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4 図書室のあなた
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「ふう」
月曜の朝、登校してきたわたしは廊下で立ち止まって深呼吸した。
みんなの挨拶で騒がしい廊下が、いつもより騒がしく、早く教室に入るよう急かしているように感じる。
教室の前まできたら緊張してきた。
なぜなら自分では違和感があったバッチリメイクをやめて、ナチュラルメイクにしてきた。
髪も派手な巻き髪はやめてストレート。
大丈夫。唯が大丈夫って言ってくれた。
チカも美咲も今までどおり、外見が変わったくらいでなにも変わるはずがない。
と、さっきから自分に言い聞かせている。
「はるか、どうしたの?」
一歩教室に入ると、美咲がけげんな顔で近づいてきた。
「お、おはよー。心配かけてごめんね、もうすっかり元気」
「そうじゃなくて。なんか今日地味だねー」
「あ……そう? ちょっとイメチェンしてみた」
わたしは普段どおり接しようと努めるけど、美咲はなおも顔をしかめている。
てっきり休んでいたことを心配してくれたのかと思ったけれど、この様子じゃその可能性は限りなくゼロだ。
品定めしているように、わたしを上から下まで見ている美咲の後ろから、
「元気そうでよかった。まぁ、いいんじゃない?」
遅れてやってきたチカはそう言ってくれたけど、美咲は納得していないみたい。
「はぁ? 無理してあたしたちに合わせてたってわけ? 気にくわないんだけど」
「……」
ピリッと空気が張りつめた。
図星でなにも言い訳できない。
やっぱり、素の自分なんて受け入れてもらえないのかな。
「ま、いいや。チカ、トイレ行こー」
「はいはい。はるかは行く?」
チカはそう誘ってくれたけど、
「こんなやつほっといて行こ」
美咲はそう言い捨てて、さっさと歩き去ってしまった。
「美咲、また彼氏と別れたみたいで。きっとイライラしてるだけよ」
チカはやれやれといったように肩をすくめて、わたしをフォローしてくれようとしたけれど、
「ううん。美咲が言ってたこと図星だから。今までごめんね。わたしは一人で大丈夫。ありがとね」
スタスタ歩き去る美咲の背中を見て、わたしは悲しい気持ちもありながら少しホッとしていた。
もう無理をして一緒にいなくてもいいんだ。
わたしの晴れ晴れとした表情からチカは察したのか少し唇をかんで考えてから、
「......分かった。うちは、いつか心開いてくれるって信じてたんだけどな。美咲だって心開いてなんかないのよ」
小さく呟いて、美咲の後を追って行った。
チカの言葉が少しだけ引っかかったけれど、わたしにとっても二人にとってもこの選択が一番いいんだ。
わたしはまっすぐに前を向き自分の席に向かった。
席につこうとしたとき、一瞬だけ隣の席の浅井くんがこちらを見て微笑んだ気がした。
たぶん気のせいかと思うのに、静かに本を読んでいる浅井くんがまたこちらを見るんじゃないかと淡く期待してしまうのはどうしてなんだろう。
月曜の朝、登校してきたわたしは廊下で立ち止まって深呼吸した。
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教室の前まできたら緊張してきた。
なぜなら自分では違和感があったバッチリメイクをやめて、ナチュラルメイクにしてきた。
髪も派手な巻き髪はやめてストレート。
大丈夫。唯が大丈夫って言ってくれた。
チカも美咲も今までどおり、外見が変わったくらいでなにも変わるはずがない。
と、さっきから自分に言い聞かせている。
「はるか、どうしたの?」
一歩教室に入ると、美咲がけげんな顔で近づいてきた。
「お、おはよー。心配かけてごめんね、もうすっかり元気」
「そうじゃなくて。なんか今日地味だねー」
「あ……そう? ちょっとイメチェンしてみた」
わたしは普段どおり接しようと努めるけど、美咲はなおも顔をしかめている。
てっきり休んでいたことを心配してくれたのかと思ったけれど、この様子じゃその可能性は限りなくゼロだ。
品定めしているように、わたしを上から下まで見ている美咲の後ろから、
「元気そうでよかった。まぁ、いいんじゃない?」
遅れてやってきたチカはそう言ってくれたけど、美咲は納得していないみたい。
「はぁ? 無理してあたしたちに合わせてたってわけ? 気にくわないんだけど」
「……」
ピリッと空気が張りつめた。
図星でなにも言い訳できない。
やっぱり、素の自分なんて受け入れてもらえないのかな。
「ま、いいや。チカ、トイレ行こー」
「はいはい。はるかは行く?」
チカはそう誘ってくれたけど、
「こんなやつほっといて行こ」
美咲はそう言い捨てて、さっさと歩き去ってしまった。
「美咲、また彼氏と別れたみたいで。きっとイライラしてるだけよ」
チカはやれやれといったように肩をすくめて、わたしをフォローしてくれようとしたけれど、
「ううん。美咲が言ってたこと図星だから。今までごめんね。わたしは一人で大丈夫。ありがとね」
スタスタ歩き去る美咲の背中を見て、わたしは悲しい気持ちもありながら少しホッとしていた。
もう無理をして一緒にいなくてもいいんだ。
わたしの晴れ晴れとした表情からチカは察したのか少し唇をかんで考えてから、
「......分かった。うちは、いつか心開いてくれるって信じてたんだけどな。美咲だって心開いてなんかないのよ」
小さく呟いて、美咲の後を追って行った。
チカの言葉が少しだけ引っかかったけれど、わたしにとっても二人にとってもこの選択が一番いいんだ。
わたしはまっすぐに前を向き自分の席に向かった。
席につこうとしたとき、一瞬だけ隣の席の浅井くんがこちらを見て微笑んだ気がした。
たぶん気のせいかと思うのに、静かに本を読んでいる浅井くんがまたこちらを見るんじゃないかと淡く期待してしまうのはどうしてなんだろう。
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