125 / 156
11-リビングデッド・ハート
125.少女、ひらめく。
しおりを挟む
その足音はハッと一瞬足を止めたかと思うと転びそうな勢いでこちらに駆けてくる。すぐ近くまでやってきたかと思うと遠慮もなしにこちらの腕を掴んでグイと引き上げた。
『見つけた!』
ゴロンと返されあちこち積もった雪を払われるような感覚がする。
『起きてよ、ねぇ師匠。師匠』
泣き出しそうな声に夢の中までコイツは泣き虫なのかと少しだけ笑いそうになる。
だが一瞬だけ静かになったかと思うといきなり頬に強めの衝撃が走った。
『あ、起きた』
「……お前な」
合理的ではあるがもう少し優しい起こし方は無いものだろうか。
目をあけた先に居たのは予想通りニチカだった。むき出しの膝を雪に着けて見下ろしている。こちらが上体を起こすとホッとしたように息をついた。
『良かった手後れかと思った』
「手後れ? 凍死なんかするわけないだろう」
夢なんだから。と言いかけるが首元をガッと掴まれ前後に揺さぶられる。
『お願い一緒に考えて! 私一人じゃどうにもできなくて!』
「や、やめ、ぐえ」
舌を噛んで悶絶する。
どうしてこう上手くいかないのだ、自分の夢のくせに。
暴走し続ける弟子を何とか制して会話する体制に移行する。
しかしリアルな夢だ。どうせならこんな普段と変わらないやり取りよりもっと楽しい事をしたいものである。
「で、何を一緒に考えろって?」
『そう! 他人に取り付いてる霊をひっぺがして封印する方法知らない!?』
いきなりやってきて何を言い出すのだコイツは。
トンデモ発言を大真面目に言い放った少女を胡散臭げに見やる。すると弟子は憤慨したように眉をつり上げた。
『自分の一大事なのよ! 事の重大さ分かってる!?』
「…………?」
『寝ぼけてないでさぁぁ、あぁもう良いから何か知ってたら教えてっ』
何をヒステリーに騒いでいるのだろう。しかし夢の中で寝ぼけるなというのも妙な話である。男は霞掛かったようにぼんやりする頭で知識の引き出しを漁り始めた。
「霊って言ってもな、そんな不確かな存在なんて」
『居たの! ルゥリア様はコ、コンパクって言ってたけど』
「魂魄……なら魂のことか。誰に取り付いてるかは知らんが『心の器』はその元人格専用だ、つまりそのオリジナルが消えればその霊とやらも消えるんじゃないのか? 元ごと絶てば良い」
『できるわけないでしょー!!』
どかーんと爆発したニチカが感極まってぼろぼろと泣き出す。ほんとにどうした。
無意識の内に涙をぬぐってやりながら頬をなでる。やわらかくて気持ちいいなと思ったままを口にしたら、照れているのか怒っているのか分からない表情をされた。
「そんなに取り付かれた奴が心配か」
『あ、たりまえ、でしょっ』
ふーんと嫉妬にも似た気持ちが少しだけ顔を出す。しかしこれまでのように苛立ちを感じることはなかった。
『ヒロインなりたがり症候群』のコイツだが、博愛を振りまくならそれはそれでもう良いんじゃないかと最近では思うようになってきた。そんな優しさに自分も救われたのは事実だ。
偽善だろうが何だろうが優しいことには変わりない。多分、きっと、それで良いのだ。
ようやく気持ちの着地点を見つけたオズワルドはそれでもどこかぼんやりしたまま続ける。
「最初からさらうか。まず魂は驚くと一瞬だけ剥離する」
『ドッキリさせればいいってこと?』
「あぁ。だがこれだとすぐに容れ物に戻って終わりだ。根本的な解決にはならない」
『うぅーん』
「あとはそうだな……親和性の高い物に引っぱられる」
『っていうと?』
「ランバールの時を思い出せ。お前がおせっかいにも再生させたから肉体に引き戻されただろうが」
『あ、あれは、その』
「だから驚かせて一瞬浮かせた隙に、親和性の高い別の容れ物を用意してやればそっちに移る可能性もあるかもな。あくまでも仮説だが」
そこまで言った瞬間、少女の目がこれ以上ないと言うほど見開かれる。そのまま彼女は妙な事を聞いてきた。
『――ってまだ持ってたりする!?』
「アレか? 確か尻ポケットにねじ込んだような」
『それだーっ!!』
どうやら解決の糸口を見つけたらしい。立ち上がったニチカは自信満々にこう告げた。
『待ってて、きっと大丈夫だから』
「? まぁ頑張れよ」
誰を救うのかは知らないがすこぶるやる気だ。
男はいまだ夢うつつのまま(現実の俺はどこで寝ているんだろうか……)などと考えていた。どうにも寝る前の記憶があやふやだ。
そんなぼんやりした様子を不安に思ったのだろう、少しずつ透け始めたニチカは半目になりながら注意をしてきた。
『あとちょっとだけ我慢してよ、さっきみたいに寝たら危ないんだから』
「そうは言ってもな、眠いものは仕方ないだろう」
くぁぁ、とあくびが止まらない。このまま後ろに倒れ込んで寝てしまいたかった。
それを見ていた少女は手をポンと打ち合わせてこんな事を提案する。
『そうだ、ここってあなたの夢の中みたいなものなんでしょ? だったら私を具現化して良いから』
「?」
『私のコピーを出してその相手をしててよ。その……ちょっとならえっちな事してても良いから』
それなら起きてられるでしょ。とニチカは自分で言ったことを恥じたように頬を掻いて視線を逸らした。
しばらく考えていた男だったが、その目の前の雪から何かがポコポコとせり上がってくる。
ペタッ コロッ
ペタッ コロッ
それを見ていた少女は引きつった笑顔で拳を握りしめた。
『……うん、起きたら覚悟してなさいよ』
それだけ言い残し完全に気配が消える。
残されたオズワルドは手近に来た一匹を膝に乗せつつくことで眠気を紛らわし始めた。
いつの間にか雪はやんでいた。
複数のペタコロンに取り囲まれた男は穏やかに微笑んでいた。
***
「……はっ!」
パッと目をあけたニチカはいつの間にか雪の上に仰向けになって倒れていた。
慌てて身体を起こすとそこはオズワルドの居た精神世界ではなく、死闘を繰り広げた『禊ぎの園』だった。暗闇の空からは相変わらず雪が降りて来ている。
そしてこちらに気づいたのか、激しく戦闘をしていたルゥリアが一度相手をけん制してから跳躍する。そのまま空を舞った彼女はふわりと横に着地した。
「どうじゃ、呼びかけは成功したか」
「はいっ、話をしてヒントを貰えました!」
少し離れたところからこちらを睨みつけて来る始祖『白』はもはやフラフラだった。時おり頭を抱え込んで大きく振ったり、胸を掻き毟るように抑えつけている。半狂乱に叫ぶ言葉の端々から推測するに内部のオズワルドが起きているのが気にくわないらしい。
立ち上がり服の雪を払いながら少女は作戦を実行すべく要点だけを話し始めた。
「ルゥリア様、お願いがあるんです。なんでも良いのでアイツの注意を引き付けておいて貰えますか。その間に私が後ろから近づきます」
「まったく精霊使いの荒いおなごじゃのう」
ブツクサ言いながらも水の精霊は再び正面から向かって行った。
その間にニチカは目立たないように迂回して背後に回り込む。
「……」
始祖の真後ろ。完全な死角から少しずつ近づいていく。
ルゥリアはわざと大ぶりな攻撃をして注意を逸らしてくれているようだ。こちらが気になるだろうに視線を寄越さないのがありがたい。
微妙に立ち回りを変える始祖に合わせて左右に振れるので時間がかかってしまう。
あと十メートル、五……三……
「!」
あと少しのところで『白』が振り向いた。
驚愕の表情を浮かべる彼は素早く魔導を展開させようとする。
「貴様いつのまに――!」
ニチカは発動される前に動いた。
直前で思い切り踏み込み相手の首にしがみつくように飛び掛かる。
その紫の瞳を真正面から見据えて言い放った。
「魂とび出るぐらい驚かせてやるんだから!!」
その意図に気づいたらしいルゥリアがハッとする。
「ニチカ、おぬしまさか!」
グッと引き寄せた顔がすぐ間近に迫る。頬を染めた精霊が広げた指のすき間から覗いて叫んだ。
「ち、チッスを――!?」
ゴッ!!
『見つけた!』
ゴロンと返されあちこち積もった雪を払われるような感覚がする。
『起きてよ、ねぇ師匠。師匠』
泣き出しそうな声に夢の中までコイツは泣き虫なのかと少しだけ笑いそうになる。
だが一瞬だけ静かになったかと思うといきなり頬に強めの衝撃が走った。
『あ、起きた』
「……お前な」
合理的ではあるがもう少し優しい起こし方は無いものだろうか。
目をあけた先に居たのは予想通りニチカだった。むき出しの膝を雪に着けて見下ろしている。こちらが上体を起こすとホッとしたように息をついた。
『良かった手後れかと思った』
「手後れ? 凍死なんかするわけないだろう」
夢なんだから。と言いかけるが首元をガッと掴まれ前後に揺さぶられる。
『お願い一緒に考えて! 私一人じゃどうにもできなくて!』
「や、やめ、ぐえ」
舌を噛んで悶絶する。
どうしてこう上手くいかないのだ、自分の夢のくせに。
暴走し続ける弟子を何とか制して会話する体制に移行する。
しかしリアルな夢だ。どうせならこんな普段と変わらないやり取りよりもっと楽しい事をしたいものである。
「で、何を一緒に考えろって?」
『そう! 他人に取り付いてる霊をひっぺがして封印する方法知らない!?』
いきなりやってきて何を言い出すのだコイツは。
トンデモ発言を大真面目に言い放った少女を胡散臭げに見やる。すると弟子は憤慨したように眉をつり上げた。
『自分の一大事なのよ! 事の重大さ分かってる!?』
「…………?」
『寝ぼけてないでさぁぁ、あぁもう良いから何か知ってたら教えてっ』
何をヒステリーに騒いでいるのだろう。しかし夢の中で寝ぼけるなというのも妙な話である。男は霞掛かったようにぼんやりする頭で知識の引き出しを漁り始めた。
「霊って言ってもな、そんな不確かな存在なんて」
『居たの! ルゥリア様はコ、コンパクって言ってたけど』
「魂魄……なら魂のことか。誰に取り付いてるかは知らんが『心の器』はその元人格専用だ、つまりそのオリジナルが消えればその霊とやらも消えるんじゃないのか? 元ごと絶てば良い」
『できるわけないでしょー!!』
どかーんと爆発したニチカが感極まってぼろぼろと泣き出す。ほんとにどうした。
無意識の内に涙をぬぐってやりながら頬をなでる。やわらかくて気持ちいいなと思ったままを口にしたら、照れているのか怒っているのか分からない表情をされた。
「そんなに取り付かれた奴が心配か」
『あ、たりまえ、でしょっ』
ふーんと嫉妬にも似た気持ちが少しだけ顔を出す。しかしこれまでのように苛立ちを感じることはなかった。
『ヒロインなりたがり症候群』のコイツだが、博愛を振りまくならそれはそれでもう良いんじゃないかと最近では思うようになってきた。そんな優しさに自分も救われたのは事実だ。
偽善だろうが何だろうが優しいことには変わりない。多分、きっと、それで良いのだ。
ようやく気持ちの着地点を見つけたオズワルドはそれでもどこかぼんやりしたまま続ける。
「最初からさらうか。まず魂は驚くと一瞬だけ剥離する」
『ドッキリさせればいいってこと?』
「あぁ。だがこれだとすぐに容れ物に戻って終わりだ。根本的な解決にはならない」
『うぅーん』
「あとはそうだな……親和性の高い物に引っぱられる」
『っていうと?』
「ランバールの時を思い出せ。お前がおせっかいにも再生させたから肉体に引き戻されただろうが」
『あ、あれは、その』
「だから驚かせて一瞬浮かせた隙に、親和性の高い別の容れ物を用意してやればそっちに移る可能性もあるかもな。あくまでも仮説だが」
そこまで言った瞬間、少女の目がこれ以上ないと言うほど見開かれる。そのまま彼女は妙な事を聞いてきた。
『――ってまだ持ってたりする!?』
「アレか? 確か尻ポケットにねじ込んだような」
『それだーっ!!』
どうやら解決の糸口を見つけたらしい。立ち上がったニチカは自信満々にこう告げた。
『待ってて、きっと大丈夫だから』
「? まぁ頑張れよ」
誰を救うのかは知らないがすこぶるやる気だ。
男はいまだ夢うつつのまま(現実の俺はどこで寝ているんだろうか……)などと考えていた。どうにも寝る前の記憶があやふやだ。
そんなぼんやりした様子を不安に思ったのだろう、少しずつ透け始めたニチカは半目になりながら注意をしてきた。
『あとちょっとだけ我慢してよ、さっきみたいに寝たら危ないんだから』
「そうは言ってもな、眠いものは仕方ないだろう」
くぁぁ、とあくびが止まらない。このまま後ろに倒れ込んで寝てしまいたかった。
それを見ていた少女は手をポンと打ち合わせてこんな事を提案する。
『そうだ、ここってあなたの夢の中みたいなものなんでしょ? だったら私を具現化して良いから』
「?」
『私のコピーを出してその相手をしててよ。その……ちょっとならえっちな事してても良いから』
それなら起きてられるでしょ。とニチカは自分で言ったことを恥じたように頬を掻いて視線を逸らした。
しばらく考えていた男だったが、その目の前の雪から何かがポコポコとせり上がってくる。
ペタッ コロッ
ペタッ コロッ
それを見ていた少女は引きつった笑顔で拳を握りしめた。
『……うん、起きたら覚悟してなさいよ』
それだけ言い残し完全に気配が消える。
残されたオズワルドは手近に来た一匹を膝に乗せつつくことで眠気を紛らわし始めた。
いつの間にか雪はやんでいた。
複数のペタコロンに取り囲まれた男は穏やかに微笑んでいた。
***
「……はっ!」
パッと目をあけたニチカはいつの間にか雪の上に仰向けになって倒れていた。
慌てて身体を起こすとそこはオズワルドの居た精神世界ではなく、死闘を繰り広げた『禊ぎの園』だった。暗闇の空からは相変わらず雪が降りて来ている。
そしてこちらに気づいたのか、激しく戦闘をしていたルゥリアが一度相手をけん制してから跳躍する。そのまま空を舞った彼女はふわりと横に着地した。
「どうじゃ、呼びかけは成功したか」
「はいっ、話をしてヒントを貰えました!」
少し離れたところからこちらを睨みつけて来る始祖『白』はもはやフラフラだった。時おり頭を抱え込んで大きく振ったり、胸を掻き毟るように抑えつけている。半狂乱に叫ぶ言葉の端々から推測するに内部のオズワルドが起きているのが気にくわないらしい。
立ち上がり服の雪を払いながら少女は作戦を実行すべく要点だけを話し始めた。
「ルゥリア様、お願いがあるんです。なんでも良いのでアイツの注意を引き付けておいて貰えますか。その間に私が後ろから近づきます」
「まったく精霊使いの荒いおなごじゃのう」
ブツクサ言いながらも水の精霊は再び正面から向かって行った。
その間にニチカは目立たないように迂回して背後に回り込む。
「……」
始祖の真後ろ。完全な死角から少しずつ近づいていく。
ルゥリアはわざと大ぶりな攻撃をして注意を逸らしてくれているようだ。こちらが気になるだろうに視線を寄越さないのがありがたい。
微妙に立ち回りを変える始祖に合わせて左右に振れるので時間がかかってしまう。
あと十メートル、五……三……
「!」
あと少しのところで『白』が振り向いた。
驚愕の表情を浮かべる彼は素早く魔導を展開させようとする。
「貴様いつのまに――!」
ニチカは発動される前に動いた。
直前で思い切り踏み込み相手の首にしがみつくように飛び掛かる。
その紫の瞳を真正面から見据えて言い放った。
「魂とび出るぐらい驚かせてやるんだから!!」
その意図に気づいたらしいルゥリアがハッとする。
「ニチカ、おぬしまさか!」
グッと引き寄せた顔がすぐ間近に迫る。頬を染めた精霊が広げた指のすき間から覗いて叫んだ。
「ち、チッスを――!?」
ゴッ!!
0
あなたにおすすめの小説
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
死に物狂いで支えた公爵家から捨てられたので、回帰後は全財産を盗んで消えてあげます 〜今さら「戻れ」と言われても、私は隣国の皇太子妃ですので〜
しょくぱん
恋愛
「お前のような無能、我が公爵家の恥だ!」
公爵家の長女エルゼは、放蕩者の父や無能な弟に代わり、寝る間も惜しんで領地経営と外交を支えてきた。しかし家族は彼女の功績を奪った挙句、政治犯の濡れ衣を着せて彼女を処刑した。
死の間際、エルゼは誓う。 「もし次があるのなら――二度と、あいつらのために働かない」
目覚めると、そこは処刑の二年前。 再び「仕事」を押し付けようとする厚顔無恥な家族に対し、エルゼは優雅に微笑んだ。
「ええ、承知いたしました。ただし、これからは**『代金』**をいただきますわ」
隠し金庫の鍵、領地の権利書、優秀な人材、そして莫大な隠し資産――。 エルゼは公爵家のすべてを自分名義に書き換え、着々と「もぬけの殻」にしていく。
そんな彼女の前に、隣国の冷徹な皇太子シオンが現れ、驚くべき提案を持ちかけてきて……?
「君のような恐ろしい女性を、独り占めしたくなった」
資産を奪い尽くして亡命した令嬢と、彼女を溺愛する皇太子。 一方、すべてを失った公爵家が泣きついてくるが、もう遅い。 あなたの家の金庫も、土地も、働く人間も――すべて私のものですから。
侯爵家の婚約者
やまだごんた
恋愛
侯爵家の嫡男カインは、自分を見向きもしない母に、なんとか認められようと努力を続ける。
7歳の誕生日を王宮で祝ってもらっていたが、自分以外の子供を可愛がる母の姿をみて、魔力を暴走させる。
その場の全員が死を覚悟したその時、1人の少女ジルダがカインの魔力を吸収して救ってくれた。
カインが魔力を暴走させないよう、王はカインとジルダを婚約させ、定期的な魔力吸収を命じる。
家族から冷たくされていたジルダに、カインは母から愛されない自分の寂しさを重ね、よき婚約者になろうと努力する。
だが、母が死に際に枕元にジルダを呼んだのを知り、ジルダもまた自分を裏切ったのだと絶望する。
17歳になった2人は、翌年の結婚を控えていたが、関係は歪なままだった。
そんな中、カインは仕事中に魔獣に攻撃され、死にかけていたところを救ってくれたイレリアという美しい少女と出会い、心を通わせていく。
全86話+番外編の予定
まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる