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第二章
20: 翌日
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その夜、そっと夜会を抜け出し離宮へと帰った僕は出迎えてくれたマリーに夜会での話を簡単にだけ説明をして早々に自室へと入った。
流石に夜会での色々でゆっくり話が出来る程の余裕は意外にも僕にも残っておらず早く休みたいと思ってしまったからだ。きっと今頃挨拶もせずに勝手に帰った僕の事をあの人達は自分達の良いように貴族達に話しているんだろう。
母上が生きていた頃は父上も兄達もあんな人達では無かった筈なのに、何がああも豹変させたのだろうかと思わなかった訳でもないが....そんな事は今更なのだから考えても仕方がないか。
.....それにしても.....
「辺境伯家嫡男アルキラス・ディーバインか」
少なからず母上の死と王族の僕への対応に疑問を抱いてるみたいだけど。
「.....本当に今更過ぎない?確か彼が遠征から戻って来たのは母上が亡くなってから1年後だったと記憶してるけど.....」
それから既に2年は過ぎているし母上が亡くなってから1度は王宮でもすれ違っている。その時には完全に僕の事を居ない者として扱っていた辺境伯と嫡男が何故今になって?
「疑問しか湧かないし、明らかに行動が怪しすぎるでしょ」
僕としては辺境伯家に対して何か思う所が有る訳ではない。母上の死に対して王家が決めた事に証拠もなく反すればいくら辺境伯家でも処罰される可能性だってある。だから辺境伯家自体を恨むつもりは僕にはない。いち貴族が王家に対して出来ること等ないに等しいのだから。
だから僕が真に復讐したいのは王家だけ。特に王妃と国王に関しては絶体にその地位から引きずり降ろしてやるが簡単には死なせてやらない。
......母上が味わった苦しみよりも更なる苦しみを奴等に.....
「.....ああ、でも」
どうしてアルキラス・ディーバインはあんな瞳で僕を見るんだろう?まるで.....
そう.....まるで母上が嬉しそうに笑顔で僕を見ていた時のような瞳で.....
いつの間にか眠っていたようで眼を開けたら朝になっていた。服を着替えもせずに眠ってしまった僕を見たマリーのお説教が部屋の中に響いている。
「アルファルド様が自分で出来ると言うからお手伝いを辞退しましたのに着替えもせずにそのまま眠ってしまったなんて!体調でも崩されたらどうするんですか!?」
「.....ごめんよマリー。今回は本当に僕が悪い....そこまで疲れているつもりはなかったんだけど、いつの間にか眠ってしまったみたいなんだ。今度からは気を付けるよ」
素直にそう言えばマリーも溜め息を付きつつも仕方がないと言うように昨夜僕が着ていた夜会服を片付けていく。
マリーが怒るのは僕を心配しての事だと理解しているからどれだけ言われても怒りは全く湧かないし、逆に嬉しくてくすぐったくなってしまう。
こんな僕にもまだ心から心配をしてくれる人が居るんだと言う事に。
「朝食の準備は出来てますがお部屋にお持ちしましょうか?」
「いや、ダイニングで頂くよ。昨日の夜会の話しもしておきたいしね」
「わかりました」
ダイニングへと場所を移し、城に住んでいる王族達が食べるような豪華な朝食ではないけれども栄養を考えられた暖かい食事をしつつ、僕は昨夜の夜会での事を簡単にマリーへと話す。マリーとは状況報告は逐一しておかないといざと言う場合対処に困ることがあってはいけないから。
「.....はぁ.....本当に期待を裏切らない御方達ですね」
それは最早呆れを通り越した先に出た言葉だった。
「だよねぇ.....僕も顔には何とか出さずに済んだけど内心笑いすぎてどうしようかと思ったよ」
それしか言いようがない。他の貴族達にあのわざとらしい王妃の言動が通用しているのが逆に不思議でならない。この国は本当に大丈夫なんだろうかと逆に心配になってしまう。
.....まぁ僕にはこの国がこの先どうなろうと関係ないけど.....
反対に頼って来られても困るかな。好き好んで自分から泥船に乗る人なんて居やしないよね。
流石に夜会での色々でゆっくり話が出来る程の余裕は意外にも僕にも残っておらず早く休みたいと思ってしまったからだ。きっと今頃挨拶もせずに勝手に帰った僕の事をあの人達は自分達の良いように貴族達に話しているんだろう。
母上が生きていた頃は父上も兄達もあんな人達では無かった筈なのに、何がああも豹変させたのだろうかと思わなかった訳でもないが....そんな事は今更なのだから考えても仕方がないか。
.....それにしても.....
「辺境伯家嫡男アルキラス・ディーバインか」
少なからず母上の死と王族の僕への対応に疑問を抱いてるみたいだけど。
「.....本当に今更過ぎない?確か彼が遠征から戻って来たのは母上が亡くなってから1年後だったと記憶してるけど.....」
それから既に2年は過ぎているし母上が亡くなってから1度は王宮でもすれ違っている。その時には完全に僕の事を居ない者として扱っていた辺境伯と嫡男が何故今になって?
「疑問しか湧かないし、明らかに行動が怪しすぎるでしょ」
僕としては辺境伯家に対して何か思う所が有る訳ではない。母上の死に対して王家が決めた事に証拠もなく反すればいくら辺境伯家でも処罰される可能性だってある。だから辺境伯家自体を恨むつもりは僕にはない。いち貴族が王家に対して出来ること等ないに等しいのだから。
だから僕が真に復讐したいのは王家だけ。特に王妃と国王に関しては絶体にその地位から引きずり降ろしてやるが簡単には死なせてやらない。
......母上が味わった苦しみよりも更なる苦しみを奴等に.....
「.....ああ、でも」
どうしてアルキラス・ディーバインはあんな瞳で僕を見るんだろう?まるで.....
そう.....まるで母上が嬉しそうに笑顔で僕を見ていた時のような瞳で.....
いつの間にか眠っていたようで眼を開けたら朝になっていた。服を着替えもせずに眠ってしまった僕を見たマリーのお説教が部屋の中に響いている。
「アルファルド様が自分で出来ると言うからお手伝いを辞退しましたのに着替えもせずにそのまま眠ってしまったなんて!体調でも崩されたらどうするんですか!?」
「.....ごめんよマリー。今回は本当に僕が悪い....そこまで疲れているつもりはなかったんだけど、いつの間にか眠ってしまったみたいなんだ。今度からは気を付けるよ」
素直にそう言えばマリーも溜め息を付きつつも仕方がないと言うように昨夜僕が着ていた夜会服を片付けていく。
マリーが怒るのは僕を心配しての事だと理解しているからどれだけ言われても怒りは全く湧かないし、逆に嬉しくてくすぐったくなってしまう。
こんな僕にもまだ心から心配をしてくれる人が居るんだと言う事に。
「朝食の準備は出来てますがお部屋にお持ちしましょうか?」
「いや、ダイニングで頂くよ。昨日の夜会の話しもしておきたいしね」
「わかりました」
ダイニングへと場所を移し、城に住んでいる王族達が食べるような豪華な朝食ではないけれども栄養を考えられた暖かい食事をしつつ、僕は昨夜の夜会での事を簡単にマリーへと話す。マリーとは状況報告は逐一しておかないといざと言う場合対処に困ることがあってはいけないから。
「.....はぁ.....本当に期待を裏切らない御方達ですね」
それは最早呆れを通り越した先に出た言葉だった。
「だよねぇ.....僕も顔には何とか出さずに済んだけど内心笑いすぎてどうしようかと思ったよ」
それしか言いようがない。他の貴族達にあのわざとらしい王妃の言動が通用しているのが逆に不思議でならない。この国は本当に大丈夫なんだろうかと逆に心配になってしまう。
.....まぁ僕にはこの国がこの先どうなろうと関係ないけど.....
反対に頼って来られても困るかな。好き好んで自分から泥船に乗る人なんて居やしないよね。
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