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リュカとリズのもとに、鷹が舞い降りてきた。その優雅な羽を羽ばたかせ、ふわりと、飛来し、リュカの差し出す腕に着地する。リズは、鷹の頭をなぜた。
「ツーちゃん、無事で良かった、よしよし」
リュカは、リズツの足首にある、文入れから、手紙を取り出す。
《陰謀は成功、ドラクロン王国を法治国家へ ゼクス》
「随分簡潔な、もうちょっと礼を言ってよくないか?」
「忙しいんですよ、何もかもをはじめるんだから」
「まぁな、王族なんかになるもんじゃないな」
「リュカさんも、ここでは王子様みたいな身分ですけど?」
「全然違うさ、俺は俺でしかない、民の為に生きない、俺はリズの為にしか生きない」
「ふふっ、確かに、そんな王様嫌ですね、じゃぁ、僕だけの王子様でいてください」
「無論」
「それにしても、まさか、暗躍が渦巻く動乱の中にゼクスさんを放り込むなんて思いませんでした、リュカさんてば、勝算あったにしても、ちょっと酷」
リズが、めって顔をするので、リュカは、わざと可愛らしく、こてりと小首を傾げた。
「んーー仮にも俺のリズに粉かけてきやがった奴に、俺が優しくするとでも?あれくらいで調度さ、そうじゃなきゃ、舵取りなんかできない」
「けっこう、認めてるんですね、ゼクスさんのこと、羨ましい!!僕もリュカさんに認められたい」
「はーーー、これだよ」
「何ですか?」
「だからさぁ」
ひょいっと、リズを、持ち上げて、片腕に抱いて、リュカは、リズの顔をみつめた。
リズは、眼下のリュカを見下ろして、もしかしてと、真っ赤になった。
(き、キス待ち顔ってやつでは!?はわわわ)
「あのね、リュカさん、え~っと、んーーもぅ」
ちゅと、リュカのおでこにキスをすると、リュカは甘えるみたいに、顔をすりよせてきて、鼻と鼻がくっついて、リズは、ふるふると睫を揺らし、そーっと、リュカをみつめた。
至近距離で、リュカの瞳と、リズの瞳がかち合う。優しい瞳が、笑いを含んでる。
リュカのこのからかうみたいな瞳が、実はリズは一等好きだった。
(全くもう、リュカさんは、いつっも僕をからかって)
リズは、さっと、リュカの唇に、己の唇を重ねた。柔らかな感触、直ぐに離れようとしたのに、頭を片手で押さえられた。
「ふぐっんんんっ!!」
ちゅ、ちゅとリュカの唇が、リズを、啄む。逃げられない。観念したリズは、初めて長いキスを受け入れた。呼吸が苦しいような、甘い、胸を締め付けられるような、口付け。脳がくらくらしてきた頃、そっと離れて、すぐまた、ちゅと重なり、終わらない。
「も、だ、めぇ、りゅ、かさんっ」
「ハハッ、キスしちゃった!!」
リズを、抱き抱えたまま、リュカがぐるぐる回りだしたので、リズは、ぎゅうっとリュカに捕まる。
「わ、わぁっ、リュカさん、落ちる」
「落とさない、リズ、リズ、俺の、リズ」
「何なんですか、歌ですかそれ、変なのーーあはは」
無事だった、無事だった、皆、無事だった。リュカに危ないこと何にも無かった、成功した、嬉しくて、嬉しくて、リズは回りながら、瞳から、涙がキラキラと飛び散るのを感じた。
「ツーちゃん、無事で良かった、よしよし」
リュカは、リズツの足首にある、文入れから、手紙を取り出す。
《陰謀は成功、ドラクロン王国を法治国家へ ゼクス》
「随分簡潔な、もうちょっと礼を言ってよくないか?」
「忙しいんですよ、何もかもをはじめるんだから」
「まぁな、王族なんかになるもんじゃないな」
「リュカさんも、ここでは王子様みたいな身分ですけど?」
「全然違うさ、俺は俺でしかない、民の為に生きない、俺はリズの為にしか生きない」
「ふふっ、確かに、そんな王様嫌ですね、じゃぁ、僕だけの王子様でいてください」
「無論」
「それにしても、まさか、暗躍が渦巻く動乱の中にゼクスさんを放り込むなんて思いませんでした、リュカさんてば、勝算あったにしても、ちょっと酷」
リズが、めって顔をするので、リュカは、わざと可愛らしく、こてりと小首を傾げた。
「んーー仮にも俺のリズに粉かけてきやがった奴に、俺が優しくするとでも?あれくらいで調度さ、そうじゃなきゃ、舵取りなんかできない」
「けっこう、認めてるんですね、ゼクスさんのこと、羨ましい!!僕もリュカさんに認められたい」
「はーーー、これだよ」
「何ですか?」
「だからさぁ」
ひょいっと、リズを、持ち上げて、片腕に抱いて、リュカは、リズの顔をみつめた。
リズは、眼下のリュカを見下ろして、もしかしてと、真っ赤になった。
(き、キス待ち顔ってやつでは!?はわわわ)
「あのね、リュカさん、え~っと、んーーもぅ」
ちゅと、リュカのおでこにキスをすると、リュカは甘えるみたいに、顔をすりよせてきて、鼻と鼻がくっついて、リズは、ふるふると睫を揺らし、そーっと、リュカをみつめた。
至近距離で、リュカの瞳と、リズの瞳がかち合う。優しい瞳が、笑いを含んでる。
リュカのこのからかうみたいな瞳が、実はリズは一等好きだった。
(全くもう、リュカさんは、いつっも僕をからかって)
リズは、さっと、リュカの唇に、己の唇を重ねた。柔らかな感触、直ぐに離れようとしたのに、頭を片手で押さえられた。
「ふぐっんんんっ!!」
ちゅ、ちゅとリュカの唇が、リズを、啄む。逃げられない。観念したリズは、初めて長いキスを受け入れた。呼吸が苦しいような、甘い、胸を締め付けられるような、口付け。脳がくらくらしてきた頃、そっと離れて、すぐまた、ちゅと重なり、終わらない。
「も、だ、めぇ、りゅ、かさんっ」
「ハハッ、キスしちゃった!!」
リズを、抱き抱えたまま、リュカがぐるぐる回りだしたので、リズは、ぎゅうっとリュカに捕まる。
「わ、わぁっ、リュカさん、落ちる」
「落とさない、リズ、リズ、俺の、リズ」
「何なんですか、歌ですかそれ、変なのーーあはは」
無事だった、無事だった、皆、無事だった。リュカに危ないこと何にも無かった、成功した、嬉しくて、嬉しくて、リズは回りながら、瞳から、涙がキラキラと飛び散るのを感じた。
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