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第2章 草原の牙

第20話 出会い

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 それは信じられ無い光景だった。
 大きな鳥の魔物がいきなり空から落ちて来たからだ。

 遠目では小さな鳥のようなものと戦い、次から次へと魔物は落ちて来る。
 そんなことがあるだろうか?

 キリルの魔法でも倒せるかどうかわからないのに。
 それも三体だ。
 どう見ても倒されたとしか考えられない。

 俺達は確かめるためにキリルに【駿足しゅんそく】の魔法を掛けてもらい、近くに落ちて来た一体に近付いて行く。

「おい、これはどういうことだ?」
 タンクのラルフが驚きの声をあげる。
 そこには体を変形させ、横たわる鳥の魔物が居た。
「まるで体中の骨を砕かれているようだ」
 俺はそう呟く。
「そうね、これは凄いわ。こんなの初めて」
 そしてキリルが鑑定を使う。
「この魔物はロックちょう、レベル38くらいね」
「38か、俺達が各自50くらいだから大したことは無いが、空の魔物相手に戦うのは難しかったな。誰かが倒してくれてよかったよ」
 ラルフが安堵したようにつぶやく。

「ではまず、こいつを収納していこうか」
 俺達は三人それぞれマジック・バッグを持っている。

「それ!!」

 スッ!!

「ふぅ、なんとか一人一体なら持ち帰れそうだな。よし次に行こう」


★レオ視点
 キィ~~ン!!
 俺は風を受け空に舞い上がる。
 そういえば魔物の死体はどうなるんだろう?
 俺にとっては不要なものだけど。

 魔物の餌?
 それとも冒険者の誰かが見つけ、『ラッキー』と言いながら素材を剥ぎとるのか?
 え?『ラッキー』とはなんだって?

☆説明しよう!!
『ラッキー』とは、運が良いと思う時に使う言葉だ。
 しかし今では使う人は殆どいない…。
 50~60代の世代の人が使った言葉。
『死語の世界へようこそ』、ワハハハハ!!


 あれ?
 突然、魔物の死体が消えた?どうしてだ。
 近くに行ってみると冒険者らしき男女が居た。
 収納魔法?
 羨ましいな。

 そして物凄い速さで彼等は、二体目の魔物のところに移動していく。
 魔法か?
 高速移動かな?
 このスキルもいいな。

 そんなことを考えながら俺は冒険者について行く。
 冒険者は三体の魔物を収納すると何やら話し合っている。

 そしていきなり剣士二人が剣を抜いた!!
 なにするねん!!

「動かないで2人共、落ち着いて」
 魔術師の女性がそう2人に言う。
 そうだぞ、短気は良くないぞ。

「さあ、なにもしないから、怖がらないで」
 そうだぞ、怖がるなよ!!
 というか、誰に言っているの?

 気がつくと俺はローブを着た魔術師の肩に立っていた。

 俺でした…、チチチ、カチカチ。

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