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第10部 これからの目標
第86話 依頼
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俺達はギルマスとの話が終わったので、部屋を出るところだ。
「下に降りて依頼書でも見ようか」
「そうね、オマリ君。見て帰ろうかしら」
「ちょっと待って、あなた達」
ギルマスのイノーラさんに引き留められた。
「なんでしょうか?」
「あなた達に、ぴったりの依頼があるわ。悪いけど部屋に戻ってちょうだい」
そう言われ、再びソファに座る。
「どんな依頼でしょうか?」
「最近、街道にドラゴンが現れて、人を襲うのを聞いたことがあるかしら?」
「えぇ、知っています。見ましたから」
「見た?ドラゴンを見たと言うの?」
「えぇ、丁度ここに来る途中でファイネン公爵様の侍女の方が乗った馬車が、攫われたのを見ました」
「そんなことがあったの。で、どう思ったのかしら?」
「どうと言ってもね、みんな」
俺はそう言ってオルガさん達の顔を見る。
「そうね、大きいな、とか」
「あっと言う間だったからね~」
それぞれに感想を言う。
「ファイネン公爵様が言うには空を飛ぶ魔物の為、手が出せないと言ってました」
「そうなのよ。このままではこの街は、商人も寄り付かない街になってしまうわ」
「どうなるのでしょうか?」
「物流が滞り入ってこないだけではなく、売ることも出来ない。このままではウォルド領は他の州から孤立して、いずれ食糧難になってしまうのよ」
「そんな状況だったのですか」
「だからドラゴンの情報が欲しいの。どこに住んでいるのか、どんな状況なのか、何でも良いのよ、調べてほしいの。あなた達ならできるでしょう」
なぜ、そんなことを言う。
俺達全員がAgilityUPが出来るのを知っているのか?
「調べてきてくれるだけで良いのよ。なんなら倒しても良いわよ」
「そ、そんなこと出来るわけないでしょう?俺達はたった今、Cランクになったばかりの冒険者ですよ」
「え~、あなた達なら、簡単にできそうなのに」
だってハイレベルの魔族でしょう。
「様子を見てくるだけなら、出来るかもしれません」
「それでいいわ。お願いね」
「報酬によりますけど」
我が家の大蔵大臣、オルガさんが確認をする。
「そうね。最低でもドラゴンの住処を、突き止めることが前提で20万ね」
「安いわ。命の危険があるかもしれないのに」
「では、いくらなら?」
「そうですね、50万とか」
「そ、それは高いわ。30万でどうかしら?」
「いや~、こちらも素材を売って、これからお金が入るから無理に受けたくないわ」
「え~、そこをなんとか」
ギルマスとオルガさんは交渉の末、ドラゴンの住処発見で40万もらえることになった。
でも倒したら、幾らくらいになるんだろう?
「もしドラゴンを倒したら、報酬はどうなりますか?」
こ、こいつ!
やはり倒せるのか。
「そ、そうね。もし倒せたら国の英雄よ。ドラゴンバスターだもの。褒美は思うまま。新しい州を1つ増やして、公爵辺りになれるかもしれないわよ」
俺は苦笑いをしていた。
新しい州をもらっても内政など面倒なだけだ。
そんなものをもらっても嬉しい訳がない。
だ、駄目だわ。
全然、嬉しそうじゃない。
州を1つくらいもらっても嬉しくない、と言う事ね。
狙いはこの国全体??
それは余りにも規模が大きすぎるわ。
でも3人でなにができると言うの。
やはり彼らは偵察で、本体が後から攻めてくるとか。
ど、どうしたらいいの。
彼らを見極めないといけないわ。
「1つだけ質問があります」
「なんなの?」
「見つからないと、罰則はありますか」
「いいえ。特に今回は設けないわ。駄目でも仕方がない依頼だから」
それなら受けよう。
見つからなければ今までの様に、森の果物や魔物を狩れば良い。
「分かりました。その依頼、受けます」
「受けてくれるの。助かるわ」
あなた達の様なAランクの魔族に受けてもらえるなんて。
あなた達が無理なら。もう誰にも出来そうもないわ。
俺達は下の階に降り受付に向かった。
ギルドカードの更新だ。
俺達担当のマリサさんのところに並ぶ。
「ギルドカードの更新に来ました」
「ギルマスから伺っております。4人共カードを出して下さい」
俺達は言われた通り、4人分のギルドカードをマリサさんに渡した。
しかし大変だな。
ファンタジーと違い、現実のカード更新は手作業だ。
水晶に手を翳すなんてない。
マリサさんは今、俺達のカードを新しいカードに書き換えている。
字が汚い人には受付はできないな、と俺は心の中で思いそれを見ていた。
「下に降りて依頼書でも見ようか」
「そうね、オマリ君。見て帰ろうかしら」
「ちょっと待って、あなた達」
ギルマスのイノーラさんに引き留められた。
「なんでしょうか?」
「あなた達に、ぴったりの依頼があるわ。悪いけど部屋に戻ってちょうだい」
そう言われ、再びソファに座る。
「どんな依頼でしょうか?」
「最近、街道にドラゴンが現れて、人を襲うのを聞いたことがあるかしら?」
「えぇ、知っています。見ましたから」
「見た?ドラゴンを見たと言うの?」
「えぇ、丁度ここに来る途中でファイネン公爵様の侍女の方が乗った馬車が、攫われたのを見ました」
「そんなことがあったの。で、どう思ったのかしら?」
「どうと言ってもね、みんな」
俺はそう言ってオルガさん達の顔を見る。
「そうね、大きいな、とか」
「あっと言う間だったからね~」
それぞれに感想を言う。
「ファイネン公爵様が言うには空を飛ぶ魔物の為、手が出せないと言ってました」
「そうなのよ。このままではこの街は、商人も寄り付かない街になってしまうわ」
「どうなるのでしょうか?」
「物流が滞り入ってこないだけではなく、売ることも出来ない。このままではウォルド領は他の州から孤立して、いずれ食糧難になってしまうのよ」
「そんな状況だったのですか」
「だからドラゴンの情報が欲しいの。どこに住んでいるのか、どんな状況なのか、何でも良いのよ、調べてほしいの。あなた達ならできるでしょう」
なぜ、そんなことを言う。
俺達全員がAgilityUPが出来るのを知っているのか?
「調べてきてくれるだけで良いのよ。なんなら倒しても良いわよ」
「そ、そんなこと出来るわけないでしょう?俺達はたった今、Cランクになったばかりの冒険者ですよ」
「え~、あなた達なら、簡単にできそうなのに」
だってハイレベルの魔族でしょう。
「様子を見てくるだけなら、出来るかもしれません」
「それでいいわ。お願いね」
「報酬によりますけど」
我が家の大蔵大臣、オルガさんが確認をする。
「そうね。最低でもドラゴンの住処を、突き止めることが前提で20万ね」
「安いわ。命の危険があるかもしれないのに」
「では、いくらなら?」
「そうですね、50万とか」
「そ、それは高いわ。30万でどうかしら?」
「いや~、こちらも素材を売って、これからお金が入るから無理に受けたくないわ」
「え~、そこをなんとか」
ギルマスとオルガさんは交渉の末、ドラゴンの住処発見で40万もらえることになった。
でも倒したら、幾らくらいになるんだろう?
「もしドラゴンを倒したら、報酬はどうなりますか?」
こ、こいつ!
やはり倒せるのか。
「そ、そうね。もし倒せたら国の英雄よ。ドラゴンバスターだもの。褒美は思うまま。新しい州を1つ増やして、公爵辺りになれるかもしれないわよ」
俺は苦笑いをしていた。
新しい州をもらっても内政など面倒なだけだ。
そんなものをもらっても嬉しい訳がない。
だ、駄目だわ。
全然、嬉しそうじゃない。
州を1つくらいもらっても嬉しくない、と言う事ね。
狙いはこの国全体??
それは余りにも規模が大きすぎるわ。
でも3人でなにができると言うの。
やはり彼らは偵察で、本体が後から攻めてくるとか。
ど、どうしたらいいの。
彼らを見極めないといけないわ。
「1つだけ質問があります」
「なんなの?」
「見つからないと、罰則はありますか」
「いいえ。特に今回は設けないわ。駄目でも仕方がない依頼だから」
それなら受けよう。
見つからなければ今までの様に、森の果物や魔物を狩れば良い。
「分かりました。その依頼、受けます」
「受けてくれるの。助かるわ」
あなた達の様なAランクの魔族に受けてもらえるなんて。
あなた達が無理なら。もう誰にも出来そうもないわ。
俺達は下の階に降り受付に向かった。
ギルドカードの更新だ。
俺達担当のマリサさんのところに並ぶ。
「ギルドカードの更新に来ました」
「ギルマスから伺っております。4人共カードを出して下さい」
俺達は言われた通り、4人分のギルドカードをマリサさんに渡した。
しかし大変だな。
ファンタジーと違い、現実のカード更新は手作業だ。
水晶に手を翳すなんてない。
マリサさんは今、俺達のカードを新しいカードに書き換えている。
字が汚い人には受付はできないな、と俺は心の中で思いそれを見ていた。
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