拝啓:神様  もういい加減勘弁して下さい

帆田 久

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1話  やっと……!

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そこそこの進学校として知られる
都立神代じんだい高校では、
今日も今日とてチャイムとともに出欠が担任教師によってとられていた。


順番に読み上げられる生徒の名前に、
席に座る少年少女が元気よく返事をする。
入学して間もない為か皆反応が初々しく、
教師らもこれから3年間の間にどうか変な擦れ方はしてくれるなよと願いを込めつつ張り切った声を出す。

そんなある意味ありきたりな高校クラスの一風景を、
体育館のある別棟屋上から羨望の眼差しでもって熱く凝視する少年がいた。

艶をなくしたボサボサの黒髪
疲れ目に乾き目のダブルコンボにより充血しまくっている目
真っ黒に目元を縁取る濃い隈
高い上背は猫背に曲がり、疲労しきった老人の様。


「やっと……。
やっっっっっと!!
、これた…!」

あらぬ限りの感情を込めて拳を握り込むこの少年の名は、真白 刃
不幸にも中学最後の日に、
校舎の男子トイレから異世界へと飛ばされてしまった少年だった。


やっとの思いで異世界より帰還を果たした彼は、
帰還転移の魔法発動の際に、転移座標として自身が新たに通う予定であった高校の屋上を強く願った。
結果、それは叶ったのだが。


「どうやって教室行こう…。
てか俺、自分のクラス知らない……」

鬱だ……と呟き屋上の転落防止柵をガシャンと鳴らして崩れへたり込む刃。

そう、異世界に行っていたために彼は入学式に出ることも、その際に貼り出されたクラス表を見ることも当然出来ていない。
それに、と自身の服装を見やれば、どこのコスプレ男子か?!と叫ばれそうな装備品や胡散臭いローブ、腰には意匠の凝ったロングソードに編み上げの革靴。
こんなの高校生の、いや現代人の格好じゃない!!
こんな格好の人間がこんな場所屋上に佇んで教室を凝視している……
完全に、通報案件だ。

やっと戻ってこれた地球、通いたかった高校、憧れの平和・平凡なる高校生ライフ。
眼前には、自分が今求めて止まない全てが!
しかし当然、彼の取った行動は。


「……はぁぁぁ。帰ろ」

取り敢えず着替える為に

転移魔法で自宅アパートへとした。

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