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3.からかいやがって
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精神崩壊を起こしても構わない。
確かにそう聞いた。
驚いてカイザを見るけれど、笑顔のままだ。
気味が悪い。
「だから気分を悪くするかもしれないと言ったでしょう?」
「気分は悪くなってません」
微笑むカイザがただただ不気味なだけだ。
もしや精神崩壊が起きた後のことを分かっていないのだろうか。
「精神崩壊を起こさせると魔力の暴走に繋がり、災害レベルの被害が起きる可能性も……」
「暴走する前に処分します。あなたはそこまで考えなくていい」
「だから筋肉バカは嫌いなんですよ。魔法が及ぼす影響はあまりにも大きい。それも分からずに強い武器を求める感覚で新たな魔法を求めるなんて」
「でも、それがあなたの任務です。あなたは新たな魔法を作り、我々はそれを使う。王も望んでいます」
「王は絶対に解けない自白魔法の作成は命令してません。求めているのは強化だけ」
カイザを睨んだけれど、向こうは意に介していないのがムカつく。
「諜報部が絶対に解けない自白魔法を求めた意味がやっと分かりました。そりゃあ、精神崩壊を起こして廃人にしたとしても、そのまま殺しちまえば自白魔法だって解く必要もないですもんね。アンタたちが求めているのは悪の魔法だ」
「魔法に悪も正義もありませんよ。決めるのは使う人間です」
「いえ。魔法を開発する人間には責任があります。どう考えても悪の使い道しかない魔法は作りません」
「……任務を放棄なさるおつもりで?」
「それ以外の方法を探します。元より、王の命令である魔法の強化はしなくちゃいけません」
「でも、精神的負荷はこれ以上かけられないのでしょう?」
嫌なところを突いてくる男だ。
けど、彼のおかげであることに気づくことが出来た。
「自白は緊張と緩和が大切なら、緩和の部分をより強めます。話しやすくさせる呪文を探して組み込めば……」
「緊張が強ければ強いほど効果的なんですけどね」
うるさい筋肉バカめ。
そんなに廃人を作りたいのか。
カイザを睨むと微笑みを崩さずに言われた。
「過激な魔法を求める我々を軽蔑していますか?」
「……いえ、それも王と国を守るために必要なのでしょう。でも、本当に必要なら王が命令して責任も負うべきです」
「王命があれば作ると?」
「その時は王に背きます。あなたたちに悪の魔法を使わせたくありません。代わりの魔法を開発するのが私の仕事です」
そう答えると彼は一瞬だけポカンとし、なぜか私の隣に寄り添い、腰を引き寄せてきた。
「ちょ、離れてください」
近づいたせいで彼の胸板がすぐそばにある。
さすが筋肉バカの一員なだけあって、シャツの上からでも立派な胸筋なのが分かる。
彼の大きな手が私の短い赤毛を弄んだ。
「髪の女神って呼ばれるのはお嫌いらしいですけど、あなたは髪もお顔も心も女神のように美しいですね」
甘い囁き声に顔を上げれば、ドキッとしそうなほど艶やかな表情をしていた。
さっきまでバチバチと対立していたのになんだこれは。
二重人格なのかからかわれているのか……からかわれているんだな。
「バカにするのはやめてください。髪も顔も心も美しいなんて冗談でもよく言えますね」
「職業上、嘘つきなのは認めますが不必要な嘘は言いませんよ」
「そんな風におだてられなくても仕事はちゃんとやります。だから離れてください」
語気を強めて言えばあっさりと離れた。
一瞬だけとはいえ、素晴らしい筋肉が眼前にある状況は心臓に悪い。
「とにかく! 相談に乗ってくださったことには感謝しますけど、あなたたちの望むようにはしません! 私は私のやり方で開発しますから!」
ドキドキしていることがバレないよう、怒鳴りつけ、一目散に自分の研究室へ逃げた。
確かにそう聞いた。
驚いてカイザを見るけれど、笑顔のままだ。
気味が悪い。
「だから気分を悪くするかもしれないと言ったでしょう?」
「気分は悪くなってません」
微笑むカイザがただただ不気味なだけだ。
もしや精神崩壊が起きた後のことを分かっていないのだろうか。
「精神崩壊を起こさせると魔力の暴走に繋がり、災害レベルの被害が起きる可能性も……」
「暴走する前に処分します。あなたはそこまで考えなくていい」
「だから筋肉バカは嫌いなんですよ。魔法が及ぼす影響はあまりにも大きい。それも分からずに強い武器を求める感覚で新たな魔法を求めるなんて」
「でも、それがあなたの任務です。あなたは新たな魔法を作り、我々はそれを使う。王も望んでいます」
「王は絶対に解けない自白魔法の作成は命令してません。求めているのは強化だけ」
カイザを睨んだけれど、向こうは意に介していないのがムカつく。
「諜報部が絶対に解けない自白魔法を求めた意味がやっと分かりました。そりゃあ、精神崩壊を起こして廃人にしたとしても、そのまま殺しちまえば自白魔法だって解く必要もないですもんね。アンタたちが求めているのは悪の魔法だ」
「魔法に悪も正義もありませんよ。決めるのは使う人間です」
「いえ。魔法を開発する人間には責任があります。どう考えても悪の使い道しかない魔法は作りません」
「……任務を放棄なさるおつもりで?」
「それ以外の方法を探します。元より、王の命令である魔法の強化はしなくちゃいけません」
「でも、精神的負荷はこれ以上かけられないのでしょう?」
嫌なところを突いてくる男だ。
けど、彼のおかげであることに気づくことが出来た。
「自白は緊張と緩和が大切なら、緩和の部分をより強めます。話しやすくさせる呪文を探して組み込めば……」
「緊張が強ければ強いほど効果的なんですけどね」
うるさい筋肉バカめ。
そんなに廃人を作りたいのか。
カイザを睨むと微笑みを崩さずに言われた。
「過激な魔法を求める我々を軽蔑していますか?」
「……いえ、それも王と国を守るために必要なのでしょう。でも、本当に必要なら王が命令して責任も負うべきです」
「王命があれば作ると?」
「その時は王に背きます。あなたたちに悪の魔法を使わせたくありません。代わりの魔法を開発するのが私の仕事です」
そう答えると彼は一瞬だけポカンとし、なぜか私の隣に寄り添い、腰を引き寄せてきた。
「ちょ、離れてください」
近づいたせいで彼の胸板がすぐそばにある。
さすが筋肉バカの一員なだけあって、シャツの上からでも立派な胸筋なのが分かる。
彼の大きな手が私の短い赤毛を弄んだ。
「髪の女神って呼ばれるのはお嫌いらしいですけど、あなたは髪もお顔も心も女神のように美しいですね」
甘い囁き声に顔を上げれば、ドキッとしそうなほど艶やかな表情をしていた。
さっきまでバチバチと対立していたのになんだこれは。
二重人格なのかからかわれているのか……からかわれているんだな。
「バカにするのはやめてください。髪も顔も心も美しいなんて冗談でもよく言えますね」
「職業上、嘘つきなのは認めますが不必要な嘘は言いませんよ」
「そんな風におだてられなくても仕事はちゃんとやります。だから離れてください」
語気を強めて言えばあっさりと離れた。
一瞬だけとはいえ、素晴らしい筋肉が眼前にある状況は心臓に悪い。
「とにかく! 相談に乗ってくださったことには感謝しますけど、あなたたちの望むようにはしません! 私は私のやり方で開発しますから!」
ドキドキしていることがバレないよう、怒鳴りつけ、一目散に自分の研究室へ逃げた。
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