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こんな近距離じゃ、会話が聞こえ……ちゃう? あれ? 何を話してる? 昴は、ヤァとかしか言ってないけど、もしかしてだけど、あの、日本語じゃなくない? あ、昴が巻き舌でオーケーって言った! 英語じゃん! ちょ、昴、英会話全部解ってるの? 間違い電話ってことないの? 国際詐偽かも、もしかしたらこんな金持ちのご子息なら狙われてしまうんじゃ……。
腕を捕えられたまま、はわはわしてる僕をチラッとみて、また昴はオーケーって言った。
あの、僕、外国へ売られたりしないよね? 近年オメガの誘拐事件が多発してて、たった今永遠の約束をした恋人を懐疑的な目でみてすまん。
昴はスマホの通話ボタンをポンと終了させると、僕をみた。
「今から来るって」
「ナニガ……くるの?」
若干怯えモードの僕の顔をしげしげと見つめ、昴はまたこてりと小首を傾げた。だから、それ癖か、可愛いんだけど!?
「カテリーナ·フレンスキー」
「か、カテリーナふれんすきぃー?」
「僕の主治医であり、君の主治医でもある」
「あーー、僕の火傷の治療をしてくれた人か! って、外国人なの、あの、法外な治療費要求されない? はわわわ、どうしよう」
「要求されないよ、年俸制だから、僕に纏わる医療行為は全て含まれての契約だから飛羽は1円も払わなくて良い」
「わーーーも、お前の住んでる世界が異次元、ちゃんと僕と同じ高校生なんだろな? 宮之内家って、どんななんだよ、王族じゃなきゃ、公家か? 麻呂の事かぇ? とか言っちゃうあれだろ」
「家は、ただの医者家系だよ、まぁ昔は貴族みたいだったけど、今は、ただの地主」
昴があまり興味なさそうに、ぼんやりと答えるのに対して、根っからの庶民の僕は地主イコールアパート駐車場土地収入がっぽりの公式が頭に浮かんだ。
「駐車場いっぱいあるやつだ、アパート土地収入で生きていけるって、まじ憧れ羨ましいーー先祖に感謝だなぁ」
「そうだね」
「あんまり思って無いでしょ、くっそ、自分で稼げる能力のあるやつめぇ」
金は有るところには幾らでもあるんだ、本人が渇望せずとも金の方からやってくる座敷童子体質なんだな昴は。いや、僕は別にそんなにお金にこまってませんけど、それでも桁違いの財力を示されるともはやファンタジーで、興奮しちゃう。昴は、また僕をじーっと見て、お金が欲しいならバイトより芸能へ進んだほうが向いてるんじゃ? なんてそれもファンタジーな。
「飛羽だって、芸能人とかになればすぐ稼げるんじゃないの? こんなに美少年なんだから」
「まぁね、僕ほどの美少年はなかなかいないけど、そんな上手く行かないのが世の中ってもんだ、顔が良いだけのヤツなんか五万といるんだから、そんな甘くない事を解ってる上に何より面倒なことはしたくない」
「あーー飛羽ぽいね」
「だから僕の印象お前の中でどうなって」
印象について語り合おうとした時、ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン、と猛烈な勢いでチャイムがめちゃ連打された。
主治医の先生が到着したらしいが、昴、主治医の先生に、日本の文化教えてやりなよ、チャイムは1回でいいんだよ。ここがもし狭小アパートなら、隣の人にキレられて壁ドンされるやつやぞ。キレ易い人多いから気を付けたほうが。
昴が扉を開けに行ったので、一応挨拶をせねばと僕も玄関へついていく。扉が開くやいなや、金髪碧眼の美女が入ってきて、昴にガバァッと抱きついた。ヒィィ! 欧米だ!
「ハローペラぺラペラペラ」
「ハイ」
「ペラペラ、ペラペラペラペラペラペラ」
「とばね」
「ハロートバネ、ペラペラペラペラカテリーナペラペラペラペラ」
「わー全く聞き取れん! ハローと名前しか!」
何だこの突然異世界へ迷い込んだような現状は。とりあえず、国際詐偽ではなさそうで、安心したけど。びくびくしてる僕の手を勝手に握ってブンブンしてくれたカテリーナ・フレンスキーさんは、我が物顔で、僕を引っ張ってリビングへと連れていった。空気を読んでソファーに座ると、カテリーナさんは僕の首を繁々とみつめ、昴に何か言ってる。
「ペラペラ、ペラペラペラペラペラペラ」
「あぁ、うん」
「ペラペラペラペラ、ペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラ、ペラペラペラペラペラペラ」
「オーケー」
昴に何がしかの指示を与え、カテリーナさんは持っていたバッグから色々と薬剤を取り出し、もしかしてだけど、このひりひりする首のガーゼを取ろうとしてる? や、やだぁ! 絶対痛い。
「すばるっ、ガーゼとるの?」
「あぁ、消毒するって」
「うわぁぁぁ、こええ、ショック死しそう、昴絶対ここにいて、僕が限界だって言ったら直ちに伝えて、速やかに止めさせて」
「解った、でも、消毒はしないと」
あーーこいつも医者の卵だった消毒に肯定派、医者×医者バザーズ野良猫じゃぁ、勝てねぇ! カテリーナさん目が、なんかすげえ輝いてる、嗜虐趣味とかないよね? 僕はないからね。やさしくしてぇぇ。
「じゃ、剥ぐって」
「ううう、怖い! うぁ、いだだだ」
う? あれ? 思ったより痛くないか? も? 身構えていた身体の力が、少し抜けた。カテリーナさん鼻歌歌いながらよく、そんなグロい傷跡を直視して手際よく消毒してくれるな、肝の座り方がプロ。
昴も横でガン見してるし、なんだこれ、恥ずかしいんだが、あんま見るなよぉ。人にこんなに首を見られるってハズかったっけ? ううう、今、身体で一番敏感な所だからか、急所だからか、それとも失敗した証の恥部だからか、めっちゃゾワゾワする。お前は見るなってば。こちらの羞恥を悟りもせず昴はその視線を消毒が終わるまで、始終反らすことはなかった。マッドサイエンティストの素質あるんじゃ……。
腕を捕えられたまま、はわはわしてる僕をチラッとみて、また昴はオーケーって言った。
あの、僕、外国へ売られたりしないよね? 近年オメガの誘拐事件が多発してて、たった今永遠の約束をした恋人を懐疑的な目でみてすまん。
昴はスマホの通話ボタンをポンと終了させると、僕をみた。
「今から来るって」
「ナニガ……くるの?」
若干怯えモードの僕の顔をしげしげと見つめ、昴はまたこてりと小首を傾げた。だから、それ癖か、可愛いんだけど!?
「カテリーナ·フレンスキー」
「か、カテリーナふれんすきぃー?」
「僕の主治医であり、君の主治医でもある」
「あーー、僕の火傷の治療をしてくれた人か! って、外国人なの、あの、法外な治療費要求されない? はわわわ、どうしよう」
「要求されないよ、年俸制だから、僕に纏わる医療行為は全て含まれての契約だから飛羽は1円も払わなくて良い」
「わーーーも、お前の住んでる世界が異次元、ちゃんと僕と同じ高校生なんだろな? 宮之内家って、どんななんだよ、王族じゃなきゃ、公家か? 麻呂の事かぇ? とか言っちゃうあれだろ」
「家は、ただの医者家系だよ、まぁ昔は貴族みたいだったけど、今は、ただの地主」
昴があまり興味なさそうに、ぼんやりと答えるのに対して、根っからの庶民の僕は地主イコールアパート駐車場土地収入がっぽりの公式が頭に浮かんだ。
「駐車場いっぱいあるやつだ、アパート土地収入で生きていけるって、まじ憧れ羨ましいーー先祖に感謝だなぁ」
「そうだね」
「あんまり思って無いでしょ、くっそ、自分で稼げる能力のあるやつめぇ」
金は有るところには幾らでもあるんだ、本人が渇望せずとも金の方からやってくる座敷童子体質なんだな昴は。いや、僕は別にそんなにお金にこまってませんけど、それでも桁違いの財力を示されるともはやファンタジーで、興奮しちゃう。昴は、また僕をじーっと見て、お金が欲しいならバイトより芸能へ進んだほうが向いてるんじゃ? なんてそれもファンタジーな。
「飛羽だって、芸能人とかになればすぐ稼げるんじゃないの? こんなに美少年なんだから」
「まぁね、僕ほどの美少年はなかなかいないけど、そんな上手く行かないのが世の中ってもんだ、顔が良いだけのヤツなんか五万といるんだから、そんな甘くない事を解ってる上に何より面倒なことはしたくない」
「あーー飛羽ぽいね」
「だから僕の印象お前の中でどうなって」
印象について語り合おうとした時、ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン、と猛烈な勢いでチャイムがめちゃ連打された。
主治医の先生が到着したらしいが、昴、主治医の先生に、日本の文化教えてやりなよ、チャイムは1回でいいんだよ。ここがもし狭小アパートなら、隣の人にキレられて壁ドンされるやつやぞ。キレ易い人多いから気を付けたほうが。
昴が扉を開けに行ったので、一応挨拶をせねばと僕も玄関へついていく。扉が開くやいなや、金髪碧眼の美女が入ってきて、昴にガバァッと抱きついた。ヒィィ! 欧米だ!
「ハローペラぺラペラペラ」
「ハイ」
「ペラペラ、ペラペラペラペラペラペラ」
「とばね」
「ハロートバネ、ペラペラペラペラカテリーナペラペラペラペラ」
「わー全く聞き取れん! ハローと名前しか!」
何だこの突然異世界へ迷い込んだような現状は。とりあえず、国際詐偽ではなさそうで、安心したけど。びくびくしてる僕の手を勝手に握ってブンブンしてくれたカテリーナ・フレンスキーさんは、我が物顔で、僕を引っ張ってリビングへと連れていった。空気を読んでソファーに座ると、カテリーナさんは僕の首を繁々とみつめ、昴に何か言ってる。
「ペラペラ、ペラペラペラペラペラペラ」
「あぁ、うん」
「ペラペラペラペラ、ペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラ、ペラペラペラペラペラペラ」
「オーケー」
昴に何がしかの指示を与え、カテリーナさんは持っていたバッグから色々と薬剤を取り出し、もしかしてだけど、このひりひりする首のガーゼを取ろうとしてる? や、やだぁ! 絶対痛い。
「すばるっ、ガーゼとるの?」
「あぁ、消毒するって」
「うわぁぁぁ、こええ、ショック死しそう、昴絶対ここにいて、僕が限界だって言ったら直ちに伝えて、速やかに止めさせて」
「解った、でも、消毒はしないと」
あーーこいつも医者の卵だった消毒に肯定派、医者×医者バザーズ野良猫じゃぁ、勝てねぇ! カテリーナさん目が、なんかすげえ輝いてる、嗜虐趣味とかないよね? 僕はないからね。やさしくしてぇぇ。
「じゃ、剥ぐって」
「ううう、怖い! うぁ、いだだだ」
う? あれ? 思ったより痛くないか? も? 身構えていた身体の力が、少し抜けた。カテリーナさん鼻歌歌いながらよく、そんなグロい傷跡を直視して手際よく消毒してくれるな、肝の座り方がプロ。
昴も横でガン見してるし、なんだこれ、恥ずかしいんだが、あんま見るなよぉ。人にこんなに首を見られるってハズかったっけ? ううう、今、身体で一番敏感な所だからか、急所だからか、それとも失敗した証の恥部だからか、めっちゃゾワゾワする。お前は見るなってば。こちらの羞恥を悟りもせず昴はその視線を消毒が終わるまで、始終反らすことはなかった。マッドサイエンティストの素質あるんじゃ……。
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