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第2章 勇者の選択
13 力関係3
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しばらく歩くと、今度は派手なメイクにギャル風の女子生徒が前から歩いてきた。
「今度はあいつか……」
姫宮愛美。
以前、雫をいじめていたギャルグループのリーダー格だ。
今日は他のメンバーはいなくて、一人で歩いている。
ふと、思った。
まさか、まだ雫をいじめたりしてないだろうな──と。
きつく釘を刺しておいたし、雫もあれ以来そういうそぶりはまったく見せない。
ただ、念のために確認しておくか。
「姫宮」
「な、夏瀬……くん」
姫宮が俺を見て、ギョッとした顔になる。
「俺の言ったこと、忘れてないよな?」
「う、うん」
ごくりと喉を鳴らす姫宮。
以前に【威圧・レベル3】で脅したせいか、怯えたように俺を見ている。
「お前が約束を守るなら、俺も何もしない」
こくん、と姫宮がうなずく。
「あれから雫の様子はどうだ? 部活では楽しそうだけど、教室での様子は俺には分からないからな」
「どうって言われても……」
「いじめられてないか」
「そ、それはないよ。うちらだって、他のみんなだって……八条に少しでも何かしたら、あんたが来るって分かってるし」
どうやら、クラス中をビビらせた状態らしい。
ま、雫に危害が及ばない状況になってるなら、とりあえずはいいか。
俺自身は嫌われてるかもしれないが、今さらだ。
「なら、いい。だけど──雫に何かあったら許さないからな」
「は、はい……分かりました」
しおらしい、とさえ言える態度で、姫宮は頭を下げた。
「今度はあいつか……」
姫宮愛美。
以前、雫をいじめていたギャルグループのリーダー格だ。
今日は他のメンバーはいなくて、一人で歩いている。
ふと、思った。
まさか、まだ雫をいじめたりしてないだろうな──と。
きつく釘を刺しておいたし、雫もあれ以来そういうそぶりはまったく見せない。
ただ、念のために確認しておくか。
「姫宮」
「な、夏瀬……くん」
姫宮が俺を見て、ギョッとした顔になる。
「俺の言ったこと、忘れてないよな?」
「う、うん」
ごくりと喉を鳴らす姫宮。
以前に【威圧・レベル3】で脅したせいか、怯えたように俺を見ている。
「お前が約束を守るなら、俺も何もしない」
こくん、と姫宮がうなずく。
「あれから雫の様子はどうだ? 部活では楽しそうだけど、教室での様子は俺には分からないからな」
「どうって言われても……」
「いじめられてないか」
「そ、それはないよ。うちらだって、他のみんなだって……八条に少しでも何かしたら、あんたが来るって分かってるし」
どうやら、クラス中をビビらせた状態らしい。
ま、雫に危害が及ばない状況になってるなら、とりあえずはいいか。
俺自身は嫌われてるかもしれないが、今さらだ。
「なら、いい。だけど──雫に何かあったら許さないからな」
「は、はい……分かりました」
しおらしい、とさえ言える態度で、姫宮は頭を下げた。
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