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3 宮廷錬金術師のセカンドライフ、始まる
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俺は宮廷錬金術師として、これまでの仕事では兵器や武具を錬金術で作らされることが多かった。
けれど、これからは生活のためにこの術を使おう。
「俺は戦争のための道具じゃない。人間らしい暮らしを取り戻すんだ」
これからの自由な生活を想像するとワクワクしてきた。
「さしあたっては生活拠点を作らないとな」
王国にいた頃のように、誰かに命令されることはもうない。
何をするのも、どこへ行くのも、すべてが俺の自由だ。
この先のことは、全部自分で決めるんだ――。
俺はひとまず森の中を進んだ。
近くに町か村があれば、そこで情報を集めようと思い、とりあえず出口を探していたのだ。
けれど、しばらく歩いていると、木々が途切れた日当たりの良い場所を見つける。
そこそこ広く、平らな土地が広がっていた。
「待てよ……町まで行くより、ここで暮らすのもいいかもな」
気まぐれに方針を変更できるのも、一人での生活ならではだ。
俺の錬金術を駆使すれば、一人で暮らすことくらい造作もないはず。
それに、考えてみれば、大勢の人と関わるのは――少なくとも今は、ちょっと億劫なんだよな。
「一人で、森の中で生きてみようか」
もし、この場所での生活が厳しくなってきたら、その時にあらためて町を探してもいいわけだし。
「うん、悪くない気がしてきた」
悪くないどころか、俺はすでにご機嫌だった。
前世では安月給の社畜で、狭いアパートに住むのが精一杯だった。
けれど、今なら。
「前世の俺の給料じゃ、夢のまた夢だったけど――念願の庭付き一戸建てマイホームを、ここなら作れるじゃないか」
土地は無限に広がっている。
素材さえあれば、俺の錬金術でどんなものにだって加工できる。
たった一人でも、立派な家を建てることだって不可能じゃない。
「――いや、それより」
俺の頭に、もっと壮大なアイデアがひらめいた。
どうせ作るなら、ちまちました家じゃなくて……。
「いっそ、城にするか……!」
そうだ、自分だけの城をこの手で作り上げるんだ。
文字通りの一国一城の主――いや、一国は言い過ぎか。
それでも、自分だけの城を持つなんて最高の贅沢じゃないか。
ただ、そうなるとこの森の中では少し手狭かもしれないな――。
俺は考え直し、いったん森を出ることにした。
森を抜けると、すぐ向こうには見渡す限りの荒野が広がっていた。
ここなら、どれだけ巨大な城を建てても誰にも文句は言われないだろう。
よし、ここに決めよう。
「まず『作業員』から作るか」
俺は足元の荒野の土を両手ですくい上げた。
うん、なかなかいい土だ。
「これなら質のいいゴーレムが作れそうだな」
ヴ……ンッ。
土に自分の魔力を込めて、形を整えていく。
錬金術の基本の一つは、物質の構成を理解し、それを組み替え、別の形に再構成すること。
俺の目の前で、土塊がみるみるうちに人型へと変わっていく。
身長は3メートルくらい。
ずんぐりむっくりした体型のゴーレムが完成だ。
さらに同じ要領で、俺は次々とゴーレムを生み出していった。
ざっと五十体ほど作り終えたところで大きく息をつく。
「ふうっ……」
これだけ連続で錬金術を行使すると、さすがに疲れる。
魔力がごっそりと持っていかれた感覚があった。
とはいえ、俺は自分の魔力量には自信があった。
王国軍でも、俺の魔力量の多さはたびたび話題に上っていたくらいだ。
中には『規格外の魔力』なんて言われたこともあるけど……さすがにそれは持ち上げ過ぎだろう。
少し休めば、すぐに回復するだろう。
しばらく休憩して魔力が回復すると、俺は立ち上がった。
「よし、次は資材集めだ」
ゴーレムたちに命令を出し、近くの森の中に落ちている木の枝をかき集めさせた。
ヴ……ンッ!
集めた枝の山に手をかざし、錬金術で頑丈な木材へと変質させる。
荒野の土も同じように、石材やレンガといった建築資材に変えていく。
みるみるうちに、城の材料が出来上がった
「よし、これをもとに城を組み立てるぞ。ゴーレムたち、よろしく頼む」
俺が頭の中で描いた設計図をゴーレムたちに転送すると、彼らは一斉に動き出した。
土を運び、基礎を作り、壁を積み上げていく。
人間の手でやれば何か月も――下手をすると何年もかかる作業が、ものすごいスピードで進んでいく。
ほどなくして――。
「やった、完成だ!」
目の前にそびえ立つ城を見上げて、俺は歓喜の声を上げた。
俺の、城だ。
けれど、これからは生活のためにこの術を使おう。
「俺は戦争のための道具じゃない。人間らしい暮らしを取り戻すんだ」
これからの自由な生活を想像するとワクワクしてきた。
「さしあたっては生活拠点を作らないとな」
王国にいた頃のように、誰かに命令されることはもうない。
何をするのも、どこへ行くのも、すべてが俺の自由だ。
この先のことは、全部自分で決めるんだ――。
俺はひとまず森の中を進んだ。
近くに町か村があれば、そこで情報を集めようと思い、とりあえず出口を探していたのだ。
けれど、しばらく歩いていると、木々が途切れた日当たりの良い場所を見つける。
そこそこ広く、平らな土地が広がっていた。
「待てよ……町まで行くより、ここで暮らすのもいいかもな」
気まぐれに方針を変更できるのも、一人での生活ならではだ。
俺の錬金術を駆使すれば、一人で暮らすことくらい造作もないはず。
それに、考えてみれば、大勢の人と関わるのは――少なくとも今は、ちょっと億劫なんだよな。
「一人で、森の中で生きてみようか」
もし、この場所での生活が厳しくなってきたら、その時にあらためて町を探してもいいわけだし。
「うん、悪くない気がしてきた」
悪くないどころか、俺はすでにご機嫌だった。
前世では安月給の社畜で、狭いアパートに住むのが精一杯だった。
けれど、今なら。
「前世の俺の給料じゃ、夢のまた夢だったけど――念願の庭付き一戸建てマイホームを、ここなら作れるじゃないか」
土地は無限に広がっている。
素材さえあれば、俺の錬金術でどんなものにだって加工できる。
たった一人でも、立派な家を建てることだって不可能じゃない。
「――いや、それより」
俺の頭に、もっと壮大なアイデアがひらめいた。
どうせ作るなら、ちまちました家じゃなくて……。
「いっそ、城にするか……!」
そうだ、自分だけの城をこの手で作り上げるんだ。
文字通りの一国一城の主――いや、一国は言い過ぎか。
それでも、自分だけの城を持つなんて最高の贅沢じゃないか。
ただ、そうなるとこの森の中では少し手狭かもしれないな――。
俺は考え直し、いったん森を出ることにした。
森を抜けると、すぐ向こうには見渡す限りの荒野が広がっていた。
ここなら、どれだけ巨大な城を建てても誰にも文句は言われないだろう。
よし、ここに決めよう。
「まず『作業員』から作るか」
俺は足元の荒野の土を両手ですくい上げた。
うん、なかなかいい土だ。
「これなら質のいいゴーレムが作れそうだな」
ヴ……ンッ。
土に自分の魔力を込めて、形を整えていく。
錬金術の基本の一つは、物質の構成を理解し、それを組み替え、別の形に再構成すること。
俺の目の前で、土塊がみるみるうちに人型へと変わっていく。
身長は3メートルくらい。
ずんぐりむっくりした体型のゴーレムが完成だ。
さらに同じ要領で、俺は次々とゴーレムを生み出していった。
ざっと五十体ほど作り終えたところで大きく息をつく。
「ふうっ……」
これだけ連続で錬金術を行使すると、さすがに疲れる。
魔力がごっそりと持っていかれた感覚があった。
とはいえ、俺は自分の魔力量には自信があった。
王国軍でも、俺の魔力量の多さはたびたび話題に上っていたくらいだ。
中には『規格外の魔力』なんて言われたこともあるけど……さすがにそれは持ち上げ過ぎだろう。
少し休めば、すぐに回復するだろう。
しばらく休憩して魔力が回復すると、俺は立ち上がった。
「よし、次は資材集めだ」
ゴーレムたちに命令を出し、近くの森の中に落ちている木の枝をかき集めさせた。
ヴ……ンッ!
集めた枝の山に手をかざし、錬金術で頑丈な木材へと変質させる。
荒野の土も同じように、石材やレンガといった建築資材に変えていく。
みるみるうちに、城の材料が出来上がった
「よし、これをもとに城を組み立てるぞ。ゴーレムたち、よろしく頼む」
俺が頭の中で描いた設計図をゴーレムたちに転送すると、彼らは一斉に動き出した。
土を運び、基礎を作り、壁を積み上げていく。
人間の手でやれば何か月も――下手をすると何年もかかる作業が、ものすごいスピードで進んでいく。
ほどなくして――。
「やった、完成だ!」
目の前にそびえ立つ城を見上げて、俺は歓喜の声を上げた。
俺の、城だ。
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