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第1章 呪われた村
9 ジュデッカ村、防衛強化2
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魔導砲塔Ⅲ。
全高は五メートルほどで、上部に魔力弾を発射できる砲が三つついている。
説明によると、モンスターが一定距離に近づくと自動的に迎撃してくれるようだ。
その威力はAランクまでのモンスターなら一撃で倒せるほど。
さすがにSランク以上だと必殺とはいかず、討ちもらす危険もあるようだが──。
その辺の防備は、ポイントがたまり次第、また考えるしかない。
と、
「おお、あなたが勇者様か」
「昨日、モンスターを倒してくださったとか」
道の向こうから老夫婦が歩いてきた。
昨日の出来事が早くも村の中に広まっているらしい。
ただ、勇者という呼び名はどうにもくすぐったかった。
「俺はただの冒険者なので……」
「奥ゆかしいですね、カイル様は」
ノエルが俺を見て微笑む。
「何もないところですが、ゆっくりしていってください」
「おじいさん、『呪われた村』にゆっくりしていってください、なんて旅のお方に失礼ですよ」
「おっと、こりゃいかん。すまんかった」
「い、いえ……」
すまなさそうな老夫婦に、慌てて首を振る俺。
「儂らは息子や孫たちと折り合いが悪くてな。厄介払いのようにここへ追いやられた。ここに家族を送ると、国から補償金が出るとかなんとか……」
「子どもや孫たちにお金が渡るなら、と移住を決めたんです。向こうはなんとも思わないかもしれませんが、私たちにはやっぱり大事な子どもと孫ですから」
老夫婦がしみじみと語った。
突然の身の上話だが、きっと誰かに聞いてほしいんだろうな。
俺はよけいな口を挟まず、黙って彼らの話を聞いていた。
ノエルも隣で同じようにしている。
「お迎えも近いですからな。せめて最期は安らかに迎えたいもんです」
「おじいさん、まだまだ長生きしてもらわないと」
「そうだな……」
老夫婦は俺たちとしばらく話し、去っていった。
最後までしみじみとして、寂しげな様子を漂わせながら……。
そういえば、ノエルと村長以外の村人を初めて見たな。
ノエルの明るさや村長の凛々しさでピンと来ていなかったが、きっと本来はああいう感じで日々を過ごしている人たちが多いんじゃないだろうか。
封印を守るための『条件設定』として、この村に住み続けるしかない人たち。
いつモンスターに襲われるかもしれない、不安な日々──。
「カイル様」
つい沈みこんでしまった俺に、ノエルが話しかけた。
「他の場所にも魔導砲塔を設置してこよう」
俺にできるのはそれだけだ。
──俺たちは馬を借り、残りの三カ所にも魔導砲塔を設置した。
ポイントは一気に減ったけど、これで村が少しでも安全になるなら安いもんだ。
善行達成 :村の防衛強化
ポイント付与 :14000
現在のポイント:1400→15400
例によって、空中に文字が表示される。
「そうか、これも善行だもんな」
しかも思ったよりポイントをもらえたぞ。
この調子でポイントを溜めていけば、もっと強力な兵器で村を守れるんじゃないだろうか。
「ありがとうございます、昨日からお礼を言っても言い尽くせません」
ノエルが何度も頭を下げる。
「ずっと引きとめるわけにはいきませんね。これからカイル様はどうなさるのですか?」
「これから──」
そうだ、俺はこの先どうすればいいんだろう?
冒険者として、また誰か仲間を見つけて、パーティを組むのか。
それとも、いっそ足を洗って、違う仕事につくか。
幸い、俺には『万物創生』スキルがあるし、たいがいの仕事には役立つだろう。
「──いや、違うな」
苦笑した。
考えるまでもない。
俺の中で、もう答えは出ていた。
脳裏に浮かんだのは、クラウディアの真剣な顔。
さっきの老夫婦の姿。
そして、ノエルの笑顔──。
「俺、もう少しこの村に残るよ」
「えっ?」
「どこまでできるか分からないけど……村の人たちが安心して、笑って暮らせるようにしたい」
それが、俺の新しい目標だ。
全高は五メートルほどで、上部に魔力弾を発射できる砲が三つついている。
説明によると、モンスターが一定距離に近づくと自動的に迎撃してくれるようだ。
その威力はAランクまでのモンスターなら一撃で倒せるほど。
さすがにSランク以上だと必殺とはいかず、討ちもらす危険もあるようだが──。
その辺の防備は、ポイントがたまり次第、また考えるしかない。
と、
「おお、あなたが勇者様か」
「昨日、モンスターを倒してくださったとか」
道の向こうから老夫婦が歩いてきた。
昨日の出来事が早くも村の中に広まっているらしい。
ただ、勇者という呼び名はどうにもくすぐったかった。
「俺はただの冒険者なので……」
「奥ゆかしいですね、カイル様は」
ノエルが俺を見て微笑む。
「何もないところですが、ゆっくりしていってください」
「おじいさん、『呪われた村』にゆっくりしていってください、なんて旅のお方に失礼ですよ」
「おっと、こりゃいかん。すまんかった」
「い、いえ……」
すまなさそうな老夫婦に、慌てて首を振る俺。
「儂らは息子や孫たちと折り合いが悪くてな。厄介払いのようにここへ追いやられた。ここに家族を送ると、国から補償金が出るとかなんとか……」
「子どもや孫たちにお金が渡るなら、と移住を決めたんです。向こうはなんとも思わないかもしれませんが、私たちにはやっぱり大事な子どもと孫ですから」
老夫婦がしみじみと語った。
突然の身の上話だが、きっと誰かに聞いてほしいんだろうな。
俺はよけいな口を挟まず、黙って彼らの話を聞いていた。
ノエルも隣で同じようにしている。
「お迎えも近いですからな。せめて最期は安らかに迎えたいもんです」
「おじいさん、まだまだ長生きしてもらわないと」
「そうだな……」
老夫婦は俺たちとしばらく話し、去っていった。
最後までしみじみとして、寂しげな様子を漂わせながら……。
そういえば、ノエルと村長以外の村人を初めて見たな。
ノエルの明るさや村長の凛々しさでピンと来ていなかったが、きっと本来はああいう感じで日々を過ごしている人たちが多いんじゃないだろうか。
封印を守るための『条件設定』として、この村に住み続けるしかない人たち。
いつモンスターに襲われるかもしれない、不安な日々──。
「カイル様」
つい沈みこんでしまった俺に、ノエルが話しかけた。
「他の場所にも魔導砲塔を設置してこよう」
俺にできるのはそれだけだ。
──俺たちは馬を借り、残りの三カ所にも魔導砲塔を設置した。
ポイントは一気に減ったけど、これで村が少しでも安全になるなら安いもんだ。
善行達成 :村の防衛強化
ポイント付与 :14000
現在のポイント:1400→15400
例によって、空中に文字が表示される。
「そうか、これも善行だもんな」
しかも思ったよりポイントをもらえたぞ。
この調子でポイントを溜めていけば、もっと強力な兵器で村を守れるんじゃないだろうか。
「ありがとうございます、昨日からお礼を言っても言い尽くせません」
ノエルが何度も頭を下げる。
「ずっと引きとめるわけにはいきませんね。これからカイル様はどうなさるのですか?」
「これから──」
そうだ、俺はこの先どうすればいいんだろう?
冒険者として、また誰か仲間を見つけて、パーティを組むのか。
それとも、いっそ足を洗って、違う仕事につくか。
幸い、俺には『万物創生』スキルがあるし、たいがいの仕事には役立つだろう。
「──いや、違うな」
苦笑した。
考えるまでもない。
俺の中で、もう答えは出ていた。
脳裏に浮かんだのは、クラウディアの真剣な顔。
さっきの老夫婦の姿。
そして、ノエルの笑顔──。
「俺、もう少しこの村に残るよ」
「えっ?」
「どこまでできるか分からないけど……村の人たちが安心して、笑って暮らせるようにしたい」
それが、俺の新しい目標だ。
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