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岸本飛羽には、ツガイがいる。
僕こと飛羽には、一つ年上の先輩がいて、その人の名前は晴海先輩って言うんだけど、僕たちはかれこれ二年も付き合っているんだ。
晴海先輩は、背が高くて、バスケ部のエースでもちろんアルファ。と~~ってももてるけど、自他共に認める美少年オメガの僕と出会ってからは、先輩は僕にメロメロだったから、他の誰も先輩に手が出せなくなったってわけ。
晴海先輩から高校に入ってすぐ告白されて付き合って、僕達は、出会った瞬間にお互いを運命だと感じて、将来を誓い合って、一ヶ月で、エッチして、三ヶ月後にツガイになった。そこから、先輩が卒業して大学生になるまで、ずーーっと、ラブラブ。誰もが羨む、学園生活を送ってきた。
はずだった。
「は? 先輩、誰ですかその人」
夏休みのある日、一人暮らしを始めた先輩を驚かそうと思ってアポなしで、訪ねた朝。先輩は、知らない人とベットで寝ていた。
「飛羽、落ち着いて聞いてくれ、この人は、その、大学で出会った人で……俺の運命のツガイなんだ」
先輩は、ガタガタ震える知らない人を抱き締めながら、僕に対して意味の解らないことをほざいた。
「なにそれ、運命のツガイは僕だよね?先輩、何度も僕に運命だって言ったよね」
「ごめん飛羽、本当に申し訳ないと思って……何してるの?」
僕は、コンロに火をつけて、フライパンを焼いた。知ってる? オメガのツガイ痕って、焼くと消えるんだ。痕が消えるとツガイ解消できちゃうから、フライパンは超お勧めアイテム。
「先輩のツガイは僕だけで良いから、焼こうと思って」
「な……に、を?」
「その知らない人の首の噛み痕を」
「ヒイッ!!」
二人は青ざめて震え出した。さて、そろそろフライパンは熱々に熱せられた、これで焼いたらさぞ熱かろう。僕はフライパンを持って二人にゆっくりと近づいた。
「さ、知らない人、首をこちらに」
「や、やめてください」
「やめるんだ、飛羽、そんなことしても、俺はこの人と生きていくからな」
「はぁ!? さっきから何言ってるの? 先輩、バカになっちゃったの? まさか、こんなしょうもないオメガと、僕を比べてる? あはは、笑える、こんな底辺オメガヤロウと、この僕を? あはは、まじで、うけるわ、あはは」
僕は、笑いながら、怖がり震える二人にさらに近づくと、目の前で、見せつけるように、ジュゥッと、自らの首の噛み痕を焼いた。肉が焦げる臭いが部屋に充満する。
さぞ痛いとおもうでしょ? でもね、余りの怒りで痛さも熱さも感じないの。
ただ、笑いが込み上げてくる。
「あはは、ぷっ、あはははっ」
「ぎゃぁ、怖い」
狼狽える二人の間近で、ほらほらと、焼き痕を見せてやる、泣き出した知らない人、なんて不細工な泣き顔だろうと思う。美少年の僕とは大違い。晴海先輩ってば、真っ青で固まってる。僕の綺麗な肌に、焼け跡なんかついたら、さぞかし罪悪感刺激されるよね。
罪悪感? は、バカにしてるのか。
「はーーーバカバカしぃ」
僕は、立ち上がると、フライパンを大きく振りかぶった。これで先輩の頭ぶったたいたら、さぞかし気持ちいいだろうなぁ。ニヤッとわらったら、なんと、晴海先輩は、失禁したのだ。古びた灰色のスエットに、じわじわと広がっていく黒い染み、そんな格好で隣で泣いてるだけの役に立たないオメガをかばってる。
「うわーーダサッ、失禁とか、ダサ過ぎ、あははは」
晴海の情けない姿を見て、すうっと僕の中の何かが冷めていった。
ガシャーンと大きな音をわざと立てて、フライパンをコンロに叩き付け、この世で一番冷たく、見下した声を出した。
「さよなら」
僕こと飛羽には、一つ年上の先輩がいて、その人の名前は晴海先輩って言うんだけど、僕たちはかれこれ二年も付き合っているんだ。
晴海先輩は、背が高くて、バスケ部のエースでもちろんアルファ。と~~ってももてるけど、自他共に認める美少年オメガの僕と出会ってからは、先輩は僕にメロメロだったから、他の誰も先輩に手が出せなくなったってわけ。
晴海先輩から高校に入ってすぐ告白されて付き合って、僕達は、出会った瞬間にお互いを運命だと感じて、将来を誓い合って、一ヶ月で、エッチして、三ヶ月後にツガイになった。そこから、先輩が卒業して大学生になるまで、ずーーっと、ラブラブ。誰もが羨む、学園生活を送ってきた。
はずだった。
「は? 先輩、誰ですかその人」
夏休みのある日、一人暮らしを始めた先輩を驚かそうと思ってアポなしで、訪ねた朝。先輩は、知らない人とベットで寝ていた。
「飛羽、落ち着いて聞いてくれ、この人は、その、大学で出会った人で……俺の運命のツガイなんだ」
先輩は、ガタガタ震える知らない人を抱き締めながら、僕に対して意味の解らないことをほざいた。
「なにそれ、運命のツガイは僕だよね?先輩、何度も僕に運命だって言ったよね」
「ごめん飛羽、本当に申し訳ないと思って……何してるの?」
僕は、コンロに火をつけて、フライパンを焼いた。知ってる? オメガのツガイ痕って、焼くと消えるんだ。痕が消えるとツガイ解消できちゃうから、フライパンは超お勧めアイテム。
「先輩のツガイは僕だけで良いから、焼こうと思って」
「な……に、を?」
「その知らない人の首の噛み痕を」
「ヒイッ!!」
二人は青ざめて震え出した。さて、そろそろフライパンは熱々に熱せられた、これで焼いたらさぞ熱かろう。僕はフライパンを持って二人にゆっくりと近づいた。
「さ、知らない人、首をこちらに」
「や、やめてください」
「やめるんだ、飛羽、そんなことしても、俺はこの人と生きていくからな」
「はぁ!? さっきから何言ってるの? 先輩、バカになっちゃったの? まさか、こんなしょうもないオメガと、僕を比べてる? あはは、笑える、こんな底辺オメガヤロウと、この僕を? あはは、まじで、うけるわ、あはは」
僕は、笑いながら、怖がり震える二人にさらに近づくと、目の前で、見せつけるように、ジュゥッと、自らの首の噛み痕を焼いた。肉が焦げる臭いが部屋に充満する。
さぞ痛いとおもうでしょ? でもね、余りの怒りで痛さも熱さも感じないの。
ただ、笑いが込み上げてくる。
「あはは、ぷっ、あはははっ」
「ぎゃぁ、怖い」
狼狽える二人の間近で、ほらほらと、焼き痕を見せてやる、泣き出した知らない人、なんて不細工な泣き顔だろうと思う。美少年の僕とは大違い。晴海先輩ってば、真っ青で固まってる。僕の綺麗な肌に、焼け跡なんかついたら、さぞかし罪悪感刺激されるよね。
罪悪感? は、バカにしてるのか。
「はーーーバカバカしぃ」
僕は、立ち上がると、フライパンを大きく振りかぶった。これで先輩の頭ぶったたいたら、さぞかし気持ちいいだろうなぁ。ニヤッとわらったら、なんと、晴海先輩は、失禁したのだ。古びた灰色のスエットに、じわじわと広がっていく黒い染み、そんな格好で隣で泣いてるだけの役に立たないオメガをかばってる。
「うわーーダサッ、失禁とか、ダサ過ぎ、あははは」
晴海の情けない姿を見て、すうっと僕の中の何かが冷めていった。
ガシャーンと大きな音をわざと立てて、フライパンをコンロに叩き付け、この世で一番冷たく、見下した声を出した。
「さよなら」
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