【完結】空飛ぶハンカチ!!-転生したらモモンガだった。赤い中折れ帽を被り、飛膜を広げ異世界を滑空する!-

ジェルミ

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第1章 始まりの物語

第8話 後処理

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 アンジェラは受付のカウンターに、ブラッディベアの素材を置いた。

 ゴトッ!!

「これがブラッディベアの牙、爪、魔石ね。ちょっと待っていて鑑定してくるから」
 そう言うとジェニーは、一抱えもある素材を胸に奥の部屋に入って行く。

 暫く待っていると奥から声が聞こえてきた。
「間違いない…この牙や…爪は…」
「…これをどこで…」
「……早く対応しないと」

「なに~?!倒しただと!!」

 大きな声を上げ奥の部屋から、筋肉質の髭を生やした男が出来て来た。
「これを持って来たのはおまえさんか?!」
 その男はカウンター越しにアンジェラを問い詰める。

「はい、私です」
「間違いない。ブラッディベアの素材だ。しかも大型級だ。それを倒したとは…」

 奥からジェニーも戻って来た。
「ギルドマスターに話しを今してくるわ。ここで待っていて」

 ジェニーには二階に上がり、俺達は飲食用のテーブルで座って待っている。
 ここはどうやら夜は酒場になっているようだ。



 待っている間、周りからヒソヒソ囁く声が聞こえる。
 しかしブラッディベアのことばかりで、誰もモモンガの俺のことは気にならないらしい。
 赤で統一された中折れ帽とマント。
 帽子の横には白い羽を付け、黒いブーツを履いている。
 腰にはレイピアを下げている。
 そんなモモンガが居る訳ないのに…。



「お待たせ致しました。さあ、どうぞ二階へ」
 ジェニーが二階から降りてきて、アンジェラに声を掛けた。

 トンッ!!、トンッ!!

「はいれ」
 ジェニーがドアを叩くと奥から声がした。
 俺はアンジェラの肩に乗ったまま、一緒に部屋の中に入っていく。

 中に入ると日頃から体を鍛えていることがわかる50歳位の男が居た。

 チッチッ!!

 俺はイキナリ軽い痛みを感じた。

「ほう、これは珍しいものを連れているな」
 俺を見るなりそういった。
 それが普通の反応だと思います。

「まあ、掛けてくれたまえ」
 そう言われ俺達は向かいの席に着く。
 ジェニーはその男の後ろに立っている。

「私がここのギルドマスター、ガイアだ」
「アンジェラです」
「ジェニーから話は聞いた。まずブラッディベアが森に出没、冒険者三人が自分の命をかえりみず立ち向かい、討ち倒したと聞いているが相違ないかね?」
「は、はい。間違いありません」
「確か君達のパーティは、Dランクにやっと届くレベルだったと聞いているが」
 アンジェラの目をガイアはジッと見つめている。

「それが本当なら君達は英雄だ」
 そうガイアは言った。

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