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呪界団地編 シーズン2

33話

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ジレンマに巣くう魔物によって魔物と化したマヤカの母親は吸収され
呪物になりかけの箱も、若者たちも瀕死ではあるが回収された。

その時に現れたのがジレンマの旧友である八神であった。


「呪物マリークルーズは八神くん、君が彼女に与えたのか?」

「せっかくだから教えてあげよう、彼女の母親は自らの命と引き換えに
娘の懐女の免除を申し出た、旧幕府側の黒真会としては懐女が一人不足するより、
強力な呪物を作り出すことのほうが得だと判断したんだよ、試作品だが彼女の母親は4つも
作ってくれたしね」
不敵な笑みを浮かべながら八神はそういった。

「4つの箱。。。砂防団地の箱のことかい?」

「ジレンマ、正解だよ、さすがだね、ここにあったのは最後の試作品で君たちに邪魔はされたがレシピは
解析されたから問題ない。」

「八神てめぇ、何がそんなにお前を変えた?」

ジレンマは風間を制しするようなしぐさを見せこういった。

「八神くん、君が黒真会や旧幕府側の血筋だったのは変えようがないし、仕方ない、けど君自身はそれで
いいのか?君も同じように、呪物や魔物に苦しめられて来たはずだ」

「どう思おうが勝手だ、しかし、今度邪魔をしたら、その時はジレンマ、お前も死んでもらうからな」

そういってパワーウィンドウはクローズし、現場から車両は立ち去った。


数日後

風間も元の体調にもどり、羽鳥とともにパラドックスを訪れていた。

「そうか、あの子は自らにかかっている呪いの元凶を突き止めに亜空山にいったか」

「今はマリークルーズに助けられているが、これから社会復帰し家族を持つってなったら
いつまでもぬいぐるみを持ち歩けないからね」
ジレンマはコーヒーをすすりそういった。

「一条さんには今回の砂防団地、そして新宿の井戸のある廃ホテル、懐女の存在を報告してます」

「そういえばあの時マヤカちゃんや風間くんを守った砂のようなものは何だったんだい?」

「あのあと、新宿ミカエルという廃ホテルを調査しまし井戸は発見したのですが、魔物などの存在は
確認できませんでした、おそらく、ハルキというマヤカさんのお友達が抱えているか、マヤカさんを守ったあの砂のようなものがその一部かと推測されます。」

「僕は政府依頼で、このパラドックスの地下の井戸も守っているけど、旧幕府側も同じようなものを隠しもっていたということか。。。恐ろしいね。」

「旧幕府と政府、黒真会と白真会は300年以上泥の掛け合い状態ですからね。新聞やニュースにもならない
日本の裏事情です。」
そういって羽鳥は勢いよく立ち上がり、仕事に戻る言ってパラドックスを後にした。

「じゃあ、ジレンマ、琴美俺も行くわ、またな」

「風間さん次はいつくるんですか?」
琴美はそういいながら出口まで風間についていく、そんな平和な姿をジレンマはタバコを加え
眺めているのであった。












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