悪役令息な俺でもいいんですか?~歌声で人々を癒やします。でも元婚約者(第3王女)はお断りです~

みけの

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こういうことになりまして2

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 支配人言う所の“アテ”とは、彼のお孫さんだった。音楽学校を中退したらしい。
今はバイトしながら独自の音楽修行の最中だそうだ。たまに大通りでお仲間と演奏を披露しているらしい。
「これも奴らには良い経験になると思う。まぁ1度だけ、会ってみてもらえないか?」
 こうまで言われると、断りにくい。と、そこでこの話はお開きにして、後日逢いに行こうという事になった。
 そして彼らに会い、歌を聴いてもらったら今度は彼らに頭を下げられた。
「レオンさんの胸を借りさせてください!」
「人の歌聴いて、こんなんなったの、初めてです! 心があったかいっていうか、嫌な事を忘れられる、って言うか……」
「伴奏頑張りますから、お願いします!」
 ……困ったな。どんどん断れる雰囲気ではなくなってくる。
 まぁ週一だしな。それにマルゴット劇場の妨害もなくなったんだ。これから劇場も普通に営業出来るようになるだろう。その間の中継ぎだと思えば、しばらくの間だ。
 それに俺は、支配人達の力になりたい。こんな正体不明の男を親切に置いて下さっているんだ。と腹を括ると、俺も皆さんに頭を下げた。
「……では、俺もご期待に添えるように頑張りますのでよろしくお願いします」
「おお、やってくれるか」
「頑張りましょーね、レオンくん!」
支配人とミーシャさんも、横で力強く頷いて下さった。


 そんなこんなでみなさんのご協力のもと、本日の運びになりました。
「みなさん! 今日はありがとうございました」
客席に向かって頭を下げると、答えるように拍手が湧き起こった。
「良かったわよ!」
「頑張って!」
その声援が力をくれる。手を振って下さる方もいて、俺も微笑んで手を振り返す。
案外舞台からは、お客様の顔が良く分かる。中央の席にいるのはミーシャさんのお友達ご夫婦とお子さんだ。左奥の席には後知らない顔が数人は……伴奏して下さった方々のお仲間だろう。お互いに手を振り合っているから分かる。――あ。
「!!」
「どうした、レオン?」
不意に固まってしまった俺に、伴奏の人が声をかけた。
 驚いたのは……知った顔をみたせいだ。
客席は今、照明がついていないから互いの顔は判別しにくい。が、明るくなればきっと、その場にいる全員の注目を浴びるだろう、美貌の持ち主。
学園で“氷の麗人”、“水の女神の愛し子”と二つ名を付けられ、廊下ですれ違っただけでその日は運が良い、と思われる存在だった。
 
 「ジュエル・サイラス…………?」
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