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エルという存在の終わり。
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王宮での謁見の後、
俺は学院でエルと顔を合わせても
どういう風にふるまえばいいかわからなくなっていた。
エルもきまずいのか、二人の間には距離ができていた。
そこへエルが、
「後でオレの寮の部屋にきてくれ。話がしたい。」
と声をかけてきた。
俺はエルの部屋へ行った。
元々エルが学院で寮生活をしているとは聞いていたが、
俺が部屋に入るのは初めてだった。
この部屋で6年も暮らしたはずなのに物が少なく、
必要最低限のものしかない部屋だった。
そんな俺の思考に気付いたのか、
エルは、
「この寮の部屋に泊まることもあったけど、
夜は王宮で王太子の仕事をしていることが多いんだ。
だからこのくらいの必要最低限のもので十分なんだ。」
と言った。
「オレの本当の名前はエーレンフリート=シャルフェンブルク。
エリアス=ザイデルというのはこの学院にいるときだけの仮の名前だ。
この茶色の髪も瞳も、王族だとわからないように魔法で見た目を変えているんだ。」
やはりエルは王太子殿下だった。
実際にエルの口から聞かされ、
部屋で生活していた形跡がないという決定的な事実を見せられ、
すべてが現実なんだと実感する。
「なあ、エル、
今までのエルは全部ウソだったのか?
二人で騎士になる夢もウソだったのか?」
「ごめん、ラルフ。」
エルが俯きながら言った。
「なあ、エル、
苦しい。
胸が苦しいんだよ。
王宮でエルを見たときから
ずっと胸が苦しいんだよ。
なんでだよ。
どうして。
どうして!!」
俺は声を荒らげてしまった。
するとエルは俺の前に立ち、
俺の顔を見据えて言った。
「それはオレがお前を裏切っていたから、
それを知ってしまったから苦しんだよ。」
エルは覚悟を決めたような声色で言った。
「そして、お前は恋をしているんだ。
オレへの恋だよ。」
「は・・・?恋?」
「そう、恋。
ラルフはオレのことが好きなんだよ。」
「俺がエルのことを好き・・・!?」
「うん。
オレのことが好きだから、
オレの行動で、
心臓がぎゅってなったり、
身体が熱くなったり、
胸が苦しくなったりするんだ。
ラルフが闇魔法にかけられているって言ってたのも、
嫉妬だ。
オレが他のヤツといるのがイヤだって嫉妬してたんだ。」
「嫉妬・・・」
「なんでそんなことわかるんだ、て顔だな。
わかるよ、
オレだってラルフと同じ気持ちだもん。
オレだって、ラルフのことになると、
胸が苦しくなったり、顔が赤くなったり、エルに近づくヤツに嫉妬したりするよ。」
「エルも俺が好き・・・」
「でもラルフが恋したオレは偽りのオレなんだ。
お前をずっと騙して、
お前の夢のことも黙っていて、
何食わぬ顔でラルフと一緒にいたオレに
お前に好きになってもらう資格なんてないんだよ。」
「ごめんな、お前が専属護衛騎士になりたいって言った、
お前が憧れた王太子がこんなオレで。」
気付けばエルは笑顔なのに涙を流していた。
オレははっきり言って混乱していた。
エルが王太子殿下?
俺がエルのことを好き?
エルが俺のことを好き?
情報が多すぎて、頭の中が追い付かない。
エルにウソをつかれていたことを怒るべきなのか。
エルとこれから入団する騎士団で一緒にいられることはない、という事実を嘆くべきなのか。
俺がエルを好きだという事実に驚くべきなのか。
エルが俺のことを好きだということに喜ぶべきなのか。
こんなにたくさんの感情を、俺は処理できなかった。
「エル・・・
すまない・・・
今、俺は、
お前になんて声をかけていいかわからない。
今は1人にさせてくれないか。」
「そうか。そうだよな。
ごめん・・・
オレにはラルフを引き留める資格なんてない・・・」
エルが涙を流しながら、しんどそうに言った。
しかし俺はそんなエルを気にかける余裕もなかった。
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ここまでお読みくださり、ありがとうございます!
喜怒哀楽の感情を一度に受けるラルフくん・・・頑張れ。
俺は学院でエルと顔を合わせても
どういう風にふるまえばいいかわからなくなっていた。
エルもきまずいのか、二人の間には距離ができていた。
そこへエルが、
「後でオレの寮の部屋にきてくれ。話がしたい。」
と声をかけてきた。
俺はエルの部屋へ行った。
元々エルが学院で寮生活をしているとは聞いていたが、
俺が部屋に入るのは初めてだった。
この部屋で6年も暮らしたはずなのに物が少なく、
必要最低限のものしかない部屋だった。
そんな俺の思考に気付いたのか、
エルは、
「この寮の部屋に泊まることもあったけど、
夜は王宮で王太子の仕事をしていることが多いんだ。
だからこのくらいの必要最低限のもので十分なんだ。」
と言った。
「オレの本当の名前はエーレンフリート=シャルフェンブルク。
エリアス=ザイデルというのはこの学院にいるときだけの仮の名前だ。
この茶色の髪も瞳も、王族だとわからないように魔法で見た目を変えているんだ。」
やはりエルは王太子殿下だった。
実際にエルの口から聞かされ、
部屋で生活していた形跡がないという決定的な事実を見せられ、
すべてが現実なんだと実感する。
「なあ、エル、
今までのエルは全部ウソだったのか?
二人で騎士になる夢もウソだったのか?」
「ごめん、ラルフ。」
エルが俯きながら言った。
「なあ、エル、
苦しい。
胸が苦しいんだよ。
王宮でエルを見たときから
ずっと胸が苦しいんだよ。
なんでだよ。
どうして。
どうして!!」
俺は声を荒らげてしまった。
するとエルは俺の前に立ち、
俺の顔を見据えて言った。
「それはオレがお前を裏切っていたから、
それを知ってしまったから苦しんだよ。」
エルは覚悟を決めたような声色で言った。
「そして、お前は恋をしているんだ。
オレへの恋だよ。」
「は・・・?恋?」
「そう、恋。
ラルフはオレのことが好きなんだよ。」
「俺がエルのことを好き・・・!?」
「うん。
オレのことが好きだから、
オレの行動で、
心臓がぎゅってなったり、
身体が熱くなったり、
胸が苦しくなったりするんだ。
ラルフが闇魔法にかけられているって言ってたのも、
嫉妬だ。
オレが他のヤツといるのがイヤだって嫉妬してたんだ。」
「嫉妬・・・」
「なんでそんなことわかるんだ、て顔だな。
わかるよ、
オレだってラルフと同じ気持ちだもん。
オレだって、ラルフのことになると、
胸が苦しくなったり、顔が赤くなったり、エルに近づくヤツに嫉妬したりするよ。」
「エルも俺が好き・・・」
「でもラルフが恋したオレは偽りのオレなんだ。
お前をずっと騙して、
お前の夢のことも黙っていて、
何食わぬ顔でラルフと一緒にいたオレに
お前に好きになってもらう資格なんてないんだよ。」
「ごめんな、お前が専属護衛騎士になりたいって言った、
お前が憧れた王太子がこんなオレで。」
気付けばエルは笑顔なのに涙を流していた。
オレははっきり言って混乱していた。
エルが王太子殿下?
俺がエルのことを好き?
エルが俺のことを好き?
情報が多すぎて、頭の中が追い付かない。
エルにウソをつかれていたことを怒るべきなのか。
エルとこれから入団する騎士団で一緒にいられることはない、という事実を嘆くべきなのか。
俺がエルを好きだという事実に驚くべきなのか。
エルが俺のことを好きだということに喜ぶべきなのか。
こんなにたくさんの感情を、俺は処理できなかった。
「エル・・・
すまない・・・
今、俺は、
お前になんて声をかけていいかわからない。
今は1人にさせてくれないか。」
「そうか。そうだよな。
ごめん・・・
オレにはラルフを引き留める資格なんてない・・・」
エルが涙を流しながら、しんどそうに言った。
しかし俺はそんなエルを気にかける余裕もなかった。
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ここまでお読みくださり、ありがとうございます!
喜怒哀楽の感情を一度に受けるラルフくん・・・頑張れ。
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