その辺のハンドメイド作家が異世界では大賢者になる話。

風呂桶之水源餅

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ー本編ーその辺のハンドメイド作家が異世界では大賢者になる話。

第55話 悪しき者

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空の上にそびえ立つ宮殿。
そして、そこに居るには似つかわしくない血のように真っ赤な瞳に銀色の髪の青年。
彼は待っていた。
異世界人の来訪を。
彼は待っていた。
独りよがりな最高の復讐を果たせるその瞬間を。

かつて翼をもがれ地に落とされ、そして復習を誓う彼の前に現れた一人の女性。
彼はその一人の女性に恋をし、裏切られ、そして多くの命を奪った。

「ようやく僕の元へ来る決心を固めたか。異世界の民め…。
まったく、ようやく地上に現れた事を感知してしばらく監視をしていたが、最早これ程までに強大な力を持つ存在にまで至るとは…。
だが、これでようやく僕の考えていた最低最悪の復讐を果たせる…!
あぁ…楽しみだ。僕を恐れた者達が…僕の心を弄んだあの魔女が…!どんな顔で僕の事を恨みながら苦しみ悶えるのか…!
ふふふっ!楽しみで心が躍るようだ!
さぁ、僕の愛した人よ…。君が最高に苦しむその姿を是非とも楽しませてもらうよ!
くふふふふっ!!」


----


次の日の朝、俺たちはケロちゃんにバイクを変形させた荷車を引いてもらいながら南の大陸を目指し走っていた。

流石にケロちゃんの背中に一度に乗るには人数が多すぎるからな…。

俺、戦士ちゃん、妹ちゃん、盗賊ちゃん、そして魔女さんにリヴァイアさんにマオちゃん…

流石に7人もまともに背中に乗ったら誰かしらは振り落とされかねん…。
とはいえど、7人乗りの荷車というのもなかなかではあるのだが…。

南の大陸の天上界へ至ると言われる遺跡のある集落へ行くには、東の国から南へと進み海を渡るのが最短ルートという事で、俺たちはまずは転移門を使い中央皇国へ、そこからさらにまた転移門を使い東の国の魔女さんのお城へと移動。

そこからケロちゃんに荷車を引いてもらう事になり今に至っている。

「ごめんねケロちゃん、なんかここ最近移動手段として働いてもらって…。」
「気にするなマスター!俺様はマスターたちを乗せてこうやって風をきって今まで見た事ないような世界を全速で走り回れるのがすげぇ楽しいんだ!特に空の上じゃなくて地上を走り回れるのは一番楽しいぞ!
やっぱりこう、大地を踏みしめながら走るのが一番走ってるって感じがするからな!!」

犬は喜び庭駆け回りなんてワンフレーズがあるが、まさにそんな感じだ。
とんでもない速度でいま、ケロちゃんは地上を走っている。
ちなみにこの速度に耐え切れるように荷車と言っちゃいるものの、形状は思いっきり新幹線の先頭車両のような形をしている。
空気抵抗も少ない方がブレないだろうしな…。
縦揺れも少ないようにアブソーバーやサスペンションを構築するのはなかなかに骨が折れた…。
この形状なら、海の上を走る際も比較的抵抗が少ないだろうと見越してこの形にしてみたのだ。

「いやぁ、思ったよりも爽快な乗り心地だねぇこの荷車…。
私もまさか二輪車がこんな風に変形せしめるとは思ってなかったよ…。
そもそも変形するように作っていなかったからね。
君の想像力とライトニングクォーツの力はなかなかにとんでもないね…。」
「うーん、俺も驚いてんだけどね。
雷って水とか電気分解して水素と酸素にしたりするだろう?
だから、こうやって物質も分解して再構築できるんじゃね?みたいな想像してたら本当にできるようになっちゃったんだよ…。
これもまぁ、俺の世界のとあるサブカル作品の話のイメージなんだけど…。」
「あぁ!アレだな!ハバネロネンキンデュクシ!!みたいな語感の奴!」
「うん、それな。器用なオブラートの包み方ありがとう。」

てな訳で、ライトニングクォーツはいわゆる錬金術的な力も備えている事が判明したのだ。
と言うよりも俺がその力を与えたとか言った方が正しいのかもだが…。

「しかし、アレだな。魔王城に全速力で走り抜けた時と比べても結構距離ある感じだな…。」
「あ!そうだ賢者くん!その件!!
聞いたよ君!なんでも北の大地と中央皇国を隔てるS級ダンジョンの壁を軽くぶち抜いてトンネル開通させてきたらしいじゃないか!
本当ならそれ極刑物だよ君…。
まぁ、今回は事が事だったことと、そのまま魔王様が軽ーく国交を結んでくれた上に君の配下になると言うなかなかに恐れ多い自体になってしまったから良いかもだけど…。
君がトンネルを作った話を聞いた時は流石の私も頭を抱えたよ…。」
「あははは…。いやまぁ、もう…いそがねぇとやばいなっておもってつい…ね。」

リヴァイアさんがぶるっと身震いをしている。

「あの光は本気で恐怖しましたわ…。
射線上に魔族がいなくてよかったものの…。
あんなもの、まともに食らってたら命がいくつあっても足りませんわ…。」
「俺様もアレを見た上でマスターに出会ったからな…。流石にまともに喧嘩売る勇気は出なかったぜ…。」

それを聞いてマオちゃんがじっと俺の方を見てくる。

「どうしたの?じっとこっち見て。」
「ん~?いやなに、こうやってみていてもやはりただの人間なのになと思うただけだ。
よくよく考えれば考えるほど不思議でな。
力を発現するだけでこうも容易く神になれるお前が…。
そして、お前の力はこの世界でのみ強大なものとなるのもまた不思議だなと。
お前の世界においては、パワーストーンとは名ばかりのただの石でしかなかった。
それがこの世界では、名前通りの意味を持ち、お前の作り出したアクセになると強大な力さえ持つと言うのが実に不思議だなぁとの。」
「俺もそう思うよ。この世界では俺の作ったアクセが本当に俺の思うがまま、想像したままの力を携えている。
こんな材料費だけならこの世界の通貨で200エニシもしないような物が、アレだけ切れ味鋭い剣に変形したりとかね…。
確かに俺の世界の常識で見てみても頭おかしいと思うレベルだよ…。」

特にライトニングクォーツとファイアクォーツにおいてはさらに異常だろう。
実際、あのように山すら軽く吹き飛ばすのだから…。

「ちなみにだが、我ら魔族の歴史においてもお前の持つようなとんでもアイテムはこの世にはひとつたりとも存在していない。
と言うわけでだな、お前にはこいつをプレゼントだ。」

そう言われて、俺はマオちゃんから13mm大くらいの宝玉を渡された。

「これは?この世界特有の変わった力を持つ石?」
「ふふん!聞いて驚くが良い!
その石は歴代の魔王の力を内包した宝玉なのだ。
我ら魔王の血筋は、死ぬ間際に自分の力をこの角に全て移すのだ。
そして、その角をこうやって宝玉に加工し、その宝玉を自分の子に託すことで代々力を子に受け継がせていくのだ。
だが、ワシははじめての女だからな…。
ほら、こかんに玉袋とかないし…。」
「おい、まさかとは思うがこれは魔王の金玉とか言うんじゃないだろうな…。」
「うむ、そこは冗談だ。安心せい。
見ての通り、魔王のツノは二本。
片方は我が子に託す用の宝玉に、そしてもう片方は予備として保管され続けてきたのだ。
これはその予備の方だ。
歴代の魔王達の力をお前にやろう。
興が湧いたのでな。」

魔王の力を秘めた石…。
一体どんだけとんでもない力を秘めてることやら…。

「でもいいのマオちゃん?これ、ようはお父さんやご先祖様から代々受け継いだ形見みたいなものなんじゃ…。そんな軽々しくポンと渡すものじゃないだろう?」
「ふん…、それをワシの口から言わせるとはお前も罪な男よなぁ~?
ふむ…、せっかくだしお前が喜びそうな台詞回しで言ってやるかの。
こほんっ。
ば、ばかっ!察してよ…!それだけのものをあげるってことは…つまり、その…それだけアンタのことが好きってことに決まってるでしょ!
もう…気づけよ…ばかっ…。
どうじゃ?興奮したか?」
「最高だなお前。俺のツボわかってんじゃん。いだだででで…!」

盗賊ちゃんにほっぺを引っ張られる。

「おい、ご主人様にそんな凄いもの渡してオレから奪い取ろうとしてもそうはいかないんだからな!て言うかご主人様もその石貰ってワクワクするなぁ~!そんなの、オレがあげるどんな宝物でも敵いっこないじゃねぇか…。
うぅ…。」
「バカだなぁ盗賊ちゃんは。俺にとっての宝物は盗賊ちゃん自身なんだから…。」
「ば、ばか…。みんなが聞いてる場でそんなこと言われたら…照れるだろっ…!」
「本当に君たちは…。ここ最近見せつけてくれるねぇ~?
お姉さんもお姉さん特有の魅力で本気で賢者くんを落としに行っちゃおうかな~?」

魔女さんがそのセクシーな胸元をたゆんっとさせて、俺の前に上目遣いで前かがみで迫ってくる。
特段巨乳好きと言うわけでもないが、やはりそう迫られると俺もドキドキする。

「ふん!甘いな魔女よ!我らが大賢者様が好きなのはコレだ!」

マオちゃんが前かがみの上目遣いで俺に迫ってくる。
ダボついた服のせいで、隙間から乳首が丸見えで…。

「クソ…!!乳首から目が反らせねぇ!!」
「いや、反らせよど変態。」

珍しく戦士ちゃんからツッコミが入る。

「くっ!そうか…。賢者くんはチラ見えの乳首が好きなんだね!」
「否定はしないけど、魔女さんはそのままの方が好きです!挟まれたいくらい好きです!」
「良いよ?おいで。」

胸元にぼふっと抱き寄せられ胸の谷間に押し付けられての頭なでなではかなり至高の心地よさすらある。

「おーおー。良いぞ良いぞ~。見せつけてやれ見せつけてやれ。さぞ、天上から見てるあいつも悔しがっておろうよ!まこと滑稽よなぁ~!」

魔王ちゃんが俺たちのいちゃつきを見ながらカカカッと笑う。
ん?今なんか聞き捨てならぬ言葉が出てたような…。

「ごめん、誰が見てるって?」
「ん?恐らく、ワシらが今からボコりに行く奴じゃないかのう?
いつからかはわからぬが、時々お前か魔女に向けてかは知らぬが視線を感じていたのでな。
追って睨み返してやったわ。小物よなぁ。
睨み返したらすぐに引き寄る。
だがまぁ、ワシらが近づいてきておることは奴には見えてるようだのう。
ならば、こっちも敵陣に入ったら即戦闘も覚悟しておかねばならぬの。」

俺たちの動きが監視されている…か。
敵だって自分が狙われてるとわかれば逃げはしなくても迎え撃つための手筈は整えてくるだろう…。
こっちもそれに対する手をいくつか講じておかないとだな…。

「そうだ…。魔女さん、コレを首から下げておいて。
コレは俺が作った、ホルスの目を模したネックレス。
ホルスは俺の世界における神様の一人なんだけど、その瞳は見つめるだけで悪いものをはじきかえすとか言い伝えられてるんだよ。
即ち、呪詛返しの力だ。
既にかけられてる呪詛には効かないかもだけど、きっとこれ以上呪詛をかけられることは防げるかも知れない。」

そう言って俺は魔女さんの首にネックレスをかける。

「ふふっ、ありがとう。とても綺麗だね。
大切にさせてもらうよ。」

東の国を出てどれだけ走ったろうか?
ひとまず中継地点となる小島に到着したので、俺たちは一旦そこで休息をとることにした。

荷車は内部構造的にはキャンピングカーのようにしてあったので、食事をとる程度のスペースも十分ある。
ケロちゃんも人型に変身してもらい、荷車の中で休息と食事を取ることにした。

「地図だと今私たちがいるのがこの浮島だね。
そこから目的地まではケルベロスの足があれば1時間もかからないだろう。
あとは敵陣に入り込んだあとだ。
魔王様、あいつの視線を感じたということは居場所の特定も?」
「うむ、だいたい把握できたぞ。
盗賊の娘のスキルと我が魔眼の力を使えばすぐに居場所など割れるだろう。
流石に天上界ではケルベロスにこの車を引いてもらうわけには行かないだろうからそこからは徒歩になるやもだが…。
まぁ、天上界は意識の世界でもある。
意識一つで如何様にもなろう。
空を飛べると思えば空も飛べるような夢現の世界だからのう。
故に、心を折られるとそのまま存在ごと消される可能性もある。
皆、心は常に強く持つことだ。
ありえないものはありえないと思い、信じたくないものは信じるな。
それがあの異界においての身を守る手段と思うが良い。」

敵陣まで1時間か…。
長いようで短いな…。

「緊張しているのかい賢者くん…?」
「まぁわりとね…。あんなとんでもない夢を見たのもあるし…。
あの世界で俺の身に何が起こったんだろうと思うと、ただただ恐怖しか湧いてこなくて…。」
「たしかに不可解よね…。
何があってそんな暴走をしたんだろう…。
伊邪那美命の力を使った時も力は強大だったけど暴走はなかった。
過去の事例でも、完全な暴走は未完成のライトニングクォーツを使った時だし…。
次元龍の力を使った時だって、暴走までは至ってなかった。
世界を滅ぼすほどの力があるのはわかるけど、なんでそれを暴走させるに至ったのかはすごく不可解…。
いまはあらゆる力がその身に馴染んでるし、以前と比べてほとんどリスクや副作用、魔力欠乏に至ることなく力も支えているのに…。」
「用心に用心を重ねておくのは悪くはないだろう。
だからこそ俺はみんなに力を託した。
何かあった時は…頼む…。
全力で俺を止めてくれ…。」

皆が無言で首を縦に降る。

「では、食事をとって気を落ち着かせたら向かうとしようか。心に余裕を持たないと魔王様がいうように天上界は危険な世界になりうるからね。」

未来の俺の身に果たして何があったというのだろうか…。
俺はそれだけが気がかりではあったが、食事を終えひとまず少し仮眠を取ることにしたのであった。
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