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1話 プロローグ SIDE:陸 捨てられました
しおりを挟む※出だしから暗いです。
苦手な方はご注意を!
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寒い
兎に角、寒い
初冬ー…バシャバシャと際限なく振り続ける雨の中
全身ずぶ濡れになりながら緩慢極まる動きで、それでも僕はふらふらと足を進める。
足を踏み締めるたびになるぐじゅっ、ぐじゅっ、という音は、決して水没した靴が不快な音を立てているわけではない。
何故なら僕は裸足で、踏み締めているのは硬く冷たいアスファルトじゃなく濡れた草に覆われた大地だから。
辺りにはまるで明かりはなく真っ暗闇…
当然だ、ここは住んでいた狭いアパートがある都市ではなく山の中だから。
当てもなく、ただただ歩き続けながら。
次第に感覚の無くなっていく手足につい、ははっと嗤いが溢れる。
「ついに、かぁ」
いつか、いつかこんな日が来るかもとは思っていたけれど。
それでも独り立ちをした日に、日々忙しなく過ぎていく日常に。
そんな日は来てくれるなと、僅かな希望を抱いてしまったのがいけなかったのだろうか…
延々と続く、暗闇。
遂に足が、身体が、言うことを聞かなくなり、身体が傾ぐ。
そのまま地面に倒れ伏すかと思いきや、何故か倒れた先に地面はなくー
ドン!ゴン!!と時折跳ねながら急斜面を転がっていく。
やがて転がり終わって止まった頃には地面とは違うものが横たわる自分の頬に当たっているのだが、最早感覚も失せた身体とぼやけた視界では何も確認できない。
次第にぼやけて意識が闇へと溶けていく中、唐突に気付く。
「あ……れ……?も、ぉ……さ、むく……な、ぃ………」
掠れ切った小さすぎる声を発して、僕の意識は闇に完全に溶けた。
今日、僕は“捨てられた”
戸籍上辛うじて家族であった、5歳年上の兄のその手によって
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