56 / 66
56
祝宴の席でゼクスは、会場の端の方で食事を取っているリズを見つけた。
いつもベッタリそばにいるリュカは、今は、ネルフィル皇太子の護衛についている。リズと二人っきりで会話する、またとない好機に気付いたゼクスは、リズの方へと足を向けた。もう、これを逃せば、リズとじっくり話すことは無いかもしれない、自分はもう、このドラクロンの国に命を捧げるつもりだからクライスには戻れないのだから。
リズに近づく足取りは、早まり、気が急いたが、一応、離れているとはいえ、リュカの動向を見ておこうと、ちらりと視線をリュカとネルフィル皇太子の方へ。
案の定、リズの近辺をガン見している、リュカと視線がかち合ってしまって、ゲッと、ゼクスは引きつったが、敢えて視線を反らして気付かないふりをした。 どうしてもこの機会は逃せない。そのまま歩いて、リズの近くへ行くと、ぽそぽそと、食事を静かに食べていたリズが、ゼクスに気付き、ぱっと、顔を上げ会釈をしてくれた。
久しぶりにみる、リズは、漆黒の質の良い生地に、金の刺繍が細かに入ったジャケットを羽織り、首もとにフリルの多い真っ白なブラウスを着ていた。とても品よく、似合っている。こんな子が路地を歩いていたらあっという間に、拐われてしまうだろう。育ちの良い、実に可愛らしい姿だった。
ゼクスは、リズのその人形の様な可愛いらしい姿にみとれ、ぼぅとなって、言葉を忘れ、無言で見つめてしまった。この子が欲しいとアルファの本能が騒ぐ。リズの大きな灰色の瞳のなかに、ゼクスがうつりこんで、そのリズの小さなピンク色の唇が動く。
「ドラクロン王、おめでとうございます」
自分だけに向けられた、にっこりと、笑う薔薇のような微笑みに、ゼクスの身体中の血が沸騰した。俺の先生は、なんて可愛らしいんだろう。久しぶりに合って、自制が効かない。1度で良いから、抱き締めてみたい。ふらっと、1歩また近づいた。
「やめて下さいよ、ゼクスで大丈夫です、先生にそんな風に呼ばれる日がくるなんて」
「ゼクスさん、大変な道程でしたね、よくぞ成し遂げられたと思います、立派です」
「先生にそう言ってもらえて、一番嬉しいな、俺、今日は会えないかと思ってたよ、よく、将軍が連れてきてくれたね」
「あは、色々ありまして」
少し気まずそうな、リズの様子に、なんとなく、リュカはやはりここへ来ることを反対したのだろうと、予想がつく。そりゃそうだ、国が成り代わったばかりの、かつては敵国。誰よりも大切な人を連れてきたいわけがない。
ゼクスは、ふと、リズのフェロモンが少しも香らないことに気付いた。それが意味するのはつまりはたった一つの事実で、一瞬目を見開いて、思考が停止し、近付こうとしていた足を止めた。
(先生もしかして将軍と……そっか)
リズがリュカと既にツガイに成ったのだと悟って、ゼクスは自分の指先が急速に冷えていくのを感じた。動揺を隠すように、もっていた酒をグッと飲み干し、目をふせた。
解っていた。最初から自分が割って入る隙なんかこれっぽっちもないことなど。それでも、もしかしたらなんて少しだけ思ってた。夢とも希望とも言えない小さな願望が、誰にも知られることなく消えてしまった。先生はもう自分のツガイにはならない。それは思った以上にきつくて、ゼクスを打ちのめした。目の前に立つ恋しい人はもう違う人を選んだのだ。
ゼクスは、ハァッと吐息を吐くと、気持ちを無理矢理に封じ込め、何でもない様子でリズにはなしかけた。
「ええっと、将軍は、ネルフィル様の護衛をしているの?」
「ええ、そうなんです、筆頭護衛なんですよ」
にっこりと、答えるリズは、恋人が偉い人に認められてて嬉しい気持ちを隠しきれない、相変わらず、ラブラブなんだなぁと、ゼクスは視線をまたリュカの方に投げた。
すると相変わらずリュカと目が合ってしまうのだが、ネルフィルとリュカの近くに、姉姫二人が近付いている事に気付く。二人の姫は、どうやら、今日のターゲットを、皇太子と将軍に定めたようだ。ゼクスとしても、止めに入りたいが、どうにもあの二人の姫が苦手で、どうしたものかと思案していると、視線に気づいたリズが、リュカのそばにいる二人を見てしまった。
リズは一瞬、大きく目を見開いて、さっと顔を背けた。
(リュカさんの隣に、凄く綺麗な人がいる、どうしよう)
リズの心臓は早音のようになり騒ぎ、不安で手が震えている。嫉妬なんてみっともないと思うのに、あんなに昨日誓ったのに、信じないなんてどうかしてると思いながら、リュカの心がもし、あの綺麗な人にいってしまったらと、顔色がどんどん悪くなった。
ゼクスは、リズがしゅんと俯いてしまったので、リュカに何してると視線を送ったが、リュカの方もなにやら凄い剣幕でこっちを睨んでいる。
(何で俺が睨まれなきゃなんねーの)
ムカついたゼクスは、リズの背中をリュカに見えるように、わざとさすった。
「先生、大丈夫?気分悪い?あっちで、座る?」
「いえ、大丈夫です」
健気に、微笑んでみせる、リズに、ゼクスは胸を打たれ、手を伸ばしてもっと支えようとした、だがその手は、ペンッと高速ではね除けられた。
「あだっ」
「リズどうした大丈夫か」
「リュカさん、護衛は?」
「ん、代わってもらった、あっちで座るか?おい、ゼクスリズに何か言ったのか」
ゼクスが非難めいた悲鳴をあげる。
「ひっ、いやいや、言ってない、て、こわっ、なんで俺が怒られるの!?」
リズは、リュカの袖をくいっと引っ張った。
「リュカさん、ゼクスさんは何も、僕が勝手に、その、、、嫉妬しただけですっ」
かぁぁっと、顔を赤らめて、涙目になったリズの横顔は、強烈に可愛くて、リュカとゼクスは、よろっとよろめいた。
「嫉妬って、誰に?ネルフィル?あいつのことなんて、これっぽっちも好きじゃないぞ」
「違います、綺麗な女の人が横にいたから」
「え?どこに、は?おい、ゼクス、どこ?」
「はーー~ですよね、視界にすら入ってなかったって、将軍、確かにこっちずっと見てましたわ」
ゼクスが、頭痛を覚え、眉間をぐりぐりと押して落ち着こうとする。
「先生、将軍はずっとあなたを見てて、女の人がそばにいるとこ気付いてなかったそうですよ」
「え、ほんとに?」
「ええ、ね、将軍そうでしょ?」
「なんだよ、女って、居たか?、俺はずっとネルフィルといただろ?確かにネルフィルがなんか喋ってたけど、別に害が有る訳じゃないし、相手は凶器も持ってなかったしよくみてなかったけど、そいつらのこと?女だった?綺麗とかどうでもよくね?え、リズはもしかして、今さら女が良いとか?それは、ちょっと」
全く本気で気付いてないどころか、余計な勘違いまでし始めている。リズは、呆然とし、ゼクスは、明後日の方を向いた。
「あ、いえ、……もう良いんです」
「良いのか?ゼクスおまえ、本当になんも言ってないだろな?」
「言ってませんって、なんなの、痴話喧嘩にもならないじゃん、はーーもうさっさと、結婚しろよ」
ボソッと呻いて、脱力する。二人がまた甘い雰囲気に包まれ始めたので、ゼクスはネルフィルの方へ行く事にした。
そうだ、皇太子と、法律の事について話そう、そうしよう。折角の貴重な時間を建設的に使わないと。こんなお互いの事しか見えてない二人にかまってたら、一生報われない。アルファとオメガのツガイの理想の様な二人に、妬けるけど、安心もしてるよ。
(お幸せに、俺の先生)
出会ってから数日の儚い恋だったが、暫く忘れられそうにない人の幸せをそっと願って、ゼクスは二人のそばを離れた。
いつもベッタリそばにいるリュカは、今は、ネルフィル皇太子の護衛についている。リズと二人っきりで会話する、またとない好機に気付いたゼクスは、リズの方へと足を向けた。もう、これを逃せば、リズとじっくり話すことは無いかもしれない、自分はもう、このドラクロンの国に命を捧げるつもりだからクライスには戻れないのだから。
リズに近づく足取りは、早まり、気が急いたが、一応、離れているとはいえ、リュカの動向を見ておこうと、ちらりと視線をリュカとネルフィル皇太子の方へ。
案の定、リズの近辺をガン見している、リュカと視線がかち合ってしまって、ゲッと、ゼクスは引きつったが、敢えて視線を反らして気付かないふりをした。 どうしてもこの機会は逃せない。そのまま歩いて、リズの近くへ行くと、ぽそぽそと、食事を静かに食べていたリズが、ゼクスに気付き、ぱっと、顔を上げ会釈をしてくれた。
久しぶりにみる、リズは、漆黒の質の良い生地に、金の刺繍が細かに入ったジャケットを羽織り、首もとにフリルの多い真っ白なブラウスを着ていた。とても品よく、似合っている。こんな子が路地を歩いていたらあっという間に、拐われてしまうだろう。育ちの良い、実に可愛らしい姿だった。
ゼクスは、リズのその人形の様な可愛いらしい姿にみとれ、ぼぅとなって、言葉を忘れ、無言で見つめてしまった。この子が欲しいとアルファの本能が騒ぐ。リズの大きな灰色の瞳のなかに、ゼクスがうつりこんで、そのリズの小さなピンク色の唇が動く。
「ドラクロン王、おめでとうございます」
自分だけに向けられた、にっこりと、笑う薔薇のような微笑みに、ゼクスの身体中の血が沸騰した。俺の先生は、なんて可愛らしいんだろう。久しぶりに合って、自制が効かない。1度で良いから、抱き締めてみたい。ふらっと、1歩また近づいた。
「やめて下さいよ、ゼクスで大丈夫です、先生にそんな風に呼ばれる日がくるなんて」
「ゼクスさん、大変な道程でしたね、よくぞ成し遂げられたと思います、立派です」
「先生にそう言ってもらえて、一番嬉しいな、俺、今日は会えないかと思ってたよ、よく、将軍が連れてきてくれたね」
「あは、色々ありまして」
少し気まずそうな、リズの様子に、なんとなく、リュカはやはりここへ来ることを反対したのだろうと、予想がつく。そりゃそうだ、国が成り代わったばかりの、かつては敵国。誰よりも大切な人を連れてきたいわけがない。
ゼクスは、ふと、リズのフェロモンが少しも香らないことに気付いた。それが意味するのはつまりはたった一つの事実で、一瞬目を見開いて、思考が停止し、近付こうとしていた足を止めた。
(先生もしかして将軍と……そっか)
リズがリュカと既にツガイに成ったのだと悟って、ゼクスは自分の指先が急速に冷えていくのを感じた。動揺を隠すように、もっていた酒をグッと飲み干し、目をふせた。
解っていた。最初から自分が割って入る隙なんかこれっぽっちもないことなど。それでも、もしかしたらなんて少しだけ思ってた。夢とも希望とも言えない小さな願望が、誰にも知られることなく消えてしまった。先生はもう自分のツガイにはならない。それは思った以上にきつくて、ゼクスを打ちのめした。目の前に立つ恋しい人はもう違う人を選んだのだ。
ゼクスは、ハァッと吐息を吐くと、気持ちを無理矢理に封じ込め、何でもない様子でリズにはなしかけた。
「ええっと、将軍は、ネルフィル様の護衛をしているの?」
「ええ、そうなんです、筆頭護衛なんですよ」
にっこりと、答えるリズは、恋人が偉い人に認められてて嬉しい気持ちを隠しきれない、相変わらず、ラブラブなんだなぁと、ゼクスは視線をまたリュカの方に投げた。
すると相変わらずリュカと目が合ってしまうのだが、ネルフィルとリュカの近くに、姉姫二人が近付いている事に気付く。二人の姫は、どうやら、今日のターゲットを、皇太子と将軍に定めたようだ。ゼクスとしても、止めに入りたいが、どうにもあの二人の姫が苦手で、どうしたものかと思案していると、視線に気づいたリズが、リュカのそばにいる二人を見てしまった。
リズは一瞬、大きく目を見開いて、さっと顔を背けた。
(リュカさんの隣に、凄く綺麗な人がいる、どうしよう)
リズの心臓は早音のようになり騒ぎ、不安で手が震えている。嫉妬なんてみっともないと思うのに、あんなに昨日誓ったのに、信じないなんてどうかしてると思いながら、リュカの心がもし、あの綺麗な人にいってしまったらと、顔色がどんどん悪くなった。
ゼクスは、リズがしゅんと俯いてしまったので、リュカに何してると視線を送ったが、リュカの方もなにやら凄い剣幕でこっちを睨んでいる。
(何で俺が睨まれなきゃなんねーの)
ムカついたゼクスは、リズの背中をリュカに見えるように、わざとさすった。
「先生、大丈夫?気分悪い?あっちで、座る?」
「いえ、大丈夫です」
健気に、微笑んでみせる、リズに、ゼクスは胸を打たれ、手を伸ばしてもっと支えようとした、だがその手は、ペンッと高速ではね除けられた。
「あだっ」
「リズどうした大丈夫か」
「リュカさん、護衛は?」
「ん、代わってもらった、あっちで座るか?おい、ゼクスリズに何か言ったのか」
ゼクスが非難めいた悲鳴をあげる。
「ひっ、いやいや、言ってない、て、こわっ、なんで俺が怒られるの!?」
リズは、リュカの袖をくいっと引っ張った。
「リュカさん、ゼクスさんは何も、僕が勝手に、その、、、嫉妬しただけですっ」
かぁぁっと、顔を赤らめて、涙目になったリズの横顔は、強烈に可愛くて、リュカとゼクスは、よろっとよろめいた。
「嫉妬って、誰に?ネルフィル?あいつのことなんて、これっぽっちも好きじゃないぞ」
「違います、綺麗な女の人が横にいたから」
「え?どこに、は?おい、ゼクス、どこ?」
「はーー~ですよね、視界にすら入ってなかったって、将軍、確かにこっちずっと見てましたわ」
ゼクスが、頭痛を覚え、眉間をぐりぐりと押して落ち着こうとする。
「先生、将軍はずっとあなたを見てて、女の人がそばにいるとこ気付いてなかったそうですよ」
「え、ほんとに?」
「ええ、ね、将軍そうでしょ?」
「なんだよ、女って、居たか?、俺はずっとネルフィルといただろ?確かにネルフィルがなんか喋ってたけど、別に害が有る訳じゃないし、相手は凶器も持ってなかったしよくみてなかったけど、そいつらのこと?女だった?綺麗とかどうでもよくね?え、リズはもしかして、今さら女が良いとか?それは、ちょっと」
全く本気で気付いてないどころか、余計な勘違いまでし始めている。リズは、呆然とし、ゼクスは、明後日の方を向いた。
「あ、いえ、……もう良いんです」
「良いのか?ゼクスおまえ、本当になんも言ってないだろな?」
「言ってませんって、なんなの、痴話喧嘩にもならないじゃん、はーーもうさっさと、結婚しろよ」
ボソッと呻いて、脱力する。二人がまた甘い雰囲気に包まれ始めたので、ゼクスはネルフィルの方へ行く事にした。
そうだ、皇太子と、法律の事について話そう、そうしよう。折角の貴重な時間を建設的に使わないと。こんなお互いの事しか見えてない二人にかまってたら、一生報われない。アルファとオメガのツガイの理想の様な二人に、妬けるけど、安心もしてるよ。
(お幸せに、俺の先生)
出会ってから数日の儚い恋だったが、暫く忘れられそうにない人の幸せをそっと願って、ゼクスは二人のそばを離れた。
あなたにおすすめの小説
【完結】お前らの目は節穴か?BLゲーム主人公の従者になりました!
MEIKO
BL
本編完結しています。第12回BL大賞奨励賞いただきました。
僕、エリオット・アノーは伯爵家嫡男の身分を隠して公爵家令息のジュリアス・エドモアの従者をしている。事の発端は十歳の時…家族から虐げられていた僕は、我慢の限界で田舎の領地から家を出て来た。もう二度と戻る事はないと己の身分を捨て、心機一転王都へやって来たものの、現実は厳しく死にかける僕。薄汚い格好でフラフラと彷徨っている所を救ってくれたのが完璧貴公子ジュリアスだ。だけど初めて会った時、不思議な感覚を覚える。えっ、このジュリアスって人…会ったことなかったっけ?その瞬間突然閃く!
「ここって…もしかして、BLゲームの世界じゃない?おまけに僕の最愛の推し〜ジュリアス様!」
知らぬ間にBLゲームの中の名も無き登場人物に転生してしまっていた僕は、命の恩人である坊ちゃまを幸せにしようと奔走する。そして大好きなゲームのイベントも近くで楽しんじゃうもんね〜ワックワク!
だけど何で…全然シナリオ通りじゃないんですけど。坊ちゃまってば、僕のこと大好き過ぎない?
※貴族的表現を使っていますが、別の世界です。ですのでそれにのっとっていない事がありますがご了承下さい。
回帰したシリルの見る夢は
riiko
BL
公爵令息シリルは幼い頃より王太子の婚約者として、彼と番になる未来を夢見てきた。
しかし王太子は婚約者の自分には冷たい。どうやら彼には恋人がいるのだと知った日、物語は動き出した。
嫉妬に狂い断罪されたシリルは、何故だかきっかけの日に回帰した。そして回帰前には見えなかったことが少しずつ見えてきて、本当に望む夢が何かを徐々に思い出す。
執着をやめた途端、執着される側になったオメガが、次こそ間違えないようにと、可愛くも真面目に奮闘する物語!
執着アルファ×回帰オメガ
本編では明かされなかった、回帰前の出来事は外伝に掲載しております。
性描写が入るシーンは
※マークをタイトルにつけます。
物語お楽しみいただけたら幸いです。
***
2022.12.26「第10回BL小説大賞」で奨励賞をいただきました!
応援してくれた皆様のお陰です。
ご投票いただけた方、お読みくださった方、本当にありがとうございました!!
☆☆☆
2024.3.13 書籍発売&レンタル開始いたしました!!!!
応援してくださった読者さまのお陰でございます。本当にありがとうございます。書籍化にあたり連載時よりも読みやすく書き直しました。お楽しみいただけたら幸いです。
処刑エンドの悪役公爵、隠居したいのに溺愛されてます
ひなた翠
BL
目が覚めたら、やり込んだBLゲームの悪役公爵になっていた。
しかも手には鞭。目の前には涙を浮かべた美少年。
——このままじゃ、王太子に処刑される。
前世は冴えない社畜サラリーマン。今世は冷徹な美貌を持つ高位貴族のアルファ。
中身と外見の落差に戸惑う暇もなく、エリオットは処刑回避のための「隠居計画」を立てる。
囚われのオメガ・レオンを王太子カイルに引き渡し、爵位も領地も全部手放して、ひっそり消える——はずだった。
ところが動くほど状況は悪化していく。
レオンを自由にしようとすれば「傍にいたい」と縋りつかれ、
カイルに会えば「お前の匂いは甘い」と迫られ、
隠居を申し出れば「逃げるな」と退路を塞がれる。
しかもなぜか、子供の頃から飲んでいた「ビタミン剤」を忘れるたび、身体がおかしくなる。
周囲のアルファたちの視線が絡みつき、カイルの目の色が変わり——
自分でも知らなかった秘密が暴かれたとき、逃げ場はもう、どこにもなかった。
誰にも愛されなかった男が、異世界で「本当の自分」を知り、運命の番と出会う——
ギャップ萌え×じれったさ×匂いフェチ全開の、オメガバース転生BL。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
運命の番は僕に振り向かない
ゆうに
BL
大好きだったアルファの恋人が旅先で運命の番と出会ってしまい、泣く泣く別れた経験があるオメガの千遥。
それ以来、ずっと自分の前にも運命の番があらわれることを切に願っていた。
オメガひとりの生活は苦しく、千遥は仕方なく身体を売って稼ぐことを決心する。
ネットで知り合った相手と待ち合わせ、雑踏の中を歩いている時、千遥は自分の運命の番を見つけた。
ところが視線が確かに合ったのに運命の番は千遥を避けるように去っていく。彼の隣には美しいオメガがいた。
ベータのような平凡な見た目のオメガが主人公です。
ふんわり現代、ふんわりオメガバース、設定がふんわりしてます。
完結しました!ありがとうございました。
【完結】王宮勤めの騎士でしたが、オメガになったので退職させていただきます
大河
BL
第三王子直属の近衛騎士団に所属していたセリル・グランツは、とある戦いで毒を受け、その影響で第二性がベータからオメガに変質してしまった。
オメガは騎士団に所属してはならないという法に基づき、騎士団を辞めることを決意するセリル。上司である第三王子・レオンハルトにそのことを告げて騎士団を去るが、特に引き留められるようなことはなかった。
地方貴族である実家に戻ったセリルは、オメガになったことで見合い話を受けざるを得ない立場に。見合いに全く乗り気でないセリルの元に、意外な人物から婚約の申し入れが届く。それはかつての上司、レオンハルトからの婚約の申し入れだった──
捨てられた生贄オメガ、魔王城で極上の『巣作り』始めます!~不眠症の魔王様、私のクッションで爆睡して溺愛モードに突入~
水凪しおん
BL
「役立たずのオメガ」として冷遇され、血も涙もない魔王への生贄として捨てられたリノ。
死を覚悟して連れてこられた魔王城は、寒くて硬くて、居住性最悪のブラック環境だった!?
「こんなところで寝られるか!」
極限状態で発動したオメガ特有の『巣作り本能』と、神業レベルの裁縫スキルが火を噴く!
ゴミ同然の布切れをフカフカのクッションに、冷たい石床を極上のラグマットにリフォーム。
すると、不眠症で常にイライラしていた魔王ザルドリスが、リノの作った「巣」のあまりの快適さに陥落してしまい……?
「……貴様、私を堕落させる気か」
(※いいえ、ただ快適に寝たいだけです)
殺されるどころか、魔王様に気に入られ、気付けば城中がリノの虜に。
捨てられた生贄オメガが、裁縫一つで魔王城を「世界一のマイホーム」に変える、ほのぼの逆転溺愛ファンタジー!
ぼくの婚約者を『運命の番』だと言うひとが現れたのですが、婚約者は変わらずぼくを溺愛しています。
夏笆(なつは)
BL
公爵令息のウォルターは、第一王子アリスターの婚約者。
ふたりの婚約は、ウォルターが生まれた際、3歳だったアリスターが『うぉるがぼくのはんりょだ』と望んだことに起因している。
そうして生まれてすぐアリスターの婚約者となったウォルターも、やがて18歳。
初めての発情期を迎えようかという年齢になった。
これまで、大切にウォルターを慈しみ、その身体を拓いて来たアリスターは、やがて来るその日を心待ちにしている。
しかし、そんな幸せな日々に一石を投じるかのように、アリスターの運命の番を名乗る男爵令息が現れる。
男性しか存在しない、オメガバースの世界です。
改定前のものが、小説家になろうに掲載してあります。
※蔑視する内容を含みます。