その辺のハンドメイド作家が異世界では大賢者になる話。

風呂桶之水源餅

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ー本編ーその辺のハンドメイド作家が異世界では大賢者になる話。

第84話 入院生活開始

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意識がぼんやりと覚醒していく。
目を開けると案の定知らない天井だった。
いやまぁこの世界において知ってる天井の方がごく僅かだが…。

周りに人の気配はない。

辺りを見た感じから察すれば、どうもここは普通に医務室か病棟と言ったところだろう。
ただ、ベッドが一つのところを見ると個室なのも間違いなさそうだ。

ベッドから起き上がろうとするが、身体にあまり力が入らない…。
アクセや服は…、ベッド横のロッカーにちゃんと入ってるな。

ひとまず一安心だ。

この感覚、インフルエンザ明けの異常に体力がないあの時の感覚に近いな…。
クッソだるい上に筋肉がプルプルするくらいに力が入らない…。

「うーん…。やっぱり今回はガッツリと力を使い過ぎたか…。だいぶしんどい…。つーかここは何処だ。」

なんとか震える足で歩いて窓の外を見やると、街並みからして西側諸島の都なのがわかってホッと一息。
少なくとも、気を失った後に敵に攫われて否々みたいな展開にまでは至ってなさそうだ。

窓から少し離れて、窓に映る自分を見る。

手足は少しやせ細り、頬も少しコケている。
そしてプニプニの腹の肉すら割とへこんでいた。

「この筋力状態と言い、こりゃ数日は寝込んでた感じだろうな…。今は刺さってないが、栄養点滴を入れられていたような跡がある。
さて…。どうしたもんか…。目を覚まして誰もいないってのは割と予想外だ。
誰かしら側に居ても良いものだが…。あ、居るか。2人ほど。
龍ちゃん、蛟ちゃん。居るなら現界してもらって良いかい?」

その呼びかけに応え、俺の背後から2人が実体化して顕現する。

「漸く目を覚ましたんだね…。うーん…、見てわかるぐらいに著しく筋力と体力が落ちてるね…。
ひとまずその状態は魂が原因じゃなく、純粋に肉体に起こってる自称だよ。
寝たきりで栄養点滴だけで10日も寝てたら流石にそうなるよ…。」
「10日も寝てたのか…俺。その間の襲撃は?」
「この街にいる貴方に対しては特に。
ただし、他のいろんな国において住民がオーガノイドにされて暴走。
それを浄化、討伐を行うような事になってる。
だから今、ここにはみんなが居ないって事だよ。
皆、さまざまな国に散ってそれぞれが保有する神の力を以って討伐しているから。
オーガノイドはS級冒険者の力でも、神の力じゃなければまともに傷はつけられない。
A級レベルが束になっても敵わない程のレベルの強さだよ。
敵の目的はよく分からないけど、恐らくは実験だろうね。
倒された黒い雷帝を強化する為の策を、力を求めるものを利用して探ってるって所かなぁ?」
「それでも黒い雷帝が出てきてないと言うなら、あっちも重傷なのか、それとも単純に俺が表に出るのを待っているのか…。」
「ん…。だから…無理しちゃ…ダメだよ?身体…治して…?まだ…万全じゃ…ない。」

うーむ。とりあえずたらふく飯食って太るのと、筋トレして筋力を戻さないとな…。
これじゃ戦うにも戦えないだろうしな…。

「ひとまず、みんなはいろんな国に散って戦ってるからまだこっちには戻ってこないと思うよ?
連絡入れればすっ飛んでは来るだろうけど。」
「ふむ…。ただ、連絡は今はやめておこう。俺が倒れた事で戦ってる皆の気も緩んでしまうし、それはそれで余計な心配もかけかねない。そもそも、今の俺は戦えないしね。」
「なるほど、たしかにその考えは悪くないかもだね。
当然ながら皆、敵への怒りを原動力に今は戦っている。
今まで貴方を頼って戦うしかなかった自分たちにも後悔している。
目覚めた貴方をまた戦わせる事になるかもしれないとなっても同じく。
となれば今やるべきことは…。」
「ライトニングクォーツの再構築、そして後はリハビリと食事だな。しかし、ワイヤーはあるがリングがない…。そして俺は動けない…。はてさて、どうしたものか…。おつかい頼むのは好きじゃないし。」
「都長へは連絡しておいても良いんじゃないのかな?
そのついでにリングを発注してみたらどう?」
「それが最善策…かな。と言うか目を覚まして数分経つ筈だが、ここの看護師とか含め誰も見にくる様子がないな…。」

まぁ、点滴も外されてるし、尿瓶もない事から恐らくはその辺を終えた後って所なんだろう。
はぁ…しかし、悲しいかな暫くはこのまま入院生活って所か…。
嫌だなぁ…。とりあえずなんか飯は食いたい。
あー、でもいきなり普通の飯食うと胃がぶっ壊れるんだっけ。

ひとまず、都長にメールで意識が回復した事とそれをまだみんなには伝えずにおいて欲しい事、そして、リングを発注したい事などを連絡しておいた。
直ぐに返事が来てひとまずこの部屋に見舞いに来てくれる事になった。

「やほ~賢者っち~。具合はどうだい?」
「とりあえず腹減ったのと喉乾いた…。点滴オンリーだとどうしてもそうなるからね…。」
「うんうん、わかったよ~んっ。直ぐ用意してあげるからね。身体の傷口は魔法で塞いだけど、ほんと意識が戻らなかったからビビったっしょ~。
とりま、ウチらが2人きりなる機会なんて滅多にないし色々と話してみようかに~っと。」
「ひとまず思ったけど、来るの凄く早くない?」

それになんで黒エルフさんが看護師ファッションをしておるのだ。
と思ったら、胸の谷間から資格証を取り出し見せてくる。

「ウチ、こう見えても看護師の資格持ってるんだよ~んっ。ここはウチの都庁の中の特別病棟の一室だよ。
君は色々とイレギュラーだから、みんなに許しをもらった上でウチが面倒見てたの。
お着替えも身体の拭き拭きも点滴も尿瓶の交換もぜーんぶウチがやってた♪」
「………。まじかよ…。色々と見られた訳ね…。よくみんなも許したな…。」
「まぁ、資格も持ってない奴は黙っとけ。って言えばそりゃそうなるよ~。しっかし…、君のアレ。凄い大きさだね。合う尿瓶のサイズがなくて苦労したわぁ~。」
「昔入院した時も同じこと言われたよ…。俺にとっちゃ恥ずかしい黒歴史だ…。」

しっかしまぁ…。黒ギャルミニスカナースとか属性過多も良い所だな…。
色々とヤバイだろこれ…。

「んっふっふっ~♪賢者っちのえっち~。
ムラムラしてんのはわかってんよ~?どう?お姉さんと一発してみる?大歓迎だよ~?」
「やりません。て言うか俺からしたらお姉さんって年齢でもないだろう…。見た目はまだしも。」
「むぅ~。賢者っちひどぉーいっ。まぁ冗談はさておき、それだけ痩せて筋力も落ちてたらしばらくはまともに動けないだろーね。
ひとまず、食事を用意してあげるよ。」
「その間にライトニングクォーツの再構築だな。
リングが無いのが悲しいけど…。」
「あー、それなら適任者に連絡しておいたよ。
君と商談を交わしたあの店の店主にね。リングを預けてくれれば、同じものを魔鉄鋼で鋳造して即日納品出来るってさ。」
「おぉ。そりゃ助かる。んじゃ、黒エルフさんこれ渡しておくよ。」

俺は黒エルフさんにライトニングクォーツに使っていた破損したリングを渡す。

「なるほどなるほど…。ただのシルバーか。そりゃ、知らなかったとは言え、これで神の力を抑えてたら破損も当然だわ。
そして、敵さんのが強かった理由も頷ける。
ま、その辺はウチがご飯食べさせてあげながら語ってあげるから待っててね?
はぁ…。しかし、ほんと…みんないないうちに食べちゃいたいなぁ…。あの大きさはヤバ過ぎだって…。」
「ほんとそう言うのやめてくれ…。俺は心に決めた子が居るんだから。」
「はいーはいっ。いやぁでもあの子の体格にこんなオークレベルのはキツいんじゃ…。」
「人のTNKの話は良いからご飯お願いします!!」

ただでさえ立ち上がるのがしんどい身体を起こして、黒エルフさんを部屋から追い出す。

「ったく…。ほんとこの世界には痴女しかいねぇのかよ!」
「いやぁ…。たしかに貴方のアレがでかいのは知ってるけど、この世界の女性陣…、性に対する欲求凄過ぎるでしょ…。エロい漫画とか並だよね…。」

龍ちゃんが、黒エルフさんが居なくなったのを見計らって再び顕現してくる。

「あぁ、俺の世界なら薄い本が総集編で分厚くなりそうなレベルでエロい。
しっかし…ほんと筋肉がそこそこ固まってるな…。
動かせるけど、関節の可動域は狭いしなんつーか身体が凄く硬い。寝たきり生活するとほんとすぐに筋肉落ちるし硬くなったりするから大変なんだよな…。」

ひとまず、寝転がりながら足を曲げ伸ばしたり、上げたり下げたりする筋トレをしながらご飯が来るのを待った。
しばらくすると、黒エルフさんがトマト系のスープでパンを柔らかくしたパン粥と柑橘系の果実を絞ったジュースを持ってきてくれた。

「んふふ…。はい、食べさせてあげるからお口開けな?」
「自分で食うから良いよ…。」

と思って器を持つが、予想以上に手がプルプルする…。

「ほらほら、無理しないで?お姉さんに任せなさ~い。」
「悔しい…。」

黒エルフさんはスプーンでパン粥を掬いながら俺の口に運んでくれる。
うーん…やっぱ盗賊ちゃんにだけは知らせておけば良かったかな…。
罪悪感と寂しさがこみ上げてくる…。

「さてと…。さっきの話だけど、神の力を使うにはシルバーは本当に不向きっしょ。
そもそも、シルバーは魔力は流し込んだり通したりする性質があるんだけど、反面神の気は抑え込んじゃう性質があるのね。そっちの木の方がよほど相性は良いと思うわ。
ちらっと君んところの龍族の人に聞いたけど、8つも神様の力を宿した力だったんだって?あの白い鎧の姿。
そりゃ、魂に傷も付くし鎧にも負荷がかかって当然だわ。
それ、密封性の高い容器に、気化しやすい液体を入れるようなもんだし。
当然、器の強度で無理やり抑え込んでだとしてもそのうち器にヒビが入ったりはしてくだろうし、最悪中の気化した液体が爆発することだってあるわそんなん。
ま、早めに気付けて良かったって思っときなよ。
ひとまず、その雷帝の力に関しては魔鉄鋼で作り直せば解決するのは間違いないっしょ。」
「魔鉄鋼は神の気を抑え込むことなく使えるってことかな?」
「うん、そゆこと~。
むしろ、魔鉄鋼は神格化した魔物自身がその身に纏ったりする事だってあるくらいだからね~。
魔鉄鋼は魔力を高める力に加えて、神気を満遍なく循環させ、それを纏った人に対しては神の力を完全な迄に行使させることが可能となる金属なんよ。
神の力を込められた武具や防具なら魔鉄鋼で当たり前ってくらいにこの世界じゃ常識なはずなんだけど、君の周りの人は当たり前過ぎてまさか魔鉄鋼じゃないなんて思っても見てなかったんかもだねぇ~。
ひとまず、これで今までは抑え込んでただけの拘束具が、本当の意味できちんと鎧として機能するようには変えられるはずだよ。
そして、賢者っちの使うほかの石達の力も底上げできる最強のアクセサリーに変わるはず。」

この世界におけるアクセサリー関係の知識も調べておくべきだったな…。
逆にこんな機会がなければある意味知れなかったろうし、その辺は敵に感謝だな。

「私からも彼女に話して正解だったよ。魔女さんにも報告して色々と助言を貰っていたんだけど、魔女さんはアクセサリーは装備してみたことがないからその辺の知識が疎いみたいでさ…。」
「まぁ、ウチもまさかアレだけの力を放つものがただのシルバーだとは思ってなかったし。ってことはあの革ひものブレスレットに所々使われてる銀メッキのパーツも…。」
「まぁこれに至っては鉛か下手すりゃ樹脂に銀メッキだな…。これも魔鉄鋼製の物に置換していくか…。」
「うんうん、それが良いと思うよ。
革紐も強力な神獣達の外皮から作られたものもあるし、そう言うのに置き換えてリメイクしてみたらー?」

とりあえずは俺のメインアイテムであるライトニングクォーツに使ってるワイヤーとリング、ファイヤークォーツを首か下げるのに使ってる革紐、賢者のブレスに使ってる細かな金属パーツ類と革紐。

これらを順次入れ替えていくとするかな。

「ウチが一番興味持ってんのは、ライトニングクォーツよりもそのブレスの方かな。
使ってる石の一つ一つの力が尋常じゃない感じがビンビンときてるし。
ただ、石の中に内包された力を解放するのに、素材の相性が悪くてただのアクセサリーに近い感じになってたみたい。
この世界の神気を帯びた素材に入れ替えてけば尋常じゃないパワーアップができると思うよん?」
「ちなみに、俺がこの世界の言語を瞬時に習得できたのもこのブレスを使ってその知識を直接脳に書き込んだからなんだよね。」
「へぇ…知識を授ける力ねぇ…。そりゃとんでもないわ…。国宝級どころか世界遺産級じゃんそんなん。
とりま、ライトニングクォーツ用のリングはさっき持って行ったから数時間で用意できるって言ってたよ。
最優先で作ってくれるってさ~。
ただ、そのプルプルした手で作業は禁止。
はいこれ。握力鍛えるやつね。まずはそれで指先の筋肉も戻してからにしよ?すぐ作りたい気持ちはわかるけど、今はまず身体を休めないとだぁめ。わかった?」

おでこを軽く指でツンっとされる。
俺はギャルが苦手な筈なのだが、不思議とこの人には気が許せる。
食事を終え一息をつくと、部屋の向こう側から誰かが走ってくる音が聞こえる。
そして勢いよくドアが開かれたと思うと、俺の愛しい彼女が飛び込んで抱きついてきた。

「ご主人様っ!!よかった…。やっぱり気がついてたんだな。今まで何も感じなかった感情を急に感じたから急いで敵をぶちのめして戻ってきたんだ。
ご飯…食べさせてもらってたのか…。体の調子はどうだ?」
「それがな…。見ての通りやせ細ってくわ筋力落ちてるわでかなりしんどい…。指先はプルプルして力はいらないから、アクセを直したくても直せない…。
暫くはリハビリ生活でまだ動けそうにない状況だよ…。」
「そっか…。でも、良かった…。目を覚ましてくれて。
このまま死んじゃったらって…思ったら…。
うぅぅ…うぁぁぁああぁぁっ!」

俺の胸に顔を埋めて、抑え込んでた感情が溢れ出したかのように声を上げて泣きだす盗賊ちゃん。
優しく頭を撫でて強く抱きしめる。

「うん…。俺はもう大丈夫だよ。いやまぁ、リハビリと食事は必要だけども…。だから安心して?」
「うん…。ひとまず今晩は一緒に寝るからな?」
「勿論だ。抱き枕にしてやる~っ♪」
「はぁ…。短い看護だったなぁ…。もっとこう寝たきりのうちにいろんなものをいろんな意味で堪能しとけば良かったかな~?」
「ご主人様に変なことしたら、心臓を抉るって言ったろう…?」

ズルリ…と悪魔の右手を発動し黒エルフさんの胸元にペタ…っと這わせる盗賊ちゃん。

「冗談に決まってんっしょ。とりま、仕事終わったんなら後は側にいてやんなよ。後これリハビリの筋トレメニューね。彼に付き合って一緒にやってあげてくれっとウチも助かるわ。
んじゃ、ウチは自分の仕事に戻るから後よろしくね~。」

そう言ってひらひらと手を振りながら黒エルフさんは部屋を出ていくのだった。

黒エルフさんが部屋を出ていくのを見届けると、盗賊ちゃんは俺を抱きしめながらキスをして来てくれた。

「ご主人様が10日も起きなくなって凄くわかった。
オレ…ご主人様のこと…本気で好きだ。絶対に居なくなったり…無茶して死んじゃったりしたら…嫌なんだからな…。もしも元の世界に帰る時が来たら…オレも一緒にだぞ…。」
「ん…。勿論だよ。ありがとう。」

そしてまた彼女を優しく抱きしめ、俺からも彼女に軽くキスのお返しをした。
2人の愛を確かめ合うように。
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