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第8章 勇者の運命
6 『門番』
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「ちいっ、なんて圧力だ……!」
矢継ぎ早に放たれる光弾を前に、俺は大きく後退した。
【近接格闘】スキルの能力を全開にして、フルスピードで動き回る。
わずかでも気を抜けば、数百単位の光弾のどれかを食らうだろう。
直撃すれば、人間の体なんて骨も残らず消し飛ばされる威力であろう光弾のどれかを。
その大半を避け、避けきれないものは聖剣夜天の一振りで切り裂く。
──高位魔族『門番』との戦いは、熾烈を極めた。
身長3メートルほどの、人型の魔族。
全身が真っ白で滑らかな体表。
顔には仮面がつけられており、大小合わせて八つの目が描かれていた。
「さすがに……強い」
「そろそろ私があなたたちにかけた強化スキルの効果が切れるころですね……!」
俺の隣でナダレが、背後でアリアンがうめいた。
そう──俺は現在、ナダレ、アリアンとともに戦っている。
場所はナダレたちに案内された異空間。
その奥に、『門番』がたたずんでいた。
普段は異なる世界の間に通じる道を管理し、その扉の開閉役を担っているのだという。
厳密には、魔界と他の世界との間の通路を、だ。
世界間通路の管理能力を持つ『門番』を倒し、こちらで用意した別の魔族に『門番』としての能力を移し替える。
その後に、魔界が俺たちの世界やファルセリアに攻めてこないように『扉』を閉じる。
これがナダレたちの提案である。
そのためには『門番』を倒すのが絶対条件だ。
結局、俺が選んだのは彼らの提案だった。
もちろん、心の底から信用しているわけじゃない。
ナダレたちが『一周目』で俺を裏切ったことは忘れない。
今回だって、どんな思惑を隠しているか分からない。
だが、少なくとも『門番』打倒には彼らの力が必要なんだろう。
実際、『門番』は強い。
とてつもなく、強い……!
「いっけぇぇぇぇっ、【退魔聖燐咆】!」
俺は渾身の意思力を込めて、夜天を振り下ろした。
現在の俺が使える最強の攻撃スキルである。
鮮烈な爆光が異空間を照らし出す。
人間界で使ったら、周囲にクレーターができていたかもしれない。
それでさえ、『門番』の体表にわずかな傷をつけただけだった。
「攻撃防御ともに圧倒的……か。ふむ」
ナダレがつぶやく。
そのナダレも以前よりもかなり戦闘能力がアップしていた。
なんでもアリアンから事前に『祝福』を受け、『武闘家』から『武神』へとクラスチェンジしていたということだ。
以前の数倍の格闘能力で『門番』に仕掛けるものの、奴はそれをも上回る近接戦闘能力でナダレを寄せつけない。
まして俺の【近接格闘】スキルじゃ、太刀打ちできない。
この戦いが始まってから、俺はほとんど中距離攻撃ばかりを仕掛け、近接戦闘は避けていた。
「二人とも、もう一度【スキルブースト】をかけます!」
アリアンが叫んだ。
僧侶系のスキルである【スキルブースト】。
名前の通り、それをかけてもらうと一定時間、使用スキルの威力が倍増する。
俺とナダレはすでに【スキルブースト】を四度かけてもらっていた。
効果が切れては、かけ直してもらい、また切れてはかけ直してもらい──という具合だ。
「【スキルブースト】!」
アリアンの錫杖から薄桃色の輝きがあふれ、俺とナダレの体を包んだ。
力が、湧き上がってくる。
「はあ、はあ、はあ……」
アリアンの息が荒い。
さすがに五度も【スキルブースト】を使い、体力や精神力が底を尽きかけているんだろう。
いいかげんに『門番』を倒さなければ──。
もしかしたらレグルドや他の魔族も駆けつけるかと思ったが、その気配はなかった。
俺の返事をどこかで待っている状態なんだろうか。
この一週間は、毎日のように──友人さながらにレグルドと出かけていただけに、少し心が痛む。
りぃぃぃぃぃぃぃんっ。
鈴虫の羽音のような鳴き声とともに、『門番』が襲いかかった。
これだけ長時間戦っているというのに、まるで衰えを見せない。
むしろ、アリアンから治癒や強化を受け続けているのに、俺たちの方が弱ってきているくらいだ。
だけど、退けない。
こいつを倒すことで、魔族がこの世界にやって来る脅威を終わらせられるんだ。
「だから──必ず勝つ!」
吠えて、俺は聖剣を振り上げた。
矢継ぎ早に放たれる光弾を前に、俺は大きく後退した。
【近接格闘】スキルの能力を全開にして、フルスピードで動き回る。
わずかでも気を抜けば、数百単位の光弾のどれかを食らうだろう。
直撃すれば、人間の体なんて骨も残らず消し飛ばされる威力であろう光弾のどれかを。
その大半を避け、避けきれないものは聖剣夜天の一振りで切り裂く。
──高位魔族『門番』との戦いは、熾烈を極めた。
身長3メートルほどの、人型の魔族。
全身が真っ白で滑らかな体表。
顔には仮面がつけられており、大小合わせて八つの目が描かれていた。
「さすがに……強い」
「そろそろ私があなたたちにかけた強化スキルの効果が切れるころですね……!」
俺の隣でナダレが、背後でアリアンがうめいた。
そう──俺は現在、ナダレ、アリアンとともに戦っている。
場所はナダレたちに案内された異空間。
その奥に、『門番』がたたずんでいた。
普段は異なる世界の間に通じる道を管理し、その扉の開閉役を担っているのだという。
厳密には、魔界と他の世界との間の通路を、だ。
世界間通路の管理能力を持つ『門番』を倒し、こちらで用意した別の魔族に『門番』としての能力を移し替える。
その後に、魔界が俺たちの世界やファルセリアに攻めてこないように『扉』を閉じる。
これがナダレたちの提案である。
そのためには『門番』を倒すのが絶対条件だ。
結局、俺が選んだのは彼らの提案だった。
もちろん、心の底から信用しているわけじゃない。
ナダレたちが『一周目』で俺を裏切ったことは忘れない。
今回だって、どんな思惑を隠しているか分からない。
だが、少なくとも『門番』打倒には彼らの力が必要なんだろう。
実際、『門番』は強い。
とてつもなく、強い……!
「いっけぇぇぇぇっ、【退魔聖燐咆】!」
俺は渾身の意思力を込めて、夜天を振り下ろした。
現在の俺が使える最強の攻撃スキルである。
鮮烈な爆光が異空間を照らし出す。
人間界で使ったら、周囲にクレーターができていたかもしれない。
それでさえ、『門番』の体表にわずかな傷をつけただけだった。
「攻撃防御ともに圧倒的……か。ふむ」
ナダレがつぶやく。
そのナダレも以前よりもかなり戦闘能力がアップしていた。
なんでもアリアンから事前に『祝福』を受け、『武闘家』から『武神』へとクラスチェンジしていたということだ。
以前の数倍の格闘能力で『門番』に仕掛けるものの、奴はそれをも上回る近接戦闘能力でナダレを寄せつけない。
まして俺の【近接格闘】スキルじゃ、太刀打ちできない。
この戦いが始まってから、俺はほとんど中距離攻撃ばかりを仕掛け、近接戦闘は避けていた。
「二人とも、もう一度【スキルブースト】をかけます!」
アリアンが叫んだ。
僧侶系のスキルである【スキルブースト】。
名前の通り、それをかけてもらうと一定時間、使用スキルの威力が倍増する。
俺とナダレはすでに【スキルブースト】を四度かけてもらっていた。
効果が切れては、かけ直してもらい、また切れてはかけ直してもらい──という具合だ。
「【スキルブースト】!」
アリアンの錫杖から薄桃色の輝きがあふれ、俺とナダレの体を包んだ。
力が、湧き上がってくる。
「はあ、はあ、はあ……」
アリアンの息が荒い。
さすがに五度も【スキルブースト】を使い、体力や精神力が底を尽きかけているんだろう。
いいかげんに『門番』を倒さなければ──。
もしかしたらレグルドや他の魔族も駆けつけるかと思ったが、その気配はなかった。
俺の返事をどこかで待っている状態なんだろうか。
この一週間は、毎日のように──友人さながらにレグルドと出かけていただけに、少し心が痛む。
りぃぃぃぃぃぃぃんっ。
鈴虫の羽音のような鳴き声とともに、『門番』が襲いかかった。
これだけ長時間戦っているというのに、まるで衰えを見せない。
むしろ、アリアンから治癒や強化を受け続けているのに、俺たちの方が弱ってきているくらいだ。
だけど、退けない。
こいつを倒すことで、魔族がこの世界にやって来る脅威を終わらせられるんだ。
「だから──必ず勝つ!」
吠えて、俺は聖剣を振り上げた。
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