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陰謀編 社交シーズン春②
伯爵、クレモナで食いしん坊と再会する
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謎の美容茶を飲み干し、そろそろ屋敷に帰ろかと立ち上がると、窓からひょっこりとラスキン博士が顔を出した。
「セシル様。ハチミツと刺繍入りのハンカチを持って帰るか?」
ひらひらとラスキン博士の右手に握られた白いハンカチにはかわいい花々が刺繍されていた。しかも、ラスキン博士が魔獣専門と聞いて頼んでいた養蜂も成功していたらしい。ここの蜂は普通のミツバチではない。カイコと同じ魔虫である蜂なので、バカデカイ。そんなデカイ蜂が吸える蜜なんてあるのか? どんなデカイ花なんだよ。ラフレシア級のデカさなのか? と不思議に思っていたが、奴らは体はデカいが吸う花は普通サイズでOKだった。……ちょうど、花が咲く植物もあるし、サレルノの中で魔虫がブンブン飛んでもいいかぁと俺は呑気に考えていた。
もちろん、ダメだった。めちゃ怒られた、俺とラスキン博士。やっぱりね、小さい子がいるからさ、デカイ蜂が飛んでいたら怖いでしょ? だから、カイコがいた茂みの奥に果樹をいくつか植えて、その周りに花を生けて蜂たちのお食事処にしました。果樹はねぇ、蜂が受粉作業を担ってくれるし、蜂蜜とフルーツが採れたらクレモナ商店街のあちこちに売りつけて現金収入にもなるし、結果オーライでした。
いまはラスキン博士の手を離れて、養蜂グループが頑張って蜂と果樹と花の世話をしてくれている。俺が考案したとされる作業着も大好評だ。うむ、前世からのパクリの作業着である。
「ところでラスキン博士。エディはどうした? てっきりサレルノで親子水入らずで過ごしていると思ったのに」
窓越しに会話するのも面倒なので、俺は薬師の婆さんに別れを告げ、サレルノの綿花畑の中ラスキン博士と並んで歩くことにした。
「あいつはヴァゼーレに行きました。あっちで魔獣研究所の立ち上げでヒーヒー言っているでしょう。ヒヒヒ」
「……いいのか? 知らない場所でいきなり魔獣研究所の所長で? ラスキン博士が一緒に行って面倒みてやればいいのに」
ずっと、ヴァゼーレに行きっ放しはサレルノのカイコたちの育成に問題があったときに困るので許可できないけど、研究所が回り出すまでの間ならいいんだぞ? 俺がコテンと首を傾げてラスキン博士を見つめると、博士は大きく笑って肩を竦めてみせた。
「いいんですよ。うるさい老いぼれは口を出さなくて。あいつはあいつなりの研究所を運営していけばいい。一応、それなりに知識のある奴らが研究所には集まっているみたいですしな」
「そいつらもクセが強いのでは? むしろ、そいつらとの関係がこじれたりしないか?」
短い間しか顔を合せなかったが、エディはラスキン博士の養い子らしくクセ強で人の話を聞いちゃいない系の学者ムーブ野郎だった気がする。しまった……そこまでアレだという認識があったなら常識人の助手でも派遣しておけばよかった……例えばクラークのような社畜精神に溢れていたり、ディーンのように貧乏くじを引いちゃう奴とか。……いたな、ヴァゼーレに貧乏くじを自ら引きに行く奴が。俺は鉱山案内をしてくれた一人の男の顔を思い浮かべた。
よし! ヴァゼーレの魔獣研究所は任せたぞ! 心の中でエールを送り、ガタゴトと馬車に揺られ屋敷へと帰る俺だった。
翌日。
今度は領都クレモナの視察へ出発。のんびりしていたら春の社交シーズンで王都へ行かなきゃいけないから、白豚は今のうちに働くんです。……もう白豚ネタをぶち込めなくなってきたなぁ……ただのデブだもんなぁ……でも激しいダイエットしてサイズを変えると衣装を縫ったライオネルが激怒するからなぁ。くだらない悩みでしょんぼりしていたらクレモナ商店街に着きました。まだ王都へ行く貴族たちも通らないので、地元民でそこそこ賑わっています。しかも、ラグジュアリーホテル目当てで王都からの来訪者も増え、俺としてはウハウハだ。
「セシル様。お待ちしておりましたわ」
領都クレモナ商店街責任者、クラークの秘書ケイシーちゃん。この子、トビーの店とヘクターの店はもちろん、商店街のスイーツ系の店の商品を試食として食べまくっていると聞いているが、体形が変わってない。スレンダーなまま。すごいな? さては、隠れてめちゃくちゃ運動してるな?
「あ、これ。サレルノで採れたハチミツのサンプル。採れる量が限られているから、販売はしない。領都クレモナで消費しようと考えている」
そう、サレルノのハチミツのパンケーキとか食べたかったらクレモナにお越しなさい、オーホホホホッ作戦である。ヘクターに頼んでハチミツを練りこんだパンとかもいいし、リタがハチミツを活かしたドリンクを作れば、お店でお茶会を開くお嬢さんたちで大盛況だ。ふふふ、商機が見えた! 当然ケイシーちゃんも食いつく。商売の意味でも、自身の食いしん坊レーダーにも。
「悪いけど、ハチミツに関してはケイシーちゃんに一任するよ。俺は春の社交シーズンが終わったら、南の領地リグーリの視察に行きたいんだ」
「リグーリですか? あちらは特に問題はありませんし、農作物も順調だと報告はありましたが?」
ケイシーちゃんが両手でしっかりとハチミツの瓶を抱えたまま、パチパチと不思議そうに瞬きをする。俺はふうっと息を吐き、リグーリに行く理由を話すのだった。
「西のサレルノ、東のヴァゼーレ、北は王都。俺が動き出して足を踏み入れていないのはリグーリだけ。そんなの同じ領民なのに面白くないだろう? 領民感情もそうだけど、そろそろ役所と巡回騎士たちの詰所が完成する頃だし、ちょっと試してみたいこともあるんだよ」
今まで手付かずだったリグーリの地。でも、ここの農作物は相変わらずオールポート伯爵家の生命線だ。いざというときに備えておかないとね!
「セシル様。ハチミツと刺繍入りのハンカチを持って帰るか?」
ひらひらとラスキン博士の右手に握られた白いハンカチにはかわいい花々が刺繍されていた。しかも、ラスキン博士が魔獣専門と聞いて頼んでいた養蜂も成功していたらしい。ここの蜂は普通のミツバチではない。カイコと同じ魔虫である蜂なので、バカデカイ。そんなデカイ蜂が吸える蜜なんてあるのか? どんなデカイ花なんだよ。ラフレシア級のデカさなのか? と不思議に思っていたが、奴らは体はデカいが吸う花は普通サイズでOKだった。……ちょうど、花が咲く植物もあるし、サレルノの中で魔虫がブンブン飛んでもいいかぁと俺は呑気に考えていた。
もちろん、ダメだった。めちゃ怒られた、俺とラスキン博士。やっぱりね、小さい子がいるからさ、デカイ蜂が飛んでいたら怖いでしょ? だから、カイコがいた茂みの奥に果樹をいくつか植えて、その周りに花を生けて蜂たちのお食事処にしました。果樹はねぇ、蜂が受粉作業を担ってくれるし、蜂蜜とフルーツが採れたらクレモナ商店街のあちこちに売りつけて現金収入にもなるし、結果オーライでした。
いまはラスキン博士の手を離れて、養蜂グループが頑張って蜂と果樹と花の世話をしてくれている。俺が考案したとされる作業着も大好評だ。うむ、前世からのパクリの作業着である。
「ところでラスキン博士。エディはどうした? てっきりサレルノで親子水入らずで過ごしていると思ったのに」
窓越しに会話するのも面倒なので、俺は薬師の婆さんに別れを告げ、サレルノの綿花畑の中ラスキン博士と並んで歩くことにした。
「あいつはヴァゼーレに行きました。あっちで魔獣研究所の立ち上げでヒーヒー言っているでしょう。ヒヒヒ」
「……いいのか? 知らない場所でいきなり魔獣研究所の所長で? ラスキン博士が一緒に行って面倒みてやればいいのに」
ずっと、ヴァゼーレに行きっ放しはサレルノのカイコたちの育成に問題があったときに困るので許可できないけど、研究所が回り出すまでの間ならいいんだぞ? 俺がコテンと首を傾げてラスキン博士を見つめると、博士は大きく笑って肩を竦めてみせた。
「いいんですよ。うるさい老いぼれは口を出さなくて。あいつはあいつなりの研究所を運営していけばいい。一応、それなりに知識のある奴らが研究所には集まっているみたいですしな」
「そいつらもクセが強いのでは? むしろ、そいつらとの関係がこじれたりしないか?」
短い間しか顔を合せなかったが、エディはラスキン博士の養い子らしくクセ強で人の話を聞いちゃいない系の学者ムーブ野郎だった気がする。しまった……そこまでアレだという認識があったなら常識人の助手でも派遣しておけばよかった……例えばクラークのような社畜精神に溢れていたり、ディーンのように貧乏くじを引いちゃう奴とか。……いたな、ヴァゼーレに貧乏くじを自ら引きに行く奴が。俺は鉱山案内をしてくれた一人の男の顔を思い浮かべた。
よし! ヴァゼーレの魔獣研究所は任せたぞ! 心の中でエールを送り、ガタゴトと馬車に揺られ屋敷へと帰る俺だった。
翌日。
今度は領都クレモナの視察へ出発。のんびりしていたら春の社交シーズンで王都へ行かなきゃいけないから、白豚は今のうちに働くんです。……もう白豚ネタをぶち込めなくなってきたなぁ……ただのデブだもんなぁ……でも激しいダイエットしてサイズを変えると衣装を縫ったライオネルが激怒するからなぁ。くだらない悩みでしょんぼりしていたらクレモナ商店街に着きました。まだ王都へ行く貴族たちも通らないので、地元民でそこそこ賑わっています。しかも、ラグジュアリーホテル目当てで王都からの来訪者も増え、俺としてはウハウハだ。
「セシル様。お待ちしておりましたわ」
領都クレモナ商店街責任者、クラークの秘書ケイシーちゃん。この子、トビーの店とヘクターの店はもちろん、商店街のスイーツ系の店の商品を試食として食べまくっていると聞いているが、体形が変わってない。スレンダーなまま。すごいな? さては、隠れてめちゃくちゃ運動してるな?
「あ、これ。サレルノで採れたハチミツのサンプル。採れる量が限られているから、販売はしない。領都クレモナで消費しようと考えている」
そう、サレルノのハチミツのパンケーキとか食べたかったらクレモナにお越しなさい、オーホホホホッ作戦である。ヘクターに頼んでハチミツを練りこんだパンとかもいいし、リタがハチミツを活かしたドリンクを作れば、お店でお茶会を開くお嬢さんたちで大盛況だ。ふふふ、商機が見えた! 当然ケイシーちゃんも食いつく。商売の意味でも、自身の食いしん坊レーダーにも。
「悪いけど、ハチミツに関してはケイシーちゃんに一任するよ。俺は春の社交シーズンが終わったら、南の領地リグーリの視察に行きたいんだ」
「リグーリですか? あちらは特に問題はありませんし、農作物も順調だと報告はありましたが?」
ケイシーちゃんが両手でしっかりとハチミツの瓶を抱えたまま、パチパチと不思議そうに瞬きをする。俺はふうっと息を吐き、リグーリに行く理由を話すのだった。
「西のサレルノ、東のヴァゼーレ、北は王都。俺が動き出して足を踏み入れていないのはリグーリだけ。そんなの同じ領民なのに面白くないだろう? 領民感情もそうだけど、そろそろ役所と巡回騎士たちの詰所が完成する頃だし、ちょっと試してみたいこともあるんだよ」
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