【完結】王都のカジノから

みけの

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【カジノの貴賓室】・4

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 一部始終を知った国王殿下は、杖でジョーを叩きました。

カッとしたわたしに、ジョーは目配せで訴えます。

“黙っていて”

 わたしは……“恐怖で足が竦んで動けない”風を装い、痛みに呻くジョーを見ていました。あの時ほど無力な自分を嫌悪した事はありません。
 一度では気が済まないようで、陛下は殿下を杖で何度も叩きました。

……なんてひどい、親のする事ではありません。世の中には体裁というモノがあり、ある程度は殉じなくてはなりませんがこれは酷過ぎると感じました。


 でもわたしは見ていなくてはいけません。
どれほど恐怖に全身を支配されようとです。それがわたしに課せられた役割だから。
これが終われば自由になれると信じて。

 国王陛下の、ジョーへの罵倒は長く続きました。
“貴様の愚行のせいで、王家は公爵家の信用を失うのだ! ああ憎らしい!! 下賤の種でも役に立つと思い、公爵令嬢の婚約者にしてやったのにこの様か!!”

他にも色々言われてました。
それ、今必要なの? とか関係ないじゃない? な内容もありました。

 あの時の国王に、わたしは震えるしかないバカのふりをしながら内心では大暴れして毒づいていました。そうしなければ精神が持ちませんでした。それほど怒りは強かったのです。

……ふざけんじゃねぇよジジイ……!!

 ジョーが今日まで、どんだけ苦しんでいたのか知らないから言えるんだ。
いや、知りつつも放置していたんだよね、って。

 だってリシェンヌ嬢は、殿下があの時並べたようなイジメはしていません。正真正銘のでっち上げです。……アレは。

 ……でもそれ以外は、しましたよね? 健忘症でもない限り、覚えていると思いますが……まず、この右腕。小さいけど火傷の跡があるの、見えますか?
 貴方の取り巻きのアカサ子爵令息がタバコの火を押し付けた跡ですよ。貴方にやにやしながら見てたんですけどお忘れですか? 健忘症確定ですね!

 それからタナ男爵令息に拘束されてる間にのろのろするな! って足と背中を蹴りつけられたのが3回。次にハマヤラ子爵令息に頭が高い! って床に踏みつけられたのが通算5回。ずっとじんじん痛んで、しばらくお風呂に入るのがきつかったわ。それ全部、貴方の前でされた事よ? それ以外にもたくさんあるけど。確かに見ていただけですもの、やってはいないわ。

 貴方が怖い人たちだって、貴方のしている事なんか見てたなんていう訳が無いわ。でもそれだけ。

 “わたしを虐げていない”なんてよく言えたものだわ。

でも少なくともジジイ、いえ国王陛下には最後だけ感謝したわ。
だってわたし達が望む言葉をくれたのだから。

“ジョーン! お前は廃嫡とし王族から籍を抜く! そして辺境への追放を命ずる! そこの小娘共々消えるがいい!!”
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