自白魔法の暴走?!えっちな本音を隠せません!

向水白音

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8.抗え! 自白魔法!

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 私が素直すぎる口と戦っているうちに、カイザは私を抱きかかえ、仮眠室のベッドにぽーいと放ってしまった。
 勿論、抱きかかえられてドッキドキな私は言いましたとも。

「お姫様抱っこなんて初めて。素敵」

 素敵、じゃねー!
 でも、もうそろそろ本心を否定するのに疲れてきた。
 どうせ否定したってカイザにはそっちが嘘だってバレているし。
 だからと言って素直になりきれず、せめてもの抵抗でそっぽを向いた。

「エニー」

 月明りだけが差し込む部屋で、そっと私をベッドに下ろしたカイザが呼んだ。
 でも彼を見られない。

「エニー」

 なだめるような甘い呼び方だ。
 ムズムズする。
 引っ込みがつかなくなって無視したら、彼が耳元で囁いた。

「初めてで怖いでしょうけど、エニーのペースを教えてくれればあなたの望み通りにします。そのためにも素直になってください」
「素直にならなかったら?」
「俺の好きに抱きます」

 唐突な言葉にハッとして振り向いてしまった。
 月に照らされた彼の目が冗談じゃないと語っていた。
 好きにってどんな風にされちゃうんだろう、と浅ましい期待が胸を打つ。
 そして言葉が出る。

「好きに抱くってどんな風に?」
「エニーの身体を押さえつけて奥を思いっきり突きたいですね。ああ、もちろんその前にえっちなことが大好きな身体にして差し上げますよ。一晩あれば感度もだいぶ育ちますからね。そうすれば突くたびにあなたも気持ちよくなれますよ」
「突くってつまり……」

 目線が彼の股に行く。
 あ、唾のみこんじゃった。期待してるみたいじゃん。
 カイザがまたくすっと笑ったから余計に恥ずかしい。

「あなたのどんな本音も馬鹿になんてしません。だから、心のままになんでも言ってください」
「じゃあ、キスしたい。初めてだから優しくして」

 私が素直じゃなくなる前にカイザがキスをした。
 キスってこんな感じなんだ、って思う暇もなく、ぎゅっと抱きしめられ、頭に手を回され、もっとぎゅっと抱きしめられ、舌まで入ってきた。
 初めてのことづくしでびっくりしたけれど、カイザが頭を撫でてくれたから怖くは無かった。

「どうでしたか? ファーストキスは」
「もっとしたい」

 頭がボーっとしているところを狙って本音を言わされてしまった。
 しかも、反論する前にまたキスで口をふさがれた。
 そのせいで今の私はすごく積極的な処女だ。

 「なんでも言って」なんて言うけれど、カイザはずっとキスをしてくるから本音も嘘も言う暇がない。
 あれよあれよという間に私もカイザも下着姿になっていた。
 そう。
 彼の立派な筋肉がしっかりと見える。

「ああ……すごい筋肉……カイザって私よりも身長が大きくって筋肉もしっかりついているのに威圧感があんまり無いよね……素敵な筋肉……」

 筋肉だけじゃなくって全体的な印象を言おうとしたのに、にじみ出る筋肉への欲望が無駄にした。

「スリスリペロペロしていいんですよ」
「ほんとっ?! 今すぐしたい!!」
「…………どうぞ?」
「ぎゅって抱き着いてその素敵な筋肉にスリスリペロペロしたい!」
「ですから、いつでもどうぞ」

 今の状況を説明すると、ニコニコしながら待っているカイザに対し、私はまったく動かずに口だけペラペラと本音を喋っている。
 本当なら彼から離れたいところだが、がっちりと腕を掴まれているせいで出来ていない。
 カイザはあくまで私の意志を尊重しているのか、逃げるのを止めるだけで胸に抱き寄せようとはしない。
 このまま、

「抱き寄せてくれればそのまま抱きつけるのに」
「それは失礼しました」
「あっ! ちが、これはその……!」

 勝手に出た本音を真に受け、カイザは掴んでいた腕をぐいっと自分の方へ寄せた。
 私はそのまま彼の厚い胸に抱きついた。
 素直な口、グッジョブ! 違う!

「やっぱりすごい筋肉ぅ……生で触るとこんな感じなのね……意外と柔らかい」
「固くすることも出来ますよ」
「うわっ! すごい! 固い! こんな身体に抱かれるなんてドキドキする……」
「エニーに褒められるなんて嬉しいですね」

 そう笑ったカイザが本当に嬉しそうだからドキッとした。
 そんなこと言われちゃうと、素直な口が調子に乗ってしまう。

「頼りがいのある素敵な身体。たくさん訓練したんでしょ。カイザは頑張り屋さんだね。そういう人、好き」
「頑張り屋が好きですか?」
「うん。騎士に助けられてから私も自分で筋肉付けようって頑張ったけど続かなかったの。だから、なおさら尊敬しちゃう」
「そういえばエニーは一時期、筋肉を増強させる魔法開発にはまっていたらしいですね。それが理由でしたか」
「な、なんで知ってんのよ」

 これだから諜報部は。
 ちなみに、開発に手を出して分かったことは「筋肉は鍛えないと身につかない」という至極当然な結果だった。

「騎士を筋肉バカって呼ぶのは馬鹿にしていたのじゃなくて、尊敬していたんですね。ご自分じゃ筋肉バカになれないコンプレックスもこもっているのかな」

 カイザの見透かすような言葉。
 図星だ。
 やっぱりコイツ、性悪筋肉バカだな。
 こうなったら開き直るしかない。

「そうだよ! 悪口みたいな言い方しかできなくてすみませんねぇ」
「とんでもない。あなたに害意がないことは話せばわかります。それに、エニーまで筋肉バカになる必要はありませんよ。人の特性はそれぞれですから」

 そう言って大きな胸で包みながら私を撫でるカイザ。
 女神のように心の広い筋肉バカだ。
 彼の優しさにほだされ、自然と彼の胸に頬を寄せてしまった。

「でも、騎士はいつだって命を懸けているでしょう? それってすごいことだよ。私を守ってくれた騎士みたいに、カイザもこの身体でたくさんの王国民を守っているんだね」
「……あなたはそうやって!」
「むぐ?!」

 包み込むような抱きしめ方から強い抱きしめ方に変わった。
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