錬金チート開拓記 ~国に捨てられた俺、前世の知識と万能の錬金術で自由気ままな辺境暮らしを楽しむ~

六志麻あさ

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5 エルフの森へ

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「【結界解除】」

 サーラが告げると、前方の空間が揺らめいた。

「これは――」

 ゆらゆらと波のように揺れる不思議な空間だ。

 たぶん結界が可視化されたってことだろう。

 サーラがその揺らめきに手を触れる。

 ゆらり……。

 結界が波打ち、人が一人通れるくらいの通路が開いた。

「さあ、こっちへ」

 サーラに促され、俺も通路をくぐった。

 しばらく歩くと、目の前に新たな光景が広がった。

 外の森とは、まったく違う世界――。

 巨大な木が空を覆っている。

 木々の間から柔らかな光が差していた。

 見た目は森が大きくなっただけだけど、その森から感じられる生命力がまったく違う。

「これが、エルフの森……!}

 たぶん、一種の異空間なんだろうな。

 そのとき、森の奥からエルフたちが現れた。

 一人、また一人と、俺たちの前に姿を見せる。

 みんな、サーラと同じで耳が長く、美形ぞろいだ。

 これぞエルフ――って感じの容姿ばかりだった。

「…………」

 彼らはいずれも少し離れたところから俺を見ている。

 珍しい生き物を見るような目だった。
 と、

「おお、サーラ。その者が、外で大きな音を立てておった人間じゃな」

 エルフたちの中から一人の少女が出てきた。

 見た目は俺と同じくらいか、もっと若いかもしれない。

 鮮やかな金色の髪をツインテールにした、すごく元気そうな印象の女の子だ。

 ただ、その話し方は見た目と全然違い、なんだか年寄りじみていた。

 いわゆる『のじゃロリ』って奴らしい

「長老、この人はナッシュ。城を作りたいそう」

 サーラが紹介する。

 長老と呼ばれた少女は目をぱちくりさせた。

「なんと、あの瓦礫の山は城だったのかや。豪快な作り方をするものじゃのう」

 からかうような口調だが悪意は感じられない。

 純粋に楽しんでいるらしい。

「おっと、名乗るのがまだじゃったな。わらわは、この森の長――ミルという」

 美少女長老エルフが俺に歩み寄った。

 それから顔を近づけてくる。

 間近で見ると、本当に美少女だ。

「――って!?」

 くんくん、といきなり犬みたいに俺の匂いを嗅いでくるミル。

 いったいなんだ!?

「ふむ………。やはり、おぬしの魔力は変わっておるの。人間が持つ限界量を超えておる。我らエルフに匹敵――いや凌駕するやもしれんのう」
「えっ?」

 俺は驚いた。

 自分の魔力量が多いことは知っているけど、それはあくまでも人間レベルの話だ。

 そう思っていたのに、まさかエルフと同等以上だっていうのか?

「道理で結界の近くで、あれだけの錬金術が使えたわけじゃ」

 ミルは、うんうんと頷いている。

 実に楽しげだった。

 エルフは人間嫌いだと思っていたけど、ここのエルフは違うらしい。

 長老だけじゃなく、他のエルフたちも興味津々といった様子で俺を見ているからな。
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