その辺のハンドメイド作家が異世界では大賢者になる話。

風呂桶之水源餅

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ー本編ーその辺のハンドメイド作家が異世界では大賢者になる話。

第68話 龍皇女爆誕

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「なぁ、一応聞くけどさ。これ、ぶっちゃけどんくらいで卵孵るの?」
「…………。」
「おい魔王。なんとか言ってくれよ…。
そもそもだが、これちゃんと高龗神は卵の中に入り込めてるのかな…。確かめようがないのがなぁ…。」
「マスター!どれくらいで卵が孵るか私を孕ませる事で実践してみるのはいかがでしょうか!ぐへへへへっww」
「アンタはだーっとれい!」

数時間ならまだしも、数日とか数年単位でこうやって手を当ててなきゃ行けないとなったら大問題だ…。

「うーーーーん…。仕方ない…。こうなったら寝るか…。何か言いたいことがあれば、あの白い空間で話してくるだろう…。」
「確かに名案かもだね…。むしろ、彼女との意思疎通は今のところそれくらいしか方法がない…。
必要なものがあるかもわからないし。
なにせ文献にもないからね。神を龍に降ろす方法なんて…。この世界の歴史でも、自らが使役する神を龍に降ろした者なんて未だ嘗て居ないだろう。」
「かつてこの世界にいた龍族は、はじめから神が宿った状態で降りてきてるか、もしくはあぁやって魂がないまま肉体だけが本能のままに生きてるかのどっちか…いや後者の方が多いのかな…?」
「そうだのう。実際にワシも自分らの血縁者含めて、神を宿した龍族は見たことがない。
それほどに珍しいのだ。神を宿してるというか地上に降りた神自体が。
かつての邪神もそうだが、地上に神が降りることはそれほどにとても珍しい事で、かつこの地上においてはとてつもなく重大なことと言えるからのう。」

ふむ…。そう考えると、やはりかつて晴明がこの世界に来た時に邪神が現れた事も、色々と裏がありそうだな…。

必要なコマだから用意された。

そう考えるのが最も合点が行く。

だが、そうなると誰がこの地上に邪神を墜としたのか…。
それもまたとても気になる所だ。

地底界の悪魔たちなのか、それともそれとはまた違う何か世界の意思なのか…。

謎は深まるばかりだな…。

仮に、俺がこの世界に導かれたのもまた同じ理由なら、俺は邪神と闘うためにこの世界に来たと言うのだろうか…。


「また、色々と考えてるね…。
そう言えば賢者くんがこの世界に来た時に使った石は、私が作った試験用の転移石だったんだよね…。
アレも確かになぜ君の手元に転がり落ちてきたのか、不思議で不可解だった。
そもそもなぜあの石が君をこの世界に転移させることが出来たのかも…。
本当、君の周りはまだまだ謎が多いね。」
「まぁ、謎なんて全部解決する方が難儀ってもんだ。気にしなくても生きる分には困らないからな。
宇宙の向こうには何があるとか、人が到達できない様な一切の光が届かない深い海溝の奥には何があるとか、惑星の地下奥深くのマントルの周りはどうなってるとか、俺たちの世界の人間ですらも、自分たちの世界の全てはまだまだ知らないんだよ。
高度な文明を手に入れ始めてからはまだ100年も経ってないとか考えたら当然なのかもだけど…。」
「私達が異世界人のことを何も知らないのと同じように、君の世界もまだまだ謎は多いんだね。」

実際、今でも俺は、この世界のこの状況が本当に夢じゃないってことがまだ完全には信じきれてない。
ただ、信じないのをやめたってのが正解だ。
正直これが夢だとしてもこの夢に逃げ込む方が俺にとっちゃ幸せだからな…。

こんなに綺麗な女性や可愛い女の子に囲われて慕われて愛してもらえるのなら、元の世界でわざわざ生きようなんて思わなくもなるってもんだ。

そりゃアニメの続きとか、漫画の続きとかは気になるし、予約してたアクションフィギュアとかで遊べないのとか、スマホのソシャゲで大好きな二次元キャラの声が聞けないのとかは寂しいが…。

ていうか、ヲタクであればあるほどむしろ完全な異世界転移とかはしたくなくなると思うんだが、まぁこうやって数日過ごしてるうちに恋とかしちまったら、確かにどうでも良くなるよな。
そういう事なんか。

失うならどちらが嫌と問われれば、俺は迷いなくみんなを失う方が嫌だと答える。

「さて…。とりあえずだけど…。寝て見ていい?卵に寄り添う形で…。」
「まー…。それしかないしね…。
君が寝てる間は私たちが護衛してるから、安心して眠りたまえ。」

まぁものは試し。男は度胸ってやつだな。

ひとまず卵に寄り添ってゆったりと目を閉じる。

すると、身体に今までにない様な…まるで重りでものっかかってきた様な…ズンっ!という重みが身体を襲う。

身体が動かないような強烈な重力のような…。
変な感覚だ…。

何か引っ張られている…?

何かがおかしい…。くそ…。目を開けられない…!


意識はハッキリあるのに…金縛りに近い感覚…か?

これは…まずい予感がする…。

俺の心の声が聞こえているはずのみんなが何も動かないことを考えると、今のこの思考は夢の中に近いってことか…?

「ふぅ…。騒がしいぞ。我が主よ。」
「その喋り方は…おいなりちゃん?」
「いや、我は闇龗神だ。この空間も我の空間よ。
おいなり…とはあの人形に宿った狐狗狸か…。
アレも実に変わった者であったが…。
まぁそれは良い。
なぜ我が…と言う顔だな。
まぁ、高龗神は無事に卵の方へ宿った。あとはその身を構成し産まれるのを待つだけだ。
ならば、なぜ我と言う存在がいるのか…不思議そうな顔をしているな?
フフフ…、我は高龗神のもう一つの姿と意識でもあり、そしてお前のもつ力の一つでもあるからだ。
ドラゴンアゲートを通してお前に力を貸したのは私。
ドラゴンアゲートを通してその力を制御したのが高龗神。
我は2つで1つの神だ。
だが、この通りお前の認識が弱い故に2つに分かれてしもうたのだ。
我の望みは、予想がつくであろう?」
「身体が欲しいってことか…?」

全身に何かがまとわりつく感触がする。
黒く熱い、体温に近いようなものが身体中を包み込むような…。

「その通り。我はお前が欲しい。
お前の心もその身体も何もかもが欲しい…。
だからこそ、お前を包み込むようにしてあの時初めて力を貸したのだ。
そのままお前を取り込みたくてな…。
まぁ、失敗に終わったがな。
だが、高龗神がお前のそばに居ない今なら…我はお前を手に入れられる…。」
「闇龗神は、俺を手に入れてどうするの?」
「我は満たされたいだけだ。我もあいつと同じなの…我はお前に認知されて居なかった。
そして、お前に愛されていたあいつが憎かったのだ…。
我も…お前に愛されたい…。」

愛されたい…ね。
確かに俺は10代の頃、時々夢で出会う高龗神に一時期物凄く癒されると懐きに懐きまくってた時期があった。
確かに、高龗神…実際は俺がつけた名前を呼びながら愛していた時期があった…。

大人になるにつれて忘れていたけども…。

そうか…あの時から本当はその裏にずっと居たのか…。
高龗神以上に見えないところで力を貸してくれていたわけだったんだな…。

「愛されたい…か。と言われても俺は君の姿すら今は良く見えていないんだけど…。真っ暗な空間だし…。」
「おぉ…すまない。ちょっと照明調整するからまって。」
「いやまって、これ照明消してただけだったの!?というかさっきまでの厳格な雰囲気急にぶち壊されたよ!?」

軽く顔が見えそうなくらいには空間が明るくなった。

「ど、どうだ?これで我の顔も…見えるか…?
その…だな…。我は今までお前に顔を見せたことがなくて…恥ずかしくてだな…。」
「そんなに恥ずかしがらなくても良いよ。
それを言われたら…俺は今まで風呂もトイレも寝顔も君ら2人に常に見られていたんだから…。」

そう考えるとその点においては、特に神とは恐ろしいものである。
おはようからおやすみまで暮らしを見守るライオン並みに恐ろしい。

そして、暗がりの中に見えるその姿は、やはり高龗神と同じ姿であった。
要するに巫女ちゃんである。
かわゆい。

「同じ姿でがっかりしたか…?」
「いや、むしろ予想通りというか…。
しかし参ったね…。卵は一個しかないし…。
今までみたいに2人で1人の方が楽なんじゃないの?」
「そうなのだが…なぜか上手く入り込めなくて…。」
「あらら…そうだったのか…。
それなら逆に空間ごと高龗神の白い空間に乱入してみるとかは?」
「うーん…。上手くいくかはわからないが、お前が間にいれば行けるだろうか…?」

すると、この黒い空間の奥にかすかに白い光が見えだした。

俺は闇龗神の手を取り、その空間に向けて一歩ずつまた歩みを進める。
奥へ奥へ。一歩一歩。
近づいてるのかどうかはわからないが、奥底に見えるかすかな白い光は少しづつ大きくなっている気がする。
ある程度進んだところで、急に奥から白い光がぐわっと広がりだし、辺りの黒い空間が丸々半分白い空間に変わった。

「ふぅ…。待ちくたびれたよ2人とも。
闇龗神、まさか主様の元に残っちゃってたなんて…。ビックリしたよ…。」
「我もだ。表裏一体の我と貴様が、まさか分離してしまうとは…。
兎にも角にもこれで再び我と貴様は1つに交れる筈だな。」

高龗神はアーマードドラゴンの影響なのか、腕、足、胸に龍の形の鎧を纏っていた。
言うなれば、某モンスター狩りゲームの赤い龍の装備の女版を装備してるみたいな…あんな見た目になっていた…。
さようなら巫女ちゃん…ようこそ女狩人…。

「ひとまず、人型になったらどんな姿になるべきかを色々と考えていたんだけど、なかなか良い感じのが上手く思いつかなくて…。
あとは肝心の龍の姿ね。わたしに翼はないしなーって。生やそうと思えば生えるかもだけど。」
「うーん…。ただ、やっぱ鎧姿よりは巫女服の方がらしいなって…。
いつもの黒い袴の巫女服。やっぱあれが一番似合う。」

龍の姿か…。
この世界のアーマードドラゴンは西洋龍って感じだったよな。

龍が鎧を装備したような見た目をしていた。

ぶっちゃけ最初見たときはなんかこいつ、変形して人型になったりするんじゃね?とか思ったりもしたもんだ。

まぁ、なるかならんかは知らんが。
その前に倒しちゃったし…。

「うーん、こういうのはどうだ?高龗神。
十二単のようにして、龍の装甲を着物のように纏い、龍に変幻したときはその着物を変形させ黒龍の姿へ…。
そして、主様と合体して戦うときは人型の巨大な鎧に…!というのは…。」

などと闇龗神が謎のノリノリな提案というかプレゼンを始めている…。
いいのかお前らそれで…。

「うん、それ考えてた。
巨大な邪神が現れた時に、やはり人の姿のままで振るう力は結構限界があるかなぁって…。
その時に私が力を貸して巨人になって戦えれば…ってね。」
「それはあれか…?胸に龍の顔がついていて、尻尾を剣にして装備して戦うドラゴン型ロボット的な…。」
「うんそれ、そう言うの。割と憧れてたんだよね!自分がそういうのになるの!」

この子はまた…。俺と一緒にいるうちに目覚めたということなのだろうか…。
ただ、俺もそういうのは憧れる…。
謎空間のコクピットで、剣型のコントローラで巨大メカを動かして、必殺技はコクピットの中で剣を実際に振ることで放たれるとか…。
ああいうのかっこいいよな…。

そして、増えた仲間の力から生み出された追加装備が合体して別形態に…とか…。
まさに男のロマンだ。

だがそれでいいのか高龗神&闇龗神!!

龍型ロボが2体合体とかもアリかもだけど。

「妄想が捗るな…。オラ、ワクワクすっぞ!ってくらいに…。」
「勇者さんのアーマードフェニックスとか、戦士さんの炎の魔神とか合体したらグレート合体的なのも出来そうな予感する…。」
「うわぁそれ凄いわかるー。ぶっちゃけ、妄想した。」

伊達に10年以上どっぷりと俺のそばで俺の趣味に染まっていないなこの子は…。
流石だぜ相棒…。

とりあえず普段は黒い十二単を羽織った黒髪の少女…。
そしてその十二単が変形合体しながら本来の黒龍へ…。
更に、俺と合体する事で人型形態に超絶変形…!

か、完璧だ!これなら何が来ても負ける気がしねぇ!

「よし!それで行こう!」

そう言うと、白い空間と黒い空間が混ざり合い収束して行き、俺は眠りから覚めた。

「おや?卵の様子が…。そして賢者くんが目覚めたと言うことは…!産まれるんだね!神を宿した龍族が!」
「オォ!これは歴史的瞬間だな!異界の神を宿した龍族誕生の瞬間など普通立ち会えぬからな!」

鎧状の卵は光り輝き黒く染まっていくと、カシャンカシャン、キンコンカキンカキンと金属が重なり合う音を立てながら変形して行き、そしてついに綺麗な長い黒髪を美しくたなびかせた、黒い十二単を羽織った少女が姿をあらわす。
正に龍皇の名がふさわしいような少女だ。

「やっと…身体を手に入れられた…。
本当に貴方に触れられる…。貴方と話せる…。
この瞬間をどれだけ待ちわびたことか…。
これは、はじめまして…?それとも久しぶり?いやさっきぶりが正しいのかな?」
「異世界バンザイだな…。15年近く夢の中でしか会えなかった少女が今目の前に、きちんとその肌に触れられる状態で現れたのだから…。」

かくして、この世界に最初で最後かもしれない異世界の神を宿した龍族。
マオちゃん命名、龍族の王であり長とも言える存在という事で【龍皇】の名があたえられた少女が誕生したのであった。
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