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第一章
2:第三王子アルファルド
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僕の名前はアルファルド。アルファルド・アントニアリッジ。18歳。
アントニアリッジ王国の第三王子。
母上は元子爵令嬢で国王陛下に見初められ側室入りを果たした第三側妃。そして母上に似ていた僕は大層国王陛下に可愛がられた。
国王陛下が溺愛している僕達親子に高位貴族達や使用人までもがちやほやしてくる。
それが王妃には気に食わなかったのだろう。
僕が15歳になった嵐の夜、母上は殺された。
毒殺だった。
何者かが母上の口にする食べ物に毒を混入させたのだ。
その後、メイドが1人犯人として処刑されたと聞くが恐らく実行犯に仕立て上げられ罪を負わされたんだろう。
僕は父上に懇願した。
「父上!母上を死に追いやった犯人は別に居ます!お願いします!!母上を殺した黒幕は....っ!!」
王妃達なのだと、だから調べて欲しいと告げようとした僕を父上は容赦なく殴った。
「これ以上くだらない戯言は言うな!犯人は処刑された!!それで終わったのだ!」
そう言った父上の顔は憤怒にまみれていた。
「父上....っ!!」
「うるさいっ!お前の顔など見たくない!暫くの間謹慎していろ!!」
僕がどれだけ泣いて懇願しても父上の心には響かなかった。母上への愛は父上の中から消えてしまったのだろう。
そしてその日の夜、今度は僕が毒を盛られ生死の境をさ迷った。
目を覚ました時、僕は『前世の俺』の記憶を取り戻していた。
前世、俺は大魔法師セギヌスと呼ばれていた。
前世の俺は大好きだった魔法を極め、死ぬ間際までには大魔法師とまで呼ばれる程になっていた。仲間達と冒険者活動をしダンジョンに挑んだり、魔獣からの脅威に立ち上がったり。楽しい人生を過ごしたと今でもそう思う。
そんな『前世の記憶』を取り戻した『僕』が、自分の今の現状に怒りを覚えるのは当然の事だろう。
この瞬間、『父上』は『僕』の『父上』では無くなった。『俺』と『僕』にとって大事なのは『母上』だけ。
この日、僕は母上を殺した相手への復讐を誓ったのだった。
それから3年の間に沢山の事があった。
小さい頃は母親が違ってもそれなりに僕に優しく接してくれていた兄姉達が僕に構うことが無くなった。城の中で会えば挨拶ぐらいは交わしてくれるがそれ以上でもそれ以下でもない。きっと彼ら彼女らの中では僕と言う存在は既に弟でも何でもないのだろう。
そして僕以外の王族が、僕に対してそんな態度を取るから使用人達も僕に対して横柄な態度を取ってくるようになる。
他の王族がどんな態度を僕に取ったとしても僕が王族である事は変わりがないのに本当に浅はかだよね。
貴族家が通う学園でも僕は常に1人だった。王妃の実家侯爵家の仕業だろう。母上が生きていた頃は国王に寵愛されていた事実があったからここまで露骨な事が出来なかったんだろう。
もし僕が僕のままだったら傷ついて死にたいと思ったかも知れないが、今の僕は前世で人生を謳歌したセギヌスの記憶があるし、能力もある。
実は前世の記憶が戻った際に前世の力も完全に戻ったのだ。つまり、僕は前世でセギヌスが極めた魔法を全て使える大魔法師となったのだ。勿論この力の事は誰にも内緒だけど。
この力は僕が奴らに復讐する為に欠かせない能力となるし、貴族連中や他の王族達が僕に対して情けを掛けなければ掛けない程、僕は動き易くなるのだ。
アントニアリッジ王国の第三王子。
母上は元子爵令嬢で国王陛下に見初められ側室入りを果たした第三側妃。そして母上に似ていた僕は大層国王陛下に可愛がられた。
国王陛下が溺愛している僕達親子に高位貴族達や使用人までもがちやほやしてくる。
それが王妃には気に食わなかったのだろう。
僕が15歳になった嵐の夜、母上は殺された。
毒殺だった。
何者かが母上の口にする食べ物に毒を混入させたのだ。
その後、メイドが1人犯人として処刑されたと聞くが恐らく実行犯に仕立て上げられ罪を負わされたんだろう。
僕は父上に懇願した。
「父上!母上を死に追いやった犯人は別に居ます!お願いします!!母上を殺した黒幕は....っ!!」
王妃達なのだと、だから調べて欲しいと告げようとした僕を父上は容赦なく殴った。
「これ以上くだらない戯言は言うな!犯人は処刑された!!それで終わったのだ!」
そう言った父上の顔は憤怒にまみれていた。
「父上....っ!!」
「うるさいっ!お前の顔など見たくない!暫くの間謹慎していろ!!」
僕がどれだけ泣いて懇願しても父上の心には響かなかった。母上への愛は父上の中から消えてしまったのだろう。
そしてその日の夜、今度は僕が毒を盛られ生死の境をさ迷った。
目を覚ました時、僕は『前世の俺』の記憶を取り戻していた。
前世、俺は大魔法師セギヌスと呼ばれていた。
前世の俺は大好きだった魔法を極め、死ぬ間際までには大魔法師とまで呼ばれる程になっていた。仲間達と冒険者活動をしダンジョンに挑んだり、魔獣からの脅威に立ち上がったり。楽しい人生を過ごしたと今でもそう思う。
そんな『前世の記憶』を取り戻した『僕』が、自分の今の現状に怒りを覚えるのは当然の事だろう。
この瞬間、『父上』は『僕』の『父上』では無くなった。『俺』と『僕』にとって大事なのは『母上』だけ。
この日、僕は母上を殺した相手への復讐を誓ったのだった。
それから3年の間に沢山の事があった。
小さい頃は母親が違ってもそれなりに僕に優しく接してくれていた兄姉達が僕に構うことが無くなった。城の中で会えば挨拶ぐらいは交わしてくれるがそれ以上でもそれ以下でもない。きっと彼ら彼女らの中では僕と言う存在は既に弟でも何でもないのだろう。
そして僕以外の王族が、僕に対してそんな態度を取るから使用人達も僕に対して横柄な態度を取ってくるようになる。
他の王族がどんな態度を僕に取ったとしても僕が王族である事は変わりがないのに本当に浅はかだよね。
貴族家が通う学園でも僕は常に1人だった。王妃の実家侯爵家の仕業だろう。母上が生きていた頃は国王に寵愛されていた事実があったからここまで露骨な事が出来なかったんだろう。
もし僕が僕のままだったら傷ついて死にたいと思ったかも知れないが、今の僕は前世で人生を謳歌したセギヌスの記憶があるし、能力もある。
実は前世の記憶が戻った際に前世の力も完全に戻ったのだ。つまり、僕は前世でセギヌスが極めた魔法を全て使える大魔法師となったのだ。勿論この力の事は誰にも内緒だけど。
この力は僕が奴らに復讐する為に欠かせない能力となるし、貴族連中や他の王族達が僕に対して情けを掛けなければ掛けない程、僕は動き易くなるのだ。
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