錬金チート開拓記 ~国に捨てられた俺、前世の知識と万能の錬金術で自由気ままな辺境暮らしを楽しむ~

六志麻あさ

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17 その名はジパング

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 俺は冒険者たちが去った後、すぐにミルを呼んだ。

「ミル、ちょっと相談したいことがある」

 俺は冒険者たちから聞いた話を全て話した。

 ミルは俺の話を静かに聞いていた。

 そして、にこやかにうなずいた。

「ふむ、そういうことか。それは、面白いのう」
「面白い?」

 俺はミルの言葉に戸惑った。

「ナッシュ、お主はこの城を建てた。この城はお主の領地になるということじゃ」
「領地……」

 俺はただ静かに暮らしたかっただけだ。

 領主なんて柄じゃない。

「それに――領主なんてことになったら目立たないか?」
「うむ。だが、それが逆に隠れ蓑になるのではないか?」
「隠れ蓑?」
「宮廷錬金術師のナッシュは死んだことになっておる。だから――」

 ミルは俺の顔をじっと見つめた。

「お主が領主になる必要はない。名目上の領主を立てれば良いのじゃ」

 なるほど……。

 俺はミルの言葉に納得した。

「名目上の領主、か」

 俺はミルを見つめた。

「なあ、ミル。あんたが名目上の領主になってくれないか?」
「良いじゃろう」

 ミルは俺の提案を快諾してくれた。

「ありがとう、ミル!」

 俺は嬉しくて、ミルの手を握りしめた。

「べ、別にこれくらお安い御用だ」

 ミルは少し照れたように、俺から手を離した。



 俺はミルと、この土地をどうするか話し合った。

「まずは、この土地に名前をつけよう」
「名前? 何か案があるのか?」
「案……そうだな」

 俺は前世の記憶を思い返しながら考えた。

 俺の故郷である日本――。

 それにちなんだ名前がいいな。

「うーん……そうだな」

 俺はしばらく考え、一つの名前を思いついた。

「この地を『ジパング領』と名付けようと思う」
「ジパング?」

 キョトンと首を傾げたミルが、にっこりと笑った。

「面白い名前じゃのう」
「俺の故郷にちなんだ名前だ」

 説明する俺。

「俺は――この地を故郷のように大切にしたいんだ」
「わかった」

 俺の言葉にミルは真剣な顔でうなずいてくれた。

「では、今日からこの地はジパング領じゃ」

 俺は、この地で新しい人生を歩んでいく。

 そして――今度こそ誰かのためにではなく、自分のために生きる。

 この自由なスローライフを、心から楽しむんだ。
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