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第一話:二年前
黒の邂逅
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上の階は屋根裏部屋のようで、物置として使われていた。木製の箱に壊れてしまっている調度品が乱雑に入れられている。箱にはゴールドンが書いたのであろう達筆で"修理予定。破棄不可"と書いてあった。この"修理予定品"の埃の被りようから察するに、何年もこのまま放置されているということは想像に難くない。物を大切に扱いたいが故に、物を捨てる事ができないというゴールドンの気質をよく表しているように思えた。
天窓から少し差し込む陽の光を頼りにこの場所を捜索すると、部屋の隅に書棚が置かれており、その中にいくつかの本が無造作に置かれているのを見つけた。ルークはここから本を選んだのだろう。
私は読み終えた小説を書棚に戻し、他に適当な本がないか、一冊一冊を取り出して題に指を這わせながら考えた。
その中に一冊、分厚い本を見つけた。他の本よりもずっと古い年代に書かれたもののようで、題はところどころ掠れて読めなくなっていた。
「これって・・・」
私は本を開き、その内容に目を走らせた。間違いない。魔術書だ。しかも、おそらく黒魔術の。
本来ならこの本は教会の審査の時点で"禁書"あるいは"異端思想"として焚書になっているはずだ。しかしこの本は題が掠れて読めない事が幸いし、審査官の目をかいくぐって火刑を免れたのだ。
その後、どういう経緯でゴールドンがこれを手に入れたのかは知らない。きっと内容を見もせずに安請け合いしてしまったのだろう。でも、私にとってこれは邂逅だった。
ページに指を触れた瞬間、邪な考えが脳裏を駆け巡った。黒魔術・・・私にも使えるだろうか、と。
私には今も、恨むべき相手が大勢いる。ゴールドン達を家族と認めることと、私の故郷を奪われた恨みは別だ。忘れることなどできない、これからもずっと。
この本は、そんな私の役にたってくれるかもしれない。
パラパラと適当にページをめくる。
見たこともない複雑な図式や、不気味な挿絵が大量に並べられており、その端々に私が読むことのできない言語で解説が添えられていた。
ふと、あるページで手が止まった。一つの大きな魔法陣が描かれている。赤黒いインクで書き殴られたそれは、眺めているだけで私の心臓の鼓動を叩いた。
この魔法陣には、不思議な魅力があった。渇きのようなものが全身を蝕み、"彼"の為に何かしなければと思った。でも、どうすれば・・・?
「なにが欲しいの?」
語り掛ける。屋根裏部屋の中で、私の声が妙に反響した。風が窓を叩いている。今日はそんなに風が強かっただろうか?
下の階からゴールドンが私を呼ぶ声が聞こえる。でも、今は煩わしかった。
ゆっくりと魔法陣をなぞる。
なにか読み解けるような気がした。私がなぞると、ページは赤く変色した。いや、これは・・・血?
私の指先が切れ、血が滲んだのだ。それがべっとりとページに付着している。
突然、強い衝撃に全身が打ちのめされた。
強風が屋根裏部屋を包み、書棚の本と食器を巻き上げてつむじ風を象った。闇に潜んでいた蝙蝠たちが喚き、窓を突き破って空へ飛び立つ、まるで何かから逃げるように。
「何・・・?」
私は何もできず、ただ床に這いつくばっていた。そうでもしなければ吹き飛ばされてしまう。意識が明滅し、何か映像のようなものが断片的に私の頭に入り込んできた。暗がりに佇む人影、姿は六つ・・・だめだ、よく見えない。
「あぁ・・・! 待って!」
魔術書が風に浚われ、私の手から抜け出していく。私はそれに手を伸ばしたが、どうにも届かなかった。つむじ風の中心で本が開き、赤と黒の光を発した。巨大な咆哮のようなものが床を震わせる。私はこの時、何か恐ろしいことが起こっているとようやく理解した。あの魔術書は、不用意に触ってよいものではなかったのだ。
魔法陣が描かれた紙から何かが這い出てくる。まず巨大な鉤爪が姿を現し、筋骨隆々の影のように黒い腕が出現した。そして、奴は上半身を無理やり引き出した。無機質な獣の顔、部屋を覆うような巨大な羽、咆哮。
私は息を殺してその場に蹲っていた。絶対に見つかってはいけないと、本能で理解できた。
でも、ダメだった。強風のせいで姿を隠すことさえもままならず、加えて風で飛ばされてきたティーカップに頭を打たれ、小さく悲鳴を漏らしてしまったのだ。
奴は私を見つけた。そして、不規則に並んだ凶悪な歯をむき出しにして吠えた。急激に視界が狭くなる。耳鳴りが・・・頭が締め付けられるようだ! 目を開けてるはずなのに、何も見えない!
混乱が頭になだれ込んだ。なにもわからない、先ほどまで自分が何をしていたのかもわからない。真っ暗な闇に閉じ込められてしまったようだ。まさか、ずっとこのままなのだろうか。力が抜けていく・・・
誰かが私を呼んでいる・・・
目を開けると、強烈な光に目がくらんだ。
「ゴールドン・・・」私は彼に抱きかかえられていた。「一体・・・どうしたの?」
「どうしたかと? それは・・・」
彼は何か言いたげに口をヒクつかせたが、思いとどまって首を振った。
「君が屋根裏に上ってから下りてこないから、心配して見に来たのだよ」
それを聞いた瞬間、私は先ほどの事を思い出し、体を起こして屋根裏部屋を見渡した。全てが元通りだった。いや、まるで最初から何もなかったかのようだ。
「どうかしたかね?」ゴールドンが不思議そうな視線を向けてくる。私はまず彼を安心させねばならないと、笑顔を作って答えた。
「いや・・・実は少し眠っていたみたいなの。夜、あんまり寝れてなくて」
私がそう言うと、彼は半信半疑のまま頷いた。
「そうか。少し無理をさせてしまったかな」
「いいえ! そんなことないわ。とても素敵だもの。来てよかった」
「おーい! お客さんが来てますよ! どこに行ったんですか?」ルークの声が下から聞えてくる。すぐにゴールドンが大声で返事し、私にも降りてくるように言ってから、梯子を下りていった。
私は深呼吸をして、もう一度屋根裏部屋を注意深く見渡した。
床に厚い埃が積もっている。つむじ風に飛ばされたティーカップも、蝙蝠たちが打ち破った窓も、全てが元通りだった。
私は本棚に歩み寄り、先ほどの黒魔術書を探した。でも、この何もかも元通りのこの部屋で、黒魔術書だけは影も形もなかった。
「夢・・・?」不可解だけど、それで納得するべきだろうか。
白昼夢というのを聞いたことがある。きっと私の心的疲労が白昼夢を見せたに違いない。最初からなかったのだ、魔術書なんて。
そう私が納得しかけたとき、はらりと一枚の紙が私の足元に落ちてきた。
拾い上げて目を凝らすと、私は思わず息を呑んだ。それは"影も形もないはず"の魔術書の、あの魔法陣が描かれたページだったのだ。べっとりと私の血が付着しており、私の白昼夢を現実の色で塗りつぶしている。
紙の裏面を見ると、私が読める字体で一行、簡単な文字が書いてあった。
"闇の中で待て"
何か鋭いもので不器用ながらに書き殴られたその字は、何か恐ろしいものが残した痕跡のように感じられた。
私はその紙を丁寧に畳み、胸元のポケットにしまい込んだ。
「何をして・・・いるんですか?」
ああ!驚いたのは言うまでもない。急に背後から声をかけるなんて。
「なんでもないわ」私はルークに冷たい視線を送り、適当な一冊を書棚からとって屋根裏部屋を後にした。
天窓から少し差し込む陽の光を頼りにこの場所を捜索すると、部屋の隅に書棚が置かれており、その中にいくつかの本が無造作に置かれているのを見つけた。ルークはここから本を選んだのだろう。
私は読み終えた小説を書棚に戻し、他に適当な本がないか、一冊一冊を取り出して題に指を這わせながら考えた。
その中に一冊、分厚い本を見つけた。他の本よりもずっと古い年代に書かれたもののようで、題はところどころ掠れて読めなくなっていた。
「これって・・・」
私は本を開き、その内容に目を走らせた。間違いない。魔術書だ。しかも、おそらく黒魔術の。
本来ならこの本は教会の審査の時点で"禁書"あるいは"異端思想"として焚書になっているはずだ。しかしこの本は題が掠れて読めない事が幸いし、審査官の目をかいくぐって火刑を免れたのだ。
その後、どういう経緯でゴールドンがこれを手に入れたのかは知らない。きっと内容を見もせずに安請け合いしてしまったのだろう。でも、私にとってこれは邂逅だった。
ページに指を触れた瞬間、邪な考えが脳裏を駆け巡った。黒魔術・・・私にも使えるだろうか、と。
私には今も、恨むべき相手が大勢いる。ゴールドン達を家族と認めることと、私の故郷を奪われた恨みは別だ。忘れることなどできない、これからもずっと。
この本は、そんな私の役にたってくれるかもしれない。
パラパラと適当にページをめくる。
見たこともない複雑な図式や、不気味な挿絵が大量に並べられており、その端々に私が読むことのできない言語で解説が添えられていた。
ふと、あるページで手が止まった。一つの大きな魔法陣が描かれている。赤黒いインクで書き殴られたそれは、眺めているだけで私の心臓の鼓動を叩いた。
この魔法陣には、不思議な魅力があった。渇きのようなものが全身を蝕み、"彼"の為に何かしなければと思った。でも、どうすれば・・・?
「なにが欲しいの?」
語り掛ける。屋根裏部屋の中で、私の声が妙に反響した。風が窓を叩いている。今日はそんなに風が強かっただろうか?
下の階からゴールドンが私を呼ぶ声が聞こえる。でも、今は煩わしかった。
ゆっくりと魔法陣をなぞる。
なにか読み解けるような気がした。私がなぞると、ページは赤く変色した。いや、これは・・・血?
私の指先が切れ、血が滲んだのだ。それがべっとりとページに付着している。
突然、強い衝撃に全身が打ちのめされた。
強風が屋根裏部屋を包み、書棚の本と食器を巻き上げてつむじ風を象った。闇に潜んでいた蝙蝠たちが喚き、窓を突き破って空へ飛び立つ、まるで何かから逃げるように。
「何・・・?」
私は何もできず、ただ床に這いつくばっていた。そうでもしなければ吹き飛ばされてしまう。意識が明滅し、何か映像のようなものが断片的に私の頭に入り込んできた。暗がりに佇む人影、姿は六つ・・・だめだ、よく見えない。
「あぁ・・・! 待って!」
魔術書が風に浚われ、私の手から抜け出していく。私はそれに手を伸ばしたが、どうにも届かなかった。つむじ風の中心で本が開き、赤と黒の光を発した。巨大な咆哮のようなものが床を震わせる。私はこの時、何か恐ろしいことが起こっているとようやく理解した。あの魔術書は、不用意に触ってよいものではなかったのだ。
魔法陣が描かれた紙から何かが這い出てくる。まず巨大な鉤爪が姿を現し、筋骨隆々の影のように黒い腕が出現した。そして、奴は上半身を無理やり引き出した。無機質な獣の顔、部屋を覆うような巨大な羽、咆哮。
私は息を殺してその場に蹲っていた。絶対に見つかってはいけないと、本能で理解できた。
でも、ダメだった。強風のせいで姿を隠すことさえもままならず、加えて風で飛ばされてきたティーカップに頭を打たれ、小さく悲鳴を漏らしてしまったのだ。
奴は私を見つけた。そして、不規則に並んだ凶悪な歯をむき出しにして吠えた。急激に視界が狭くなる。耳鳴りが・・・頭が締め付けられるようだ! 目を開けてるはずなのに、何も見えない!
混乱が頭になだれ込んだ。なにもわからない、先ほどまで自分が何をしていたのかもわからない。真っ暗な闇に閉じ込められてしまったようだ。まさか、ずっとこのままなのだろうか。力が抜けていく・・・
誰かが私を呼んでいる・・・
目を開けると、強烈な光に目がくらんだ。
「ゴールドン・・・」私は彼に抱きかかえられていた。「一体・・・どうしたの?」
「どうしたかと? それは・・・」
彼は何か言いたげに口をヒクつかせたが、思いとどまって首を振った。
「君が屋根裏に上ってから下りてこないから、心配して見に来たのだよ」
それを聞いた瞬間、私は先ほどの事を思い出し、体を起こして屋根裏部屋を見渡した。全てが元通りだった。いや、まるで最初から何もなかったかのようだ。
「どうかしたかね?」ゴールドンが不思議そうな視線を向けてくる。私はまず彼を安心させねばならないと、笑顔を作って答えた。
「いや・・・実は少し眠っていたみたいなの。夜、あんまり寝れてなくて」
私がそう言うと、彼は半信半疑のまま頷いた。
「そうか。少し無理をさせてしまったかな」
「いいえ! そんなことないわ。とても素敵だもの。来てよかった」
「おーい! お客さんが来てますよ! どこに行ったんですか?」ルークの声が下から聞えてくる。すぐにゴールドンが大声で返事し、私にも降りてくるように言ってから、梯子を下りていった。
私は深呼吸をして、もう一度屋根裏部屋を注意深く見渡した。
床に厚い埃が積もっている。つむじ風に飛ばされたティーカップも、蝙蝠たちが打ち破った窓も、全てが元通りだった。
私は本棚に歩み寄り、先ほどの黒魔術書を探した。でも、この何もかも元通りのこの部屋で、黒魔術書だけは影も形もなかった。
「夢・・・?」不可解だけど、それで納得するべきだろうか。
白昼夢というのを聞いたことがある。きっと私の心的疲労が白昼夢を見せたに違いない。最初からなかったのだ、魔術書なんて。
そう私が納得しかけたとき、はらりと一枚の紙が私の足元に落ちてきた。
拾い上げて目を凝らすと、私は思わず息を呑んだ。それは"影も形もないはず"の魔術書の、あの魔法陣が描かれたページだったのだ。べっとりと私の血が付着しており、私の白昼夢を現実の色で塗りつぶしている。
紙の裏面を見ると、私が読める字体で一行、簡単な文字が書いてあった。
"闇の中で待て"
何か鋭いもので不器用ながらに書き殴られたその字は、何か恐ろしいものが残した痕跡のように感じられた。
私はその紙を丁寧に畳み、胸元のポケットにしまい込んだ。
「何をして・・・いるんですか?」
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