無敗の魔法剣士と禁忌紋章

りた

文字の大きさ
2 / 4
第1章 編入

第2話Aクラス

しおりを挟む
 俺は実習試験(戦闘試験)を受けた後、筆記試験を受ける事になった。
試験の内容は、魔法学や歴史等である。
 カイトは筆記試験は適当に答えて、終わらせた。
「あぁー、めんどかった。まだ、時間があるらしいから校内探検でもするかぁ」

まさか、またこんな事をするなんてなぁ…

そんな事を思いながら、校内をまわっているとかすかに歌声が聞こえてきた。
 どこから聞こえてくるのかは分からないが、とても綺麗な歌声だった。その声の主が少し気になり声がする方へカイトは辿たどって行った。

暫く歩くと階段が見え、屋上の方から聞こえてきた。
 カイトは、その階段を駆け上がって屋上へ向かい、そこで見たのが、空のように青い髪の少女であった。
「…ミ…ラ…!?」
 歌っている彼女と記憶が重なり、見知らぬ少女に声をかけてしまった。すると、その少女は驚いたかのようにこちらに気付いた。
「貴方は誰!?」
「俺は、カイトだ。さっき、編入してきたんだ」
「そう」
少女は、少し無愛想に返事をした。

青い髪でオッドアイ、まるで、あいつを見てるようだ…

「さっきの歌声は君のだったんたな」
「…」
少女は、無言で去って行った。

なんか変な奴だな…

「さて、もう時間になるなぁ。そろそろ行くか」

カイトは自分がどこの教室か確認をしようと教員室に来た。教員室では、ニーナの補佐のメリサが待っていて説明をしてくれた。
「貴方が配属になるクラスはAクラスです。Aクラスですが、問題児が多い為、問題児クラスとも言われています。なので、十分お気をつけ下さい」

何故か忠告をされた!?一体どんなクラスなんだ?先が思いやられる…

「Aクラス担当の教師ですが、サザナ先生にお願いしたいと思います」

サザナ=カムライ、元魔法帝国軍人であって戦場では氷で全ての敵を氷漬けにしてしまうことから“氷結の魔女”と呼ばれていた。まさか、こいつが俺のもとい、Aクラスの担任になるとはなぁ。一度一方的に見かけた程度だから、むこうは気づいていないだろうがな。

「はいはい、分かりましたよぉ」
サザナは気だるそうに返事をした。

「それでは、お願いしますよ」
メリサがそう言い残し、どこかへ行ってしまった。

「それじゃぁ、行くか」
カイトは、サザナについて行き、Aクラスの教室に入った。
「おい、お前ら席につけ。今日は知っている奴もいるだろうが、このクラスに編入生が来ている。仲良くしろよ」

そう言った後に、サザナがカイトにむけて自己紹介をしろという視線を送って来た。

はいはい、やりますよ

 そう言えば……

──理事長室

「家名は伏せた方がいいのか?アロンダリア一族は、俺以外残っていないが、色々と問題あるんじゃないか?」
「そこは、問題無いと思うぞ多分…」

多分って……

──現在に戻る

「カイト=アロンダリアだ。ここの事は全く分からないから、気軽に話しかけてくれると有り難い」

 軽い自己紹介をした後、「アロンダリア?知らない家名だな」「それよりも戦闘試験凄かった」「かっこよかったぞ」「結構イケメンじゃない」等の声が飛び交った。

「騒ぐな。お前は後ろの席な」
サザナがそう言い渡し、俺は言い渡された席へと向かい隣の席の生徒に軽く挨拶でもしようとした。
 すると、隣の席にいたのは屋上で見かけた青髪オッドアイの少女だった。

「カイトの指導係は、そうだな…」
サザナは、少し悩みひらめいたかのようにこう言った。
「よし、ナギ。お前なナギ=イルステリア」
ナギって誰だ?

「はい、分かりました」
声がする方をみるとそれは、隣の席の青髪オッドアイの娘だった。

「まぁ、隣だしよろしくな」
こうサザナが言うとナギがため息をつき、了承した。

「よろしく、ナギさん」
「…」
また、黙られてしまった…
これ本当に大丈夫なのか?


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

『伯爵令嬢 爆死する』

三木谷夜宵
ファンタジー
王立学園の中庭で、ひとりの伯爵令嬢が死んだ。彼女は婚約者である侯爵令息から婚約解消を求められた。しかし、令嬢はそれに反発した。そんな彼女を、令息は魔術で爆死させてしまったのである。 その後、大陸一のゴシップ誌が伯爵令嬢が日頃から受けていた仕打ちを暴露するのであった。 カクヨムでも公開しています。

あなたがそう望んだから

まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」 思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。 確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。 喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。 ○○○○○○○○○○ 誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。 閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*) 何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜

AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。 そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。 さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。 しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。 それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。 だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。 そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。 ※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。

魅了が解けた貴男から私へ

砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。 彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。 そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。 しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。 男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。 元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。 しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。 三話完結です。

いまさら謝罪など

あかね
ファンタジー
殿下。謝罪したところでもう遅いのです。

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...