者様の特別メニューは、お料理だけではありませんことよ♡」

 そんなことを言いながら、コックコートのボタンをプチプチと外し始めた。

「ちょ、ちょっと! みんな、一回落ち着い……ってか、せめて一回ちゃんと立たせて! ずっと寝たままだから、立たせ……いや、違うよ!? そういうたたせてじゃないよ!? いや、たちそうにはなってるんだけど……じゃなくて! このままだとたちそうになるから! いや立ちたいんだけどたちたくはないというか……とにかく、一回ちゃんと立たせてってば!!」

 上下左右からの寄せられる声に叫び返しながら、ユーリは考える。

(……どうしてこうなった!?)

 なぜ、こんなエロい過ぎることになったのか。
 なぜ、こんなにも激しく、彼女らはユーリを求めてくれるのか。

(……まあ、どうしてもこうしてもないよね。
 ──全部、僕のせいなんだから)

 女の子たちの甘い匂いに茫洋とする中、ユーリはこの異常事態の経緯を思い出していた。

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